刑事たちの余談

江木 三十四

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29.犯人の特徴 

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お決まりの取り調べ室にて
刑事K「あなた、事件の目撃証言と似ていますね」
容疑者H「どこがです?」
K「もちろん、あなたの見た目です」
そう言うとHの頭をまじまじと見つめる。
H「それは、私がハゲてるからですか?」
K「そんなことは言ってないですがね」
しかし、KはHの頭から目を離さない。
H「頭に来ますね。その言い方は!ハゲをバカにしてるでしょ」
K「だから、頭の毛のことは言ってないですよ」
H「今言った!髪の毛のこと言ったな」
K「すいません。今は言いました」
H「しかも、ハゲ、ハゲって何回も言ってるじゃないか」
K「それは、あなたが一人で言ってるんですよ。すごい、気にしてるんですね」
H「当たり前だ!」
K「よーく、分かりますよ」
H「ところで、私は何で警察につれてこられたんですか?何かの容疑なんでしょ」
K「はい、殺人事件がおきましてね」
H「その犯人が私だと?」
K「まだ、決まってはいないんですがね」
H「私が犯人という証拠があるんですか?」
K「実は、犯行現場に犯人のものと思われる髪の毛が一本落ちていましてね」
H「それが私と関係があるんですか?」
K「はい、それであなたの毛を一本いただきたいんですが、協力していただけますか?」
H「いやですね」
K「ぜひお願いしますよ。Hさん」
H「絶対嫌だ。最後の一本なんだぞ」
K「あなたの無実を証明するにはこれしかないんですよ。それでも?」
H「この毛を抜かれるくらいなら、有罪になった方がなんぼかましだ」


みさとさん「ガンコな人ね」
福田君「髪は命って言ってたよ」
みさとさん「そう言えば、あなた最近薄くなったみたいよ」
福田君「やめてよ」

おしまい

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