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第二章
囚われた王子
しおりを挟むここはどこだ?
目の前には真っ黒な闇。
いや、天井か。
カナヅチで打たれているかのような痛みに
俺は額を押さえた。
痛みに耐えながら立ち上がると格子が広がっている。
まさか、ここは牢屋?
しかし、城の牢とはまるで様子が違う。
粗末だがベッドもあるし、机もある。
机の上には本棚まであった。
まるで部屋のようだと感じた。
「お目覚めですか、王子」
シリウスかと思ったが声が全然違う。
「誰だっ!!」
闇の中から姿を見せたのは俺がよく知る人物だった。
「オリヴィア大公爵……」
アリスの父親である、パーシヴァル・オリヴィア。
なぜお前が?
「殿下、無礼をお許しください。
ですが、こうなる運命だったのです」
「御託はいい!!
なんでこんなことになってるのかを話せ!」
「覚えていらっしゃらないのですか?
シモン様に夜会の場で追及したことを」
夜会?
煌びやかなシャンデリアと豪華な衣装を見に纏う
貴族たちが脳裏に浮かんできた。
そうだ、俺は夜会で兄上がしたことを
皆に暴露し、これまで集めてきた証拠を
父上に提出しようとした。
そうしたら、いきなり目の前が真っ暗になった。
意識を失う寸前
「もうお前はいらないよ」と兄上の声がして……
「兄上の魔法だな。倒れた俺を
お前がここに運んだ。そうだろう?」
キッと睨みつけると大公爵は頷いた。
「その通りです。
シモン殿下は貴方を始末しろと
わたしに命じられました。」
「今から俺を殺すっていうのか!」
「いいえ。今はまだ殺しません。
ヴァイオレット嬢を聖女として認めてくだされば
この牢からも解放します。」
「聖女?」
言った後でハッとした。
ヴァイオレットは闇の魔力を持っている。
しかも精霊と魔獣を従えている。
ヴァイオレットはこの世界で稀有な存在だ。
だから、兄上はヴァイオレットを聖女にと
企んでいるのか!!
「貴方はわたしたちの計画を散々にしてくれた
前科がありますからね。これ以上邪魔されては
こちらも黙ってはいられません。
教皇からは既に許可をいただいております。
ヴァイオレット嬢を教会に迎え入れることを
お許しください。」
兄上のことだ。父上を騙して許可を得たのだろう。
そして身内の俺までも計画を脅かすと
牢に閉じ込めるとは。
「計画っていうのはヴァイオレットを
殺そうとしたことか?」
「殺すなどと。わたし達はあるべき場所に
あるべきものを戻そうとしただけです。」
ふざけんな。
絶対に何かある。
それにヴァイオレットはモノじゃないんだ。
感情だってあるんだよ!
ヴァイオレットが涙を流す姿を見るのは嫌だ。
だから
「殺せるもんなら殺してみろよ!!」
俺は大公爵に向かって不敵な笑みを見せた。
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