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第14話 金持ちになった!
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ブルーポーション改は、高騰も加味して20,000ベルでの販売となった。
当初の販売額の二倍だけど……売れるかな。
その心配も無用だった。
「五個くれ!」「十個だ」「七個」「ウチは金持ちでね、三十個売ってくれ!!」「三個頼む」「くそ、もう減って来たぞ」「おい、売れすぎだろ!」「十五個くれ!」
ボッタクリ価格に近い値段にも関わらず、お客さんは喜んで金を出した。
ブルーポーションの需要はそれほどまでに高いということ。ここまで飛ぶように売れるとは予想外だった。
結果、三十分もしない内に109個全てが売れた。
完売してしまった。
売り上げは『1,962,000ベル』となり、俺は数十分して金持ちになった!
「今日はもう在庫がないので露店は終わります」
「なー!」「もうないのかよぉ……」「他の露店で探すかぁ」「カイリくん、ブルーポーションまた作ってねー!」「しばらくは魔力の回復が大変だなぁ」「うそだろ、ひとつも買えなかったんだが」「ブルーポーション欲しかったなぁ」
お客さんの声からして、ブルーポーションはまだまだ需要がありそうだ。もっと作って大儲けしよう。
店を畳み、俺は立ち上がった。
「ヴァルハラ、これで少しは裕福になったよ。ありがとう」
「もっと金持ちになりましょう。その為にもお手伝いします!」
そうだな、まだ俺の錬金術師としての商売は始まったばかりなのだ。ここで浮かれている場合ではない。
それに、バズさんのところへ預けたウィルソンの容体も気になる。
ヴァルハラを頭の上に乗せ、俺は露店街を後にした。
そのままオルドリン商会へ。
「バズさん、ウィルソンはどうだい?」
「カイリか。ああ、ウィルソンは問題ない。というか……健康そのもの。聞いた話では、かなり出血していて重症だったとか。だが、どういうことだ?」
「なんと説明していいやら……。えっとですね、俺の頭に乗ってる猫がヒールを使ったんです」
「は? 猫?」
そりゃ、そんな反応するよね。
猫がヒールするとかありえないし。
でも嘘ではない。事実なんだ。
「俺の大切な使い魔です」
「ほぅ、その三毛猫が? かなり美人だが……信じられんな」
「信じてくれとは言いませんが、本当ですよ」
「いやいや、信じるよ。カイリ、君には可能性を感じているんだ」
「か、可能性……ですか」
「ああ、大物になる予感がする。カイリ、さっきはブルーポーションを販売していたらしいな」
「え、ええ。知っていたんですね」
「あれだけの行列を見たんだ。噂が広まるのも早いさ」
「なるほど。そうですね、俺は宮廷錬金術師になりたいなとは思っています」
「王国最高の錬金術師か。カイリならなれるさ、応援してる」
「ありがとうございます。まだまだ道のりは遠いですけど、がんばります」
「だけど気を付けろ。最近、宮廷錬金術師を巡って不穏な動きがあるらしい」
「不穏な動き?」
「……爆炎の錬金術師。さっき、ウィルソンを襲った人物だ」
そうだ、その爆炎の錬金術師は俺を探しているとも言っていた。たぶん、ヴァルハラを見つけ出すために……。
けど、だからと言ってウィルソンを傷つけるとは……許せない。
「バズさん、そいつ何者なんです?」
「情報はただひとつ。アークトゥルス帝国の錬金術師ということだけだ」
「帝国の!?」
「それ以上は分からん」
……まて、アークトゥルス帝国といえば……ヴァルハラの出身地じゃないか。まさか、爆炎の錬金術師と深く関係があるのか。
「分かりました。俺はいったん家へ戻ります」
「気を付けてな。猫ちゃんも」
ウィルソンを任せ、俺は露店街から去った。
* * *
「ヴァルハラ、どういうことだ」
「……やっぱり、聞きます?」
「当然だ。アークトゥルス帝国の錬金術師から命を狙われているんだぞ。詳しく話してくれ」
「わたしも爆炎の錬金術師だということだけしか知らないのです。ですが、目的はハッキリしています」
「目的?」
「はい。少し前にも言いましたが、カイリさんの持つ『全種類ポーション製造』を狙っているのだと思います。爆炎の錬金術師は恐らく、全てのポーションを作れる能力を欲しているのでしょうね」
言われてみれば単純明快だな。
よく考えなくとも『全種類ポーション製造』なんて魅力的すぎる。錬金術師なら喉から手が出るほど欲しい能力だ。
……そうだな、そうだよな。
ヴァルハラを狙う理由もハッキリしているわけだ。
となれば備えておく必要が……ん?
その瞬間、目の前で爆発が起きた。
『ドオオオオオオオオオオォオォォォン…………!!!』
建物が吹き飛び、とんでもない衝撃波が襲ってきた。
ま、まさか爆炎の錬金術師か!
当初の販売額の二倍だけど……売れるかな。
その心配も無用だった。
「五個くれ!」「十個だ」「七個」「ウチは金持ちでね、三十個売ってくれ!!」「三個頼む」「くそ、もう減って来たぞ」「おい、売れすぎだろ!」「十五個くれ!」
ボッタクリ価格に近い値段にも関わらず、お客さんは喜んで金を出した。
ブルーポーションの需要はそれほどまでに高いということ。ここまで飛ぶように売れるとは予想外だった。
結果、三十分もしない内に109個全てが売れた。
完売してしまった。
売り上げは『1,962,000ベル』となり、俺は数十分して金持ちになった!
「今日はもう在庫がないので露店は終わります」
「なー!」「もうないのかよぉ……」「他の露店で探すかぁ」「カイリくん、ブルーポーションまた作ってねー!」「しばらくは魔力の回復が大変だなぁ」「うそだろ、ひとつも買えなかったんだが」「ブルーポーション欲しかったなぁ」
お客さんの声からして、ブルーポーションはまだまだ需要がありそうだ。もっと作って大儲けしよう。
店を畳み、俺は立ち上がった。
「ヴァルハラ、これで少しは裕福になったよ。ありがとう」
「もっと金持ちになりましょう。その為にもお手伝いします!」
そうだな、まだ俺の錬金術師としての商売は始まったばかりなのだ。ここで浮かれている場合ではない。
それに、バズさんのところへ預けたウィルソンの容体も気になる。
ヴァルハラを頭の上に乗せ、俺は露店街を後にした。
そのままオルドリン商会へ。
「バズさん、ウィルソンはどうだい?」
「カイリか。ああ、ウィルソンは問題ない。というか……健康そのもの。聞いた話では、かなり出血していて重症だったとか。だが、どういうことだ?」
「なんと説明していいやら……。えっとですね、俺の頭に乗ってる猫がヒールを使ったんです」
「は? 猫?」
そりゃ、そんな反応するよね。
猫がヒールするとかありえないし。
でも嘘ではない。事実なんだ。
「俺の大切な使い魔です」
「ほぅ、その三毛猫が? かなり美人だが……信じられんな」
「信じてくれとは言いませんが、本当ですよ」
「いやいや、信じるよ。カイリ、君には可能性を感じているんだ」
「か、可能性……ですか」
「ああ、大物になる予感がする。カイリ、さっきはブルーポーションを販売していたらしいな」
「え、ええ。知っていたんですね」
「あれだけの行列を見たんだ。噂が広まるのも早いさ」
「なるほど。そうですね、俺は宮廷錬金術師になりたいなとは思っています」
「王国最高の錬金術師か。カイリならなれるさ、応援してる」
「ありがとうございます。まだまだ道のりは遠いですけど、がんばります」
「だけど気を付けろ。最近、宮廷錬金術師を巡って不穏な動きがあるらしい」
「不穏な動き?」
「……爆炎の錬金術師。さっき、ウィルソンを襲った人物だ」
そうだ、その爆炎の錬金術師は俺を探しているとも言っていた。たぶん、ヴァルハラを見つけ出すために……。
けど、だからと言ってウィルソンを傷つけるとは……許せない。
「バズさん、そいつ何者なんです?」
「情報はただひとつ。アークトゥルス帝国の錬金術師ということだけだ」
「帝国の!?」
「それ以上は分からん」
……まて、アークトゥルス帝国といえば……ヴァルハラの出身地じゃないか。まさか、爆炎の錬金術師と深く関係があるのか。
「分かりました。俺はいったん家へ戻ります」
「気を付けてな。猫ちゃんも」
ウィルソンを任せ、俺は露店街から去った。
* * *
「ヴァルハラ、どういうことだ」
「……やっぱり、聞きます?」
「当然だ。アークトゥルス帝国の錬金術師から命を狙われているんだぞ。詳しく話してくれ」
「わたしも爆炎の錬金術師だということだけしか知らないのです。ですが、目的はハッキリしています」
「目的?」
「はい。少し前にも言いましたが、カイリさんの持つ『全種類ポーション製造』を狙っているのだと思います。爆炎の錬金術師は恐らく、全てのポーションを作れる能力を欲しているのでしょうね」
言われてみれば単純明快だな。
よく考えなくとも『全種類ポーション製造』なんて魅力的すぎる。錬金術師なら喉から手が出るほど欲しい能力だ。
……そうだな、そうだよな。
ヴァルハラを狙う理由もハッキリしているわけだ。
となれば備えておく必要が……ん?
その瞬間、目の前で爆発が起きた。
『ドオオオオオオオオオオォオォォォン…………!!!』
建物が吹き飛び、とんでもない衝撃波が襲ってきた。
ま、まさか爆炎の錬金術師か!
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