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第7話:燃える告白とピンクの証拠品
しおりを挟むScene1 消えた配信者と謎のピンク
ある夜、人気動画配信者LISA(梨沢里紗)は、フォロワー30万人に向けて生配信をしていた。
「ねえ、もし世界にたったひとりだけ、私のことを心から好きな人がいたら──」
ふいにLISAの目線が、カメラから外れる。
「……ちょっと、なにこれ!? やめ──!」
突如として絶叫し、配信はブラックアウト。
そのわずか5分後、マンションの管理人から「異臭と悲鳴が聞こえた」と警察に通報が入った。
⸻
Scene2 まどかたち登場
「まーた変な事件ね。今度は配信者失踪事件?」
霧島まどかが部屋を見回す。
捜査一課の刑事、橘直哉もそれに続く。
室内は乱れていた。カメラ機材が倒れ、配線が引きちぎられている。
そして、部屋の中央には、ひときわ浮いた色の──ピンクのレースの下着。
「ええっと……なんでこれが……」
まどかがしゃがんで拾い上げた瞬間、
「やめた方が……っ」
橘が顔を逸らした。耳が赤い。
⸻
Scene3 関係者と容疑者たち
🧍♂️三崎レイジ
LISAの熱心なファン。自称「彼女の一番の理解者」。
「LISAは心を病んでいた。だから俺が助けたかったんだ!」
🧍♀️柚月ハルカ
元マネージャー。今は表舞台から離れている。
「私が全部作った。キャラも喋りも衣装も、ぜんぶ──」
🧍♂️小柳誠司
同業の男性配信者。「再生数では勝ってたんだけどね」
過去にLISAと喧嘩別れしたコラボ動画が炎上している。
🧍♀️田所瞳
女性ファン。LISAを“女神”と呼び、自宅の外で待ち伏せしていた過去も。
「彼女はね、誰よりも孤独だったの」
⸻
Scene4 それぞれの思惑
「ピンクの下着、LISAさんの私物じゃなさそうだ」
まどかがタグを確認する。「サイズが合ってない」
「つまり、誰かが置いたってことだな」橘。
事件は当初、三崎レイジや小柳誠司など男性陣に疑いが集中した。
しかし、証拠やアリバイは曖昧ながら、どこか不自然さが拭えない。
⸻
Scene5 柚月ハルカの告白
ハルカは最初、「関係ない」と口をつぐんでいた。
だが、まどかの一言が彼女の防壁を崩す。
「あなたは、LISAさんを守ろうとしてた。……それって、愛よね?」
「……守りたかったわけじゃない。
あの子を作ったのは、私なの。彼女の魅せ方、声の出し方、配信プラン、全部。
でも、独立してからは全部“彼女の手柄”になった……
私には、何も残らなかった」
ハルカの声は震えていた。
「最後に、“あの子が消えても私は存在してた”って、証明したかったの。
それがこの……ピンクの下着っていう小道具だったの。彼女が“演出”を失った象徴として」
⸻
Scene6 まどかと橘の帰り道
「ハルカさん、どこか哀しかったわね」
「まあ……気持ちは分からなくもない。作ったモノが勝手に歩いて、自分を追い越していく」
橘は横目でまどかを見た。彼女もまた、事件のたびに“誰かを演じる”ことに長けている。
「……ところで、その下着、捨てたよな?」
「鑑識に預けたわよ、当然でしょ」
「……そっか。よかった」
「……何が?」
「いや、なんでもない……」
橘は、小さく胸を撫で下ろした。
⸻
Epilogue 栗原再登場
「まどかさん! ピンクの下着、僕が責任持って……」
「はい通報します」
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