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第6話 「いざ潜入」
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鬱蒼とした森の中。
日は既に落ちかけており、あたりは暗さを極める一方だった。
そんな森の中にそびえ立つ白い壁。多少緑化しており、真新しい感じは見受けられない。
ここは森の中にある"研究所"。今は破棄されており、内にも外にも人気はうかがえない。
ーーが。そんな沈黙を破り、研究所の前に、二人の男が姿を現した。
「ーしかしまあ、なんとも懐かしいというか、この怪しげな感じは変わってないな...」
ギルバートは周囲を見渡し、懐かしむように言った。
「これが研究所....まさか、こんな森の深くにあるとはな....おかげで見つけにくい訳だ。」
ジークは少々不満を漏らしながらも、その研究所を見つめていた。
「当たり前だろ?さっきも言ったが、ここの研究所では、誰の目にも触れることはない、極秘の研究をしていたんだから。」
「それが、例のーーー?」
「そう、サイボーグ。恐らく"能力者"のな。」
ギルバートが語った、研究所で行われているある研究ー。それは、人々には極秘で進められていた、"能力者"の研究だった。
「どうやら、能力の因子を持った血統の一人が、研究を行っていたらしい。恐らくだが、自分の血の繋がりのある何者かをサイボーグにしたんだろう。そして、そのサイボーグは此処で今も囚われの身だ。こうして人がいなくなった今でもな。」
「なるほど。であれば手早く、助けたいところだがー」
「わかるか?この視線。」
「ああ、そりゃもうしっかりとな。...まさか...」
二人が感じた"視線"。それは、次の瞬間には、物体として、物理的に飛んでくることになる。
ーーバン、という銃声音が鳴り響き、その銃弾はジークの脳天へと飛んでいく。しかし、ジークはなんとか反応し、避けようとする。
ヒュン、という風の音が空間を切り裂く。
「!!!大丈夫か!?ジーク!!」
「ああ、大丈夫、かすり傷で済んだ。」
銃弾は避けきれず、ジークの頰をかすめ、血が流れていた。
「だが...こいつは....やばいんじゃないか?」
そして間も無く、それらの音を発した犯人"たち"が姿を現す。草むらから大勢の戦闘ロボットたちが現れたのだ。
「くっ...!あの時と同じ、伏兵...っ!」
それは、ギルバートが過去に潜入した時に現れた伏兵の防衛ロボットそのものだった。そのロボットたちは赤いレーザーサイトを二人に射出し、取り囲んでいる。
「ったく....こいつらも朽ちてると思ったが...もういない主にまだ仕えてるのか?」
「...さて、どうするギル?囲まれてるぞ。」
「...へへっ!...残念ながら、もう同じ失敗はしないと決めたんでね...!」
その時、かすかにギルが言った、
目を閉じろー
その一言にジークが反応し、二人とも目を瞑るとー。
ギルバートがスタングレネードを能力で精製し、上に放り投げた。爆発音、その後にあたりに強い光が満ちる。
「ジーク、今のうちに行くぞ!」
「ああ!」
急に強力な光を観測したロボット、その目とも言えるメインカメラに異常をきたし、周りにいた全てのロボットが二人を見失う。
二人はそのまま、走って研究所の中へと侵入した。
研究所に存在するセンサーが、2名の侵入者を検知し、サイレンが鳴り響いた。
「緊急事態発生。侵入者を検知しました。関係者以外は速やかに退去してください。5分以内に退去しない場合、抹殺します。繰り返します....」
鬱蒼で静かだった研究所とは一変、アナウンスとサイレンが鳴り響き、赤いランプが警告するように照らす。その無機的で騒々しい廊下を二人は駆ける。
「.....追っ手が来る前に急がなくちゃあな!」
「ああ!......ん?ちょっと待て。なんか...地面が揺れてないか?」
その時。
天井から、二人の行方を塞ぐように巨大なロボットが突き破ってきた。
「!?......こいつ...天井を突き破って...」
あまりの光景に、ジークが驚く。
「これじゃ先に進めねえぞ!」
「ジーク、こっちだ!こっちから迂回しよう!」
ジークたちはロボットを避けるように迂回する。
だが、ここで侵入者を見過ごしては警備ロボットの名が廃る。ロボットはそのまま、その巨躯を動かし、ジークたちを追う。
「くっ...やっぱり追ってきやがったな...?」
「というか、ギル!お前、どこにそのサイボーグがいるかわかってるのか!?」
「詳しくはわからんが....多分一番地下のところだ!」
「そんな曖昧な...」
ジークが呆れた顔で言った。
巨大ロボットはひたすらに二人を追う。無我夢中で走り続け、右往左往しているうちに。
「...嘘だろ...!?」
二人は絶望する。目の前には、無残にも壁ができていた。
ーー行き止まりだ。二人は行き詰まってしまったのだ。このままではロボットに押しつぶされてしまう。
だが。
「ギル!いい考えがある!」
「なんだ!?」
「跳ぶんだ!タイミングを合わせ、奴とあの天井との隙間を縫って飛び越えるんだ!」
「ぐっ...やるしかねえか...!!」
お互いの距離が詰められる。暴れ、突撃する
ロボットと、足に力を込める二人。そして、とうとうぶつかろうかというその刹那。
「今だ!」
二人は同時にジャンプし、ロボットの上を抜けて反対側に降り立った。勢い余ったロボットはそのまま壁に激突。そこで止まるーーはずが。
ロボットはそのまま奥の何やら広い空間へと抜け、下へと落ちていった。
「なんだありゃ....隠し部屋か?」
「!!おい!ジーク!あれ!」
その広い隠し部屋で二人が見たものー。それは。
翡翠色に光る液体に満ちた巨大なカプセル。
その中に浮かび眠る、一人の少年の姿だった。
to be continued...
日は既に落ちかけており、あたりは暗さを極める一方だった。
そんな森の中にそびえ立つ白い壁。多少緑化しており、真新しい感じは見受けられない。
ここは森の中にある"研究所"。今は破棄されており、内にも外にも人気はうかがえない。
ーーが。そんな沈黙を破り、研究所の前に、二人の男が姿を現した。
「ーしかしまあ、なんとも懐かしいというか、この怪しげな感じは変わってないな...」
ギルバートは周囲を見渡し、懐かしむように言った。
「これが研究所....まさか、こんな森の深くにあるとはな....おかげで見つけにくい訳だ。」
ジークは少々不満を漏らしながらも、その研究所を見つめていた。
「当たり前だろ?さっきも言ったが、ここの研究所では、誰の目にも触れることはない、極秘の研究をしていたんだから。」
「それが、例のーーー?」
「そう、サイボーグ。恐らく"能力者"のな。」
ギルバートが語った、研究所で行われているある研究ー。それは、人々には極秘で進められていた、"能力者"の研究だった。
「どうやら、能力の因子を持った血統の一人が、研究を行っていたらしい。恐らくだが、自分の血の繋がりのある何者かをサイボーグにしたんだろう。そして、そのサイボーグは此処で今も囚われの身だ。こうして人がいなくなった今でもな。」
「なるほど。であれば手早く、助けたいところだがー」
「わかるか?この視線。」
「ああ、そりゃもうしっかりとな。...まさか...」
二人が感じた"視線"。それは、次の瞬間には、物体として、物理的に飛んでくることになる。
ーーバン、という銃声音が鳴り響き、その銃弾はジークの脳天へと飛んでいく。しかし、ジークはなんとか反応し、避けようとする。
ヒュン、という風の音が空間を切り裂く。
「!!!大丈夫か!?ジーク!!」
「ああ、大丈夫、かすり傷で済んだ。」
銃弾は避けきれず、ジークの頰をかすめ、血が流れていた。
「だが...こいつは....やばいんじゃないか?」
そして間も無く、それらの音を発した犯人"たち"が姿を現す。草むらから大勢の戦闘ロボットたちが現れたのだ。
「くっ...!あの時と同じ、伏兵...っ!」
それは、ギルバートが過去に潜入した時に現れた伏兵の防衛ロボットそのものだった。そのロボットたちは赤いレーザーサイトを二人に射出し、取り囲んでいる。
「ったく....こいつらも朽ちてると思ったが...もういない主にまだ仕えてるのか?」
「...さて、どうするギル?囲まれてるぞ。」
「...へへっ!...残念ながら、もう同じ失敗はしないと決めたんでね...!」
その時、かすかにギルが言った、
目を閉じろー
その一言にジークが反応し、二人とも目を瞑るとー。
ギルバートがスタングレネードを能力で精製し、上に放り投げた。爆発音、その後にあたりに強い光が満ちる。
「ジーク、今のうちに行くぞ!」
「ああ!」
急に強力な光を観測したロボット、その目とも言えるメインカメラに異常をきたし、周りにいた全てのロボットが二人を見失う。
二人はそのまま、走って研究所の中へと侵入した。
研究所に存在するセンサーが、2名の侵入者を検知し、サイレンが鳴り響いた。
「緊急事態発生。侵入者を検知しました。関係者以外は速やかに退去してください。5分以内に退去しない場合、抹殺します。繰り返します....」
鬱蒼で静かだった研究所とは一変、アナウンスとサイレンが鳴り響き、赤いランプが警告するように照らす。その無機的で騒々しい廊下を二人は駆ける。
「.....追っ手が来る前に急がなくちゃあな!」
「ああ!......ん?ちょっと待て。なんか...地面が揺れてないか?」
その時。
天井から、二人の行方を塞ぐように巨大なロボットが突き破ってきた。
「!?......こいつ...天井を突き破って...」
あまりの光景に、ジークが驚く。
「これじゃ先に進めねえぞ!」
「ジーク、こっちだ!こっちから迂回しよう!」
ジークたちはロボットを避けるように迂回する。
だが、ここで侵入者を見過ごしては警備ロボットの名が廃る。ロボットはそのまま、その巨躯を動かし、ジークたちを追う。
「くっ...やっぱり追ってきやがったな...?」
「というか、ギル!お前、どこにそのサイボーグがいるかわかってるのか!?」
「詳しくはわからんが....多分一番地下のところだ!」
「そんな曖昧な...」
ジークが呆れた顔で言った。
巨大ロボットはひたすらに二人を追う。無我夢中で走り続け、右往左往しているうちに。
「...嘘だろ...!?」
二人は絶望する。目の前には、無残にも壁ができていた。
ーー行き止まりだ。二人は行き詰まってしまったのだ。このままではロボットに押しつぶされてしまう。
だが。
「ギル!いい考えがある!」
「なんだ!?」
「跳ぶんだ!タイミングを合わせ、奴とあの天井との隙間を縫って飛び越えるんだ!」
「ぐっ...やるしかねえか...!!」
お互いの距離が詰められる。暴れ、突撃する
ロボットと、足に力を込める二人。そして、とうとうぶつかろうかというその刹那。
「今だ!」
二人は同時にジャンプし、ロボットの上を抜けて反対側に降り立った。勢い余ったロボットはそのまま壁に激突。そこで止まるーーはずが。
ロボットはそのまま奥の何やら広い空間へと抜け、下へと落ちていった。
「なんだありゃ....隠し部屋か?」
「!!おい!ジーク!あれ!」
その広い隠し部屋で二人が見たものー。それは。
翡翠色に光る液体に満ちた巨大なカプセル。
その中に浮かび眠る、一人の少年の姿だった。
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