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テントウムシの情報【ヒロインサイドストーリー(おまけ)】
しおりを挟むペガサスに乗れた!
ペガサスで空飛んだ!
もうこの世界マジ最高だわーいええええぇぇええす!!!
とか乱舞ってたのに、
次にお呼ばれしたオペラ座で、テンション地に落ちたわ。
トイレぜんぜん紙ないし、絶世の美男子にありえない面みちゃったし、だいたいオペラ何歌ってんだかぜんぜんわかんなかったし、
そも、あの王子、悪役令嬢にガチ惚れでヒロインのつけいる隙ゼロだし。ありえないわー。
怒りのテンションなら振り切れ寸前すよ。
あーーリア充めうぜえええええええええええぇぇぇぇぇぇぇぇぇ
叫んでたらお母様が顔を出した。
「ドロボーニャ。わたくしたちは転んでも貴族です。叫ぶなど、はしたない。それも意味のわからぬ言葉を延々と……。最近の貴女は人が変わったみたいになって、お父様も心配してますよ」
うお。
やっぱ、こんなキャラじゃなかったかー。まああたりまえだよねー。
「ご、ごめんなさい、お母様。以後気をつけます。きゃは」
こんなかんじはどうかな。
「なんですか、そのきゃはって」
これもなかったか。
「ご、ごごめんなさい、お母様。以後気をつけます。くすん」
こっちかな。
「……よろしいわ」
こっちなんだ。
去ってゆくお母様を目で見送って、わたしはペガサスでマイペット探して飛んでった先で捕まえたテントウムシもどきを召喚する。
こういうの探してたんだよねー。テントウムシのかっこしてるスズメなんだけどねー。
シマウマならぬミズタマウマもいるらしいし、この世界ではドット柄がはやってるのかね。
ちな、この生物、スズメの鳴き声してるテントウムシかもしれない。
召喚されて出てきた生物を改めてまじまじ見てわたしは首をひねっていた。
「まあいいや。調査依頼。お母様の後を追って、お父様との会話を記録してきてー」
「ちゅん」
ヤツは返事をすると羽をぱたぱたさせて部屋を出ていった。
この世界で見つけた生物は、相性が合えば自分のペットにすることができる。
ペットにすると別世界に控えるようになって、召喚によってこの世界に姿を見せるようになるらしい。
てきとうな設定だよなー。
で、鳥属性も虫属性も、映像だとか音の記録に適するので、隠密部隊に重宝されるらしい。
いまわたしのすべきことは、お母様お父様の会話をヒントに、元々のドロボーニャのキャラを知ること。
ペガサスで空飛べるってなった時、うおっしゃあ鳥属性か虫属性をぜったい捕まえるぜって意気込んだわー。
あやつら、地上にいたらなかなか捕まえらんないからね。
ダリ―ナの侍女がペガサス操縦してくれるから、よけいに捕まえやすかったしラッキーだったわー。ダリ―ナとマジマンジ皇太子が飛んでる空からすっげ離れたところまで飛んでいかれたけど。侍女からすれば、わたしとマジマンジ皇太子が近づくのは鼻持ちならないっぽいから、それでかな。
人ひとりいない空を飛びまわってくれたおかげで、捕まえ放題だったけどね。
で、一匹いればいいから、わたしといちばん相性よさそうなあのテントウムシとペット契約した。
相性ってさー、感じるんだよね。あれ不思議だわー。
人間どうしも感じるものだけど、動物とも感じるよねー。不思議だー。
お、帰ってきた。
「ちゅんちゅん」
羽を広げてさっそくわたしに記録動画を再生してくれる。どれどれ。
『あなた、ドロボーニャがまた叫んでましたわ』
お母様が溜息たっぷりに愚痴った。
『やはり年頃の娘だから不安定なのは仕方がないのかね。心配だが、もう見守るしかあるまいか』
お父様が返す。
『そういや昔からよくひとりで突然歌い出したりしたじゃないか。最近静かになったと思ってたが』
え、そうなん。
『それにしたってあなた、最近のあの子は歌うどころか叫び出すんですよ。マトモナコなんてもう怯えてしまってるではありませんか』
ええ、そうだったの?!すまんマトモナコ。
『あの子にはそろそろいいなずけを会わせなくてはいけませんのに、どうしたらいいものかしら』
えええ、いいなずけいたの!?
『ううむ。幼い頃に一度会わせたきり、彼は隣国へ行ってもう何年も会っていないからな。だが今の不安定なときに会わせて大丈夫なのか?』
『そうですわよねえ……って、きゃあ虫だわ!!あなた捕まえて!!』
映像は突然ここで途絶えた。テントウムシは必死に逃げてきたらしい。
すまんかったね、とテントウムシをねぎらってから、わたしは頭をかかえた。
いいなずけだと?
ヒロインにいいなずけ。
あの乙ゲー、そんな設定あったっけ??
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