彼女の声はまだ届かない

ネコさん

文字の大きさ
上 下
2 / 5

一年生 褒められたい

しおりを挟む
私は褒められたかった。

私は褒められたかったから勉強を頑張ってテストで百点をとった。

褒めてくれた。

「すごいな、紗綾。これからも頑張れよ」

そう言われたのも最初のうちだけ。

いつも百点をを取っていると次第にそれが当たり前になり褒められなくなった。

さらに百点ばかりを取っていたので逆にミスが目立つようになった。

「続けれられるように頑張れよ」

違う。

「あら、ここミスしちゃったの・・惜しかったわね。次は気を付けてね。」

違う。

私は応援して欲しいんじゃない。

お母さんの言うこともお父さんの言うことも間違ってない。

だけど私は・・

すごいねって頭を撫でて褒めてほしい。

よく頑張ったな。ご褒美に何か欲しいものはあるか?そう聞いてほしい。

けれど私はそんなの子供っぽいと心の奥にしまいこんだ。

子供なんだからおねだりしてもいいのに・・・

私はそんなことも分からず寂しさをずっと抱えたまま毎日学校に通っていた。

弟も生まれたことで私にはあまりかまってもらえず、寂しさはどんどん募っていくだけだった。
しおりを挟む

処理中です...