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国王 ケストロン・フォン・ミラゴットの愛娘
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わしは二十才の頃父から王位を継承し許嫁であった我が妻、クラリスと結婚した。
政略結婚ではあったものの、彼女はとても優秀で王妃としての仕事も完璧にこなし国民からの信頼もえていた。
そんな彼女はもういない。
ノラカノンを産むときに「この子の名前はノラカノンです」とそう言い残すと亡くなってしまった。
わしはその頃から何故か心にぽっかり穴が開いた気分になった。
心のどこかでは彼女のあの笑みを愛していたのだろう。
だからせめてわしの息子だけはそんな喪失感を覚えてほしくなく、息子が望むできる限りのことをしてきた。
そうすることでわしはちゃんと息子に向き合わないことに罪悪感を抱かずに済んだ。
けれど息子はそのせいで俺は何をしてもいいんだ!と勘違いしわしは更に目を背けることになった。
そんな親子関係ずたずたの状態で国のためにノラカロンに政略結婚をしてもらわなければいけなくなった。
相手はこの国で王族の次に権力を持っていると言われているローズレット公爵の令嬢だ。
その子もいつもわがままを言っていると聞いた。
わがままと暴君。
この国は大丈夫なのだろうか・・
ある日、国の重要書類をさばいているとある知らせがあった。
それはお互いの顔合わせの為に行っていたお茶会で飲み物に毒が盛られお互いに意識不明の重体だというものだった。
わしは焦った。
このままでは息子もなくしてしまうのでは・・・
わしはどうすればいい・・何ができる・・・
そのあと本当に重要な書類だけさばきブルース公爵の休職届けを受理してノラカロンの手を握り、夜通し助かることを願った。
どんどん冷たくなっていく手を握り神に祈った。
その夜ある夢を見た。
どんな姿かも覚えていない。
少し変な人物から「その子がどんな人になっても助けてほしいですか」と聞かれた。
当たり前だ。
そう答えるとその人物は消え目が覚めると私は温かい手を握っていた。
すやすやと規則性のある呼吸をしている。
それだけで涙が出そうになった。
わしは体を揺さぶって起こす。
目を開けたわしの息子は別人になっていた。
すぐにわかった。
この子はわしの息子ではない。
わしの息子は別人になって助かったのだ。
そう認識すると涙が出てきた。
息子は死んだ、けれどここにいる。
あの子に出来なかった、してあげれなかったことをこの子にしてあげよう。
優しい手付きでこんな知らない老いぼれの涙を拭ってくれるこの子に。
ヴィアニカル嬢も容態が回復したとの知らせを受けた。
ばん!と手荒に扉を開けローズレット公爵が部屋に入ってきた。
「娘の婚約を破棄してもらいたい」
「わかった」
「・・保留にしないのか?」
少し驚いた様子の彼はそう呟いた。
ヴィアニカル嬢は回復したものの記憶喪失になっていた。
そんな記憶喪失の娘に婚約を強いるのは酷だろう。
こちらも同じようなものだ。
「言い方は悪いがこちらにも少し事情がありましてな。」
こうして縁談の話はピリピリした空気の中で穏便に終わった。
息子が12歳になった。
この国では12歳からの義務教育が決まっている。
あれからこの国のことを色々勉強していた息子は学園を首席で入学した。
けれどそこで待っていたのは予想外の展開だった。
政略結婚ではあったものの、彼女はとても優秀で王妃としての仕事も完璧にこなし国民からの信頼もえていた。
そんな彼女はもういない。
ノラカノンを産むときに「この子の名前はノラカノンです」とそう言い残すと亡くなってしまった。
わしはその頃から何故か心にぽっかり穴が開いた気分になった。
心のどこかでは彼女のあの笑みを愛していたのだろう。
だからせめてわしの息子だけはそんな喪失感を覚えてほしくなく、息子が望むできる限りのことをしてきた。
そうすることでわしはちゃんと息子に向き合わないことに罪悪感を抱かずに済んだ。
けれど息子はそのせいで俺は何をしてもいいんだ!と勘違いしわしは更に目を背けることになった。
そんな親子関係ずたずたの状態で国のためにノラカロンに政略結婚をしてもらわなければいけなくなった。
相手はこの国で王族の次に権力を持っていると言われているローズレット公爵の令嬢だ。
その子もいつもわがままを言っていると聞いた。
わがままと暴君。
この国は大丈夫なのだろうか・・
ある日、国の重要書類をさばいているとある知らせがあった。
それはお互いの顔合わせの為に行っていたお茶会で飲み物に毒が盛られお互いに意識不明の重体だというものだった。
わしは焦った。
このままでは息子もなくしてしまうのでは・・・
わしはどうすればいい・・何ができる・・・
そのあと本当に重要な書類だけさばきブルース公爵の休職届けを受理してノラカロンの手を握り、夜通し助かることを願った。
どんどん冷たくなっていく手を握り神に祈った。
その夜ある夢を見た。
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少し変な人物から「その子がどんな人になっても助けてほしいですか」と聞かれた。
当たり前だ。
そう答えるとその人物は消え目が覚めると私は温かい手を握っていた。
すやすやと規則性のある呼吸をしている。
それだけで涙が出そうになった。
わしは体を揺さぶって起こす。
目を開けたわしの息子は別人になっていた。
すぐにわかった。
この子はわしの息子ではない。
わしの息子は別人になって助かったのだ。
そう認識すると涙が出てきた。
息子は死んだ、けれどここにいる。
あの子に出来なかった、してあげれなかったことをこの子にしてあげよう。
優しい手付きでこんな知らない老いぼれの涙を拭ってくれるこの子に。
ヴィアニカル嬢も容態が回復したとの知らせを受けた。
ばん!と手荒に扉を開けローズレット公爵が部屋に入ってきた。
「娘の婚約を破棄してもらいたい」
「わかった」
「・・保留にしないのか?」
少し驚いた様子の彼はそう呟いた。
ヴィアニカル嬢は回復したものの記憶喪失になっていた。
そんな記憶喪失の娘に婚約を強いるのは酷だろう。
こちらも同じようなものだ。
「言い方は悪いがこちらにも少し事情がありましてな。」
こうして縁談の話はピリピリした空気の中で穏便に終わった。
息子が12歳になった。
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