めんどくさいが口ぐせになった令嬢らしからぬわたくしを、いいかげん婚約破棄してくださいませ。

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天国と地獄【ヒロインサイドストーリー(おまけ)】

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 会いました、会いましたよ!

 絶世の美男子マジマンジ皇太子と、絶世の美女子ダリーナ皇太子妃に!

 うーんほんといるんだなあ、ああいう非の打ち所がない組み合わせって。まあゲームだからあたりまえか。

 でもさー何かわたしの攻略対象ってほんとにマジマンジ皇太子??
 どうみてもあの人、ダリ―ナ皇太子妃しかみえてないんだけど。わたしが近づいても恋愛フラグ無反応な様子だったし。

 まちがえたかなーわたし最初の選択でだれか別の人指定したんじゃないかなー覚えてないけど。

 まーもうあのご尊顔を拝めたらすっきりしちゃったんだよね、
 どっちかというと、ここでのスローライフを満喫したいんだよねーふふふふ
 
 
 ということで今日もマトモナコにあちこちのスイーツ取り寄せてもらって、広いダブルキングサイズベッドに散らばせて、ごろごろ寝っ転がって本棚の冒険小説を片っぱしから読み漁ってます。
 
 ううん!幸せ!!いかんわーニート廃人よろこんでなるわー!!
 
 
 とか満喫してたらなんとお茶会に呼ばれた。
 
 
 変だ。
 
 やっぱマジマンジ皇太子がわたしのルートなのか?お茶会といや、悪役令嬢からの虐めの場と、相場は決まってるじゃん。
 
 こんなホイホイ都合よく雲の上の人たちに会えることからして変だよなあ。
 うーん。
 
 まあ、行ってみるかー……
 しっかし分かってて虐められに行くのもなー
 でもきっとあの人たち、超絶美味いスイーツ食べ放題だよなーおこぼれもらいに行きたいなー
 
 
 
 で、食欲に負けた。
 
 しかも、まったく虐められなかった……!?きっとルートじゃないんだわ。うん。そういうことだわ。だったらなんでお茶会に呼ばれたのか分かんないけど。
 でもまーラッキーだわー
 やっぱり悶えるような絶品スイーツだらけだったし。
 
 あんな美味いの毎日食べれるんだったら悪役令嬢に転生でもよかったなあ。ま、でも最後どうなるか分かったもんじゃないし、いまの男爵令嬢でもじゅうぶん贅沢三昧の天国だし、やっぱこのあたりが最高だよな。うん。
 
 うん?
 
 なんかハラがゴロゴロする。
 
 なんだろ。
 
 
 
 ううう?
 やばいほんとにやばい、なにこのハラのかみなり。
 
 ま…まさか、いまさっき食べたフルーツ……いや、違うよね、こんな美味いのに腐ってるはず…は、毒?毒か?!
 いや、でもだったらもうとっくに死んでるよな、もう10個も食べてるんだし。
 あ、いた、いたたたたた!
 やばいやばいやばい
 トイレGGGOOOOOOOOOOOOOOOOooooooooッ
 
 
 
 「きゃードロボーニャさま!!なんですの、このかじりかけのフルーツ腐ってるじゃありませんか!!これ最後のひとつ…?まさかバスケットの全部お食べに…!?」
 
 ここはトイレ。マトモナコの悲鳴が遠くに聞こえる…
 
 腐ってるだとう。ダリ―ナめ、よ…よくもそんなものを土産に持たせ……あ、いた、いたい(涙)
 
 
 やられた…
 
 
 「やっぱりちゃんと虐められるんじゃんかよ!!!!」
 
 
 痛みが治まる一時的な合間合間に、呪詛のごとく叫ぶことで発散につとめるも。
 
 
 
 それから数日間、わたしは地獄をさまよった……。
 


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