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ヒロイン、婚約者に会う① 【ヒロインサイドストーリー(おまけ)】
しおりを挟む何しに行ったのかよくわからないまま、エステの町からわたしは帰宅した。
『抹緑スイーツ堪能してきたんだからいいじゃない』
君、いつまで頭の中にいるの。
『私の体なんだから、いつまでもいて当然でしょ!』
でも読者が混乱します。
それにだんだん話し方、町娘みたいになってるんですけど……
『あなたにつられてるだけよ』
「あら、お帰り、ドロボーニャ」
「た」
『ただいま戻りましたのお母様、疲れましたのくすんとお言い』
「…ただいま戻りましたのお母様、疲れましたのくすん」
さすが話し方あっさり戻るね…。そうかあ。元ドロボーニャのキャラがこれで再現できるのかー今みたく真似すればいいんだもんね。
『元じゃないわ、今も私よ!早く出てってよね』
「だから出てけないんだってば」
「え?」
あ、やば、声に出して答えてしまった。
「なんでもございませーん!!」
『うるさいわよ、私そんなふうに叫びませんわよ』
「うるさいのそっちだよ、このネコかぶり」
「まあなんですかドロボーニャ」
「あ、だからいや、ごめんなさいお母様に言ったんじゃありません!」
『ばっかねえ』
「うっさ!」
「ドロボーニャ!?」
わーもー読者の前にわたしが混乱してんじゃん!!
「ちょっと疲れちゃったみたいです~ごめんなさい失礼いたしますわ~!…あ、くすん!」
部屋に駆け込んだわたしは、肝心な事を忘れていたことに気づいた。
明日の夜のゲストとは具体的に誰なのか教えてもらうのを。本当に予想通りいいなずけなのだろうか。
『マトモナコあたりに聞けばいいじゃない。きっと知ってるわよ、あの子たちが料理から何から事前準備してるんだから』
あ、そっか。
「マトモナコーーーーーー」
どこにいるのかわからないので大声で呼んでみる。
ちょっとの時間が経過した後。
パタパタと廊下を走ってくる可愛い足音が聞こえてきた。
あの子ってなんで全てが可愛いんだ?ヒロインより侍女のほうが数倍可愛い設定の乙ゲーって、そこからして変だよね。
『あなたがよく言ってるそのヒロインっていうのも何よ』
えーあーこっちの話。説明するのもだるい。
「はいお嬢様!おまたせいたしました!」
マトモナコの可愛い返事が扉越しに響いた。
で、聞いたところによるとね、ゲストはわたしの予想どおりドロボーニャのいいなずけ、イケメン君らしい。てか名前がイケメンって、面と向かって呼びづらいこと確実なんだけどさー。この世界、イケメンって言葉にはイケ男子の意味はないらしい。マジマンジにマジマンジな意味も無いらしいし(なぜかマジはある様子だけど)、抹茶は抹緑だし読者混乱させすぎでしょ。マジごめんなさい。
『誰と話してるのよ』
いやさー、イケメン君はなんで国外追放されてたの?
『国外追放なんかされてないわよ。国外に遊学してたの』
あ、そうなんだ。何を学びに?
『あらゆる事をよ。イケメン様のヤバイ家は、この国の男爵家の中ではトップクラスの家なのよ、宮廷に仕える士官たちを一番輩出している家系なの。イケメン様も稀代の秀才よ』
へー。
じゃねえわ!
いま、さらっとヤバイ家って聞こえたんだけど?ちょっと確認させてもらうけど、いま“ヤバイケ“ って、言ったよね?
『言ったわ』
ラストネームがヤバイさんってことだよね?
『そうよ』
ヤバイやばいどころじゃなくやばばばばばでしょそれ。
『は?あなたいいかげんに異星人言葉やめてくれない』
ヤバイさんちのイケメン君。くぷぷぷぷp
『壊れました?』
やばいわ、会った瞬間に思い出し笑い超えて思い出しふきだししそうだわ。
『やばいわって何よ、ヤバイよ、“わ” は付いてないわ、そういえばあなたヤバイヤバイって、前からイケメン様のラストネームを前から呼び捨てで口にしてたじゃない、ヤバイ様とすでに知ってたのではなくて?』
もういいの、こっちの話だから。なんか短時間にやばいやばい聞きすぎてやばいで満腹だわ、ハラくるしくなってきた。
よし、とにかく明日は名実ともにリアルイケメンにあえるんだからがんばろう!!
って振り出しに戻ってるよ。でもエステしそこねたしなあ。自宅で優雅にバスタイムでいいかな。
あああぁ!?
最上級に肝心なこと聞き忘れてんじゃん!!!
『何よ』
うちって密売組織だったのですかお母様?!ってガクブルして聞くコトッ!!
『いちいち聞かなくてもいいじゃないべつに…』
やばいわ。もうまじマジマンジだわ。
『不敬な呼び捨てやめなさいって』
この事、イケメンは知ってるの?!
『ヤバイ家は海外拠点でうちが取引相手になるように調整してくれてる親玉みたいなものよ。当然でしょ』
はい。いろんなメーター振り切れた。
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