彼女の声はまだ届かない

ネコさん

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独り

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ある日学校に通っていると、数人でキャッキャ喋りながら学校へいく同級生の姿があった。

羨ましい。

私もお喋りしながら友達と行きたい。

そうすればどれだけ楽しいだろうか。

みんなに比べて私は・・・

独りでうつ向きながら学校へ行っている自分が恥ずかしい。

それから、学校に行くのが嫌になった。

帰りは皆が一斉に下校するので良かったが私の家は学校から比較的遠いところにあり朝早く出発するので一緒に行ける友達はいない。


学校に行くのが嫌だった。

本当に嫌だった。

比べたら駄目なのに・・

無知な私は勿論そんなこと知らない。


明日も独りだと思うと、息が苦しくなる。

親がもっと恋しくなった。

目の前にいるのに·・・

手を伸ばせば届くのに・・

神というのは残酷だ。

その頃、弟の丁度いやいや期がきた。

さらに話す時間が減ってしまった。

お姉さんにならなきゃ。

いいお姉さん。

誰も困らせない優しいお姉さん。

そう意識するだけで、なれるわけもない。

登校時はわーわー泣きわめきながら車で送ってもらった。

学校に行くまでが本当に憂鬱だった。

学校ではいつもの私。

本当に親には迷惑をかけていた。

とても感謝している。





お読みいただきありがとうございます。

これは野垣紗綾が心身共に成長していく物語です。

頭がいい。

近寄りがたい。

そんな子、回りにはいませんか。

その子の本当の姿は知っていますか?

そんな回りからは近寄りがたいと思われているある意味悲しい女の子の物語です。

お気に入り登録してくれているとありがたいです。



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