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第五章:「魏支国潜入」
第七十三話:「死者兵士」
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翠弦が雪を押しのけると、下から古びた木の板が現れた。
彼が慎重に板を外すと、湿った冷気とともに腐臭が立ちのぼる。
暗い地下室が口を開けていた。
灯火をかざすと、そこには整然と並ぶ影があった。
鎧をまとい、武器を抱えた兵士たち——だがその肌は土気色で、瞳は閉ざされている。
「……死者兵士」
リンが息を呑む。
藍峯が壁際の装置を指差した。
「符と術具……やはり。夜になると奴らは活動を開始し、夜明けとともにここに戻り休眠する仕組みだ」
決死隊は息を潜め、部屋の中央を横切る。
眠る死者兵士の列は、ひとつの咳払いすら命を賭ける緊張を強いた。
翠弦が周囲を探り、奥に通じる狭い通路を示した。
「抜け道があります。ただし……夜明けが近づけば奴らが戻ってくる。急ぐべきです」
天翔が青龍刀を握り、静かに頷く。
「一歩でも遅れれば、ここは奴らの巣窟と化す。進め」
黒鷹派の霧影と余崇が前を、潤騎が後方を固める。
藍峯は最後尾で装置を一瞥し、低く呟いた。
「もしこの技術が完成すれば……昼夜問わず動く兵が生まれる。そうなれば戦は終わることがない」
リンは振り返り、短く言った。
「だからこそ、ここで止める」
死者兵士の眠る部屋を抜け、冷気の吹きすさぶ外へと出る。
背後では、鎧に霜を纏った兵士たちが、ただ静かに次の夜を待ち続けていた。
決死隊の一人が声を潜める。
「……今のうちに火薬を仕掛けて潰すのはどうだ? ここを破れば奴らも永遠に眠ったまま……」
しかし翠弦が素早く制した。
「待て。見ろ」
彼は入口の岩肌に指を這わせ、小さな刻印と金属片を示した。
「爆薬を用いれば、この封鎖機構が作動する。岩盤を崩すどころか、逆に格納庫を開放する仕掛けだ」
隊士たちが息を呑む。
「つまり……壊そうとすれば、死者兵士を目覚めさせる……」
天翔が低く頷いた。
「魏支の者ども、用意周到だな。我らが焦り、破壊を選べば、それこそ敵の思う壺だ」
雪解け水が岩を滴り落ちる音だけが響く。決死隊は息を殺し、格納庫を背にさらに奥を目指した。
決死隊は慎重に奥へ進んだ。
吹雪の残滓(ざんし)に濡れた岩壁を探り、氷の隙間を確かめる。誰もが禁苑の入口を求め、目を凝らした。
だが──幾度も巡っても、ただ冷たい岩と雪があるばかり。
翠弦が深く首を振る。
「……道は、ここにはない」
兵たちの表情に落胆が走った。藍峯が無言で足元の雪を蹴り払い、天翔が短く告げる。
「引くぞ。ここで足止めを食うのは危険だ」
振り返れば、闇に沈む格納庫の木枠が不気味に佇んでいる。
いつ再び開くかも知れぬ死者兵士の巣。
誰もがその場を長く留まることを避け、決死隊は静かにそこを後にした。
藍峯は険しい表情のまま、岩壁をじっと見据えた。
「……おかしい。前に調べたとき、この先に禁苑へ通じる口があったはずだ」
天翔が眉を寄せる。
「だが今は……ただの岩壁だな」
岩肌を叩いても、音は鈍く、隙間はない。雪に埋もれたのではなく、何者かが意図的に塞いだのは明らかだった。
「封鎖された……魏支国が気づいて対策を打ったのか」
藍峯の声には苛立ちと悔しさが滲む。
翠弦が周囲を警戒しながら低く告げた。
「いずれにせよ、この道はもう使えません。別の入口を探すしか」
重苦しい空気の中、決死隊は格納庫を後にし、再び山道へと歩を戻した。
黒鷹派の数名が散開し、雪と氷に覆われた地形の歪みを調べ始める。
霧影はしゃがみ込み、氷を慎重に払い落とした。その下には僅かな凹みがあり、そこから冷気が漏れ出している。
「……ここだ。人工的な通風口がある」
霧影の声に、隊の空気が緊張で張り詰めた。
霧影が見つけた通風口は、雪に覆われてほとんど隠れていた。だが氷を削るごとに、内側から冷気が強く吹き出し、確かに地下の広がりへと通じていることを示していた。
「自然の風じゃない……地下に空洞があるな」
翠弦が低く呟く。
藍峯も身を屈め、手で空気の流れを確かめた。
「これは古い構造物の通気だろう。禁苑本体に繋がっている可能性が高い」
リンは剣の柄に手を添え、決死隊全員を見渡した。
「……ここが新しい入口への手がかりになる。だが通風口を広げるには音も立つ。敵に気づかれる危険もあるぞ」
天翔が前に出て、冷静に言い放つ。
「危険を恐れては前に進めん。今は進むしかない」
黒鷹派の兵が無言で頷き、氷を割り、雪をかき出す作業を始めた。
やがて、通風口の下に狭い石の階段が現れる。苔むした岩と鉄の枠がその周囲を囲み、かつて人の手によって作られたものだと一目でわかる構造だった。
霧影がその闇の奥を覗き込み、囁く。
「ここからなら、禁苑の内部に潜入できるはずだ……」
決死隊の胸に緊張と期待が入り混じる。
封鎖された旧入口に代わり、新たな道が見え始めていた。
黒鷹派の探索が続く中、翠弦の横で霧影がふと足を止めた。
雪に覆われた岩壁に掌をかざし、耳を澄ませる。わずかに冷気の流れが違っていた。
「……ここだな。風が逃げている」
霧影は低く告げ、雪を払う。すると岩肌の裂け目から、細い通風口が姿を現した。大人の拳ほどの隙間しかなく、通常の兵では到底通れない。
リンが目を細める。
「これでは兵を通すのは不可能だな」
霧影は一歩前に出て、薄く笑った。
「俺なら通れる。骨を外せば、肉体を細く折り畳める。……中を確かめてきましょう」
天翔が眉をひそめる。
「危険だぞ。中に罠があったら——」
「承知の上です。俺の役目でしょう」
霧影はそう言うと、肩の関節を外すように身をひねり、細い裂け目へと身体を押し込んでいく。骨がわずかに軋む音がしたが、苦悶の色はなく、彼は蛇のようにするりと通風口の奥へ消えた。
内部は闇に包まれ、湿った空気と薬品の匂いが漂っていた。狭い通路は迷路のように曲がりくねり、霧影は関節を外したまま、体をねじりながら静かに進む。
やがて、かすかな光と機械音が漏れてくる。霧影は岩の隙間から覗き込み、内部の様子を確かめた。
そこには鉄格子のような通路があり、奥では奇妙な装置が低く唸りを上げている。管の中を緑色の液体が流れ、時折、人の影らしきものが動いているのが見えた。
「……研究施設か。禁苑に繋がっているのは間違いないな」
霧影は長居はせず、慎重に通路を引き返す。再び外へ姿を現すと、兵たちは固唾を呑んで待っていた。
霧影は軽く息を吐き、報告する。
「通風口の先は研究施設の内部だ。兵を通すには狭すぎるが、侵入は可能。あそこからなら、禁苑の心臓部へ繋がるはずだ」
藍峯が頷き、地面に印をつける。
「つまり、この通風口こそ突破口か……」
リンは雪を払いつつ剣の柄に手を添えた。
「ならば決死隊を分ける必要がある。潜入する少数と、外で待機し援護する者とに」
天翔が低く言う。
「どちらも命懸けになるな」
白い吐息が吹雪の中に溶けていく。決死隊の二十名は互いに視線を交わし、それぞれの覚悟を確かめ合った。
通風口は小さく、だが確かな突破口であった。彼らはそこから、禁苑の核心へと挑もうとしていた。
彼が慎重に板を外すと、湿った冷気とともに腐臭が立ちのぼる。
暗い地下室が口を開けていた。
灯火をかざすと、そこには整然と並ぶ影があった。
鎧をまとい、武器を抱えた兵士たち——だがその肌は土気色で、瞳は閉ざされている。
「……死者兵士」
リンが息を呑む。
藍峯が壁際の装置を指差した。
「符と術具……やはり。夜になると奴らは活動を開始し、夜明けとともにここに戻り休眠する仕組みだ」
決死隊は息を潜め、部屋の中央を横切る。
眠る死者兵士の列は、ひとつの咳払いすら命を賭ける緊張を強いた。
翠弦が周囲を探り、奥に通じる狭い通路を示した。
「抜け道があります。ただし……夜明けが近づけば奴らが戻ってくる。急ぐべきです」
天翔が青龍刀を握り、静かに頷く。
「一歩でも遅れれば、ここは奴らの巣窟と化す。進め」
黒鷹派の霧影と余崇が前を、潤騎が後方を固める。
藍峯は最後尾で装置を一瞥し、低く呟いた。
「もしこの技術が完成すれば……昼夜問わず動く兵が生まれる。そうなれば戦は終わることがない」
リンは振り返り、短く言った。
「だからこそ、ここで止める」
死者兵士の眠る部屋を抜け、冷気の吹きすさぶ外へと出る。
背後では、鎧に霜を纏った兵士たちが、ただ静かに次の夜を待ち続けていた。
決死隊の一人が声を潜める。
「……今のうちに火薬を仕掛けて潰すのはどうだ? ここを破れば奴らも永遠に眠ったまま……」
しかし翠弦が素早く制した。
「待て。見ろ」
彼は入口の岩肌に指を這わせ、小さな刻印と金属片を示した。
「爆薬を用いれば、この封鎖機構が作動する。岩盤を崩すどころか、逆に格納庫を開放する仕掛けだ」
隊士たちが息を呑む。
「つまり……壊そうとすれば、死者兵士を目覚めさせる……」
天翔が低く頷いた。
「魏支の者ども、用意周到だな。我らが焦り、破壊を選べば、それこそ敵の思う壺だ」
雪解け水が岩を滴り落ちる音だけが響く。決死隊は息を殺し、格納庫を背にさらに奥を目指した。
決死隊は慎重に奥へ進んだ。
吹雪の残滓(ざんし)に濡れた岩壁を探り、氷の隙間を確かめる。誰もが禁苑の入口を求め、目を凝らした。
だが──幾度も巡っても、ただ冷たい岩と雪があるばかり。
翠弦が深く首を振る。
「……道は、ここにはない」
兵たちの表情に落胆が走った。藍峯が無言で足元の雪を蹴り払い、天翔が短く告げる。
「引くぞ。ここで足止めを食うのは危険だ」
振り返れば、闇に沈む格納庫の木枠が不気味に佇んでいる。
いつ再び開くかも知れぬ死者兵士の巣。
誰もがその場を長く留まることを避け、決死隊は静かにそこを後にした。
藍峯は険しい表情のまま、岩壁をじっと見据えた。
「……おかしい。前に調べたとき、この先に禁苑へ通じる口があったはずだ」
天翔が眉を寄せる。
「だが今は……ただの岩壁だな」
岩肌を叩いても、音は鈍く、隙間はない。雪に埋もれたのではなく、何者かが意図的に塞いだのは明らかだった。
「封鎖された……魏支国が気づいて対策を打ったのか」
藍峯の声には苛立ちと悔しさが滲む。
翠弦が周囲を警戒しながら低く告げた。
「いずれにせよ、この道はもう使えません。別の入口を探すしか」
重苦しい空気の中、決死隊は格納庫を後にし、再び山道へと歩を戻した。
黒鷹派の数名が散開し、雪と氷に覆われた地形の歪みを調べ始める。
霧影はしゃがみ込み、氷を慎重に払い落とした。その下には僅かな凹みがあり、そこから冷気が漏れ出している。
「……ここだ。人工的な通風口がある」
霧影の声に、隊の空気が緊張で張り詰めた。
霧影が見つけた通風口は、雪に覆われてほとんど隠れていた。だが氷を削るごとに、内側から冷気が強く吹き出し、確かに地下の広がりへと通じていることを示していた。
「自然の風じゃない……地下に空洞があるな」
翠弦が低く呟く。
藍峯も身を屈め、手で空気の流れを確かめた。
「これは古い構造物の通気だろう。禁苑本体に繋がっている可能性が高い」
リンは剣の柄に手を添え、決死隊全員を見渡した。
「……ここが新しい入口への手がかりになる。だが通風口を広げるには音も立つ。敵に気づかれる危険もあるぞ」
天翔が前に出て、冷静に言い放つ。
「危険を恐れては前に進めん。今は進むしかない」
黒鷹派の兵が無言で頷き、氷を割り、雪をかき出す作業を始めた。
やがて、通風口の下に狭い石の階段が現れる。苔むした岩と鉄の枠がその周囲を囲み、かつて人の手によって作られたものだと一目でわかる構造だった。
霧影がその闇の奥を覗き込み、囁く。
「ここからなら、禁苑の内部に潜入できるはずだ……」
決死隊の胸に緊張と期待が入り混じる。
封鎖された旧入口に代わり、新たな道が見え始めていた。
黒鷹派の探索が続く中、翠弦の横で霧影がふと足を止めた。
雪に覆われた岩壁に掌をかざし、耳を澄ませる。わずかに冷気の流れが違っていた。
「……ここだな。風が逃げている」
霧影は低く告げ、雪を払う。すると岩肌の裂け目から、細い通風口が姿を現した。大人の拳ほどの隙間しかなく、通常の兵では到底通れない。
リンが目を細める。
「これでは兵を通すのは不可能だな」
霧影は一歩前に出て、薄く笑った。
「俺なら通れる。骨を外せば、肉体を細く折り畳める。……中を確かめてきましょう」
天翔が眉をひそめる。
「危険だぞ。中に罠があったら——」
「承知の上です。俺の役目でしょう」
霧影はそう言うと、肩の関節を外すように身をひねり、細い裂け目へと身体を押し込んでいく。骨がわずかに軋む音がしたが、苦悶の色はなく、彼は蛇のようにするりと通風口の奥へ消えた。
内部は闇に包まれ、湿った空気と薬品の匂いが漂っていた。狭い通路は迷路のように曲がりくねり、霧影は関節を外したまま、体をねじりながら静かに進む。
やがて、かすかな光と機械音が漏れてくる。霧影は岩の隙間から覗き込み、内部の様子を確かめた。
そこには鉄格子のような通路があり、奥では奇妙な装置が低く唸りを上げている。管の中を緑色の液体が流れ、時折、人の影らしきものが動いているのが見えた。
「……研究施設か。禁苑に繋がっているのは間違いないな」
霧影は長居はせず、慎重に通路を引き返す。再び外へ姿を現すと、兵たちは固唾を呑んで待っていた。
霧影は軽く息を吐き、報告する。
「通風口の先は研究施設の内部だ。兵を通すには狭すぎるが、侵入は可能。あそこからなら、禁苑の心臓部へ繋がるはずだ」
藍峯が頷き、地面に印をつける。
「つまり、この通風口こそ突破口か……」
リンは雪を払いつつ剣の柄に手を添えた。
「ならば決死隊を分ける必要がある。潜入する少数と、外で待機し援護する者とに」
天翔が低く言う。
「どちらも命懸けになるな」
白い吐息が吹雪の中に溶けていく。決死隊の二十名は互いに視線を交わし、それぞれの覚悟を確かめ合った。
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