14 / 101
第14話 グラティア辺境伯
しおりを挟む
グラティア辺境伯の部屋に案内されるが、そこには誰も居なかった。
「いないぞ~?」
メイドが部屋の中央に立って、クルっとこっちを向く。
「はじめまして、わたくしはマルガリータ。元勇者アウルムさん、聖女のフルク様、ようこそ我が家へ。歓迎いたしますわ」
メイドさんがスカートをつまんで丁寧に挨拶する。
「……は、はい? いや、俺はグラティア辺境伯に会いに来たんだが」
「ええ、わたくしです」
「!? ……メ、メイドさんの格好してるのに?」
コクっとマルガリータさん……グラティア辺境伯は頷いた。うそでしょ……このカチューシャつけてフリフリのメイド服の子が!?
フルクも俺と同じように衝撃を受けていた。
「当家はメイドがいないので。なので、わたくしが代わりにメイドをしています……といいますか、身を潜めているというのが正しいでしょうか」
「はい? 代わりにメイド?」
「ええ、第二勇者・セクンドスが召喚されて一月ほど、彼はわたくしを魔王の手先であると断定し、メイド達の解放という名の大義名分でこの家へ。
わたくしはもちろん魔王の手先でもなければ、それは無実無根……。最近、ある方に頼んで調べて戴いた結果、第二勇者を支援するサフィラス伯爵が裏で手を回していた事実が判明したんです」
第二勇者を支援する伯爵?
そんなヤツがいたのか。
「辺境伯はその、よくご無事でしたね」
フルクが気になったのだろう、そんな質問を投げていた。
「ええ、わたくしはこの通り、メイド服を嗜んでいるもので……その、趣味なんです。でもそのお陰で第二勇者に見つかる事なくやり過ごせたのですよ」
頬を赤らめ、恥ずかしそうに俯くグラティア辺境伯は、乙女だった。……わぁ、可愛い。というか、そういう奇跡と偶然が重なったワケだ。
辺境伯の恥じらう姿に見惚れていると、フルクがちょっと膨れていた。
「……もぉ、アウルムさん」
「いや、あの、フルクから見ても可愛いと思うんだが」
「ええ、確かに可愛いです。メイド服はあんまり拝見した事がなかったんですが……うん、わたしも着てみたいかもしれません」
なんて話し合っていると、グラティア辺境伯が手を鳴らす。
「元勇者アウルムさん……いえ、アウルムさん。わたくしに用件があるのですよね。お話を聞きましょう」
「あ、ああ……そうだった。その、EXダンジョンの事なんですけど――」
俺は、事細かに今までの経緯を説明した。
「いないぞ~?」
メイドが部屋の中央に立って、クルっとこっちを向く。
「はじめまして、わたくしはマルガリータ。元勇者アウルムさん、聖女のフルク様、ようこそ我が家へ。歓迎いたしますわ」
メイドさんがスカートをつまんで丁寧に挨拶する。
「……は、はい? いや、俺はグラティア辺境伯に会いに来たんだが」
「ええ、わたくしです」
「!? ……メ、メイドさんの格好してるのに?」
コクっとマルガリータさん……グラティア辺境伯は頷いた。うそでしょ……このカチューシャつけてフリフリのメイド服の子が!?
フルクも俺と同じように衝撃を受けていた。
「当家はメイドがいないので。なので、わたくしが代わりにメイドをしています……といいますか、身を潜めているというのが正しいでしょうか」
「はい? 代わりにメイド?」
「ええ、第二勇者・セクンドスが召喚されて一月ほど、彼はわたくしを魔王の手先であると断定し、メイド達の解放という名の大義名分でこの家へ。
わたくしはもちろん魔王の手先でもなければ、それは無実無根……。最近、ある方に頼んで調べて戴いた結果、第二勇者を支援するサフィラス伯爵が裏で手を回していた事実が判明したんです」
第二勇者を支援する伯爵?
そんなヤツがいたのか。
「辺境伯はその、よくご無事でしたね」
フルクが気になったのだろう、そんな質問を投げていた。
「ええ、わたくしはこの通り、メイド服を嗜んでいるもので……その、趣味なんです。でもそのお陰で第二勇者に見つかる事なくやり過ごせたのですよ」
頬を赤らめ、恥ずかしそうに俯くグラティア辺境伯は、乙女だった。……わぁ、可愛い。というか、そういう奇跡と偶然が重なったワケだ。
辺境伯の恥じらう姿に見惚れていると、フルクがちょっと膨れていた。
「……もぉ、アウルムさん」
「いや、あの、フルクから見ても可愛いと思うんだが」
「ええ、確かに可愛いです。メイド服はあんまり拝見した事がなかったんですが……うん、わたしも着てみたいかもしれません」
なんて話し合っていると、グラティア辺境伯が手を鳴らす。
「元勇者アウルムさん……いえ、アウルムさん。わたくしに用件があるのですよね。お話を聞きましょう」
「あ、ああ……そうだった。その、EXダンジョンの事なんですけど――」
俺は、事細かに今までの経緯を説明した。
53
あなたにおすすめの小説
アイテムボックスの最も冴えた使い方~チュートリアル1億回で最強になったが、実力隠してアイテムボックス内でスローライフしつつ駄竜とたわむれる~
うみ
ファンタジー
「アイテムボックス発動 収納 自分自身!」
これしかないと思った!
自宅で休んでいたら突然異世界に拉致され、邪蒼竜と名乗る強大なドラゴンを前にして絶対絶命のピンチに陥っていたのだから。
奴に言われるがままステータスと叫んだら、アイテムボックスというスキルを持っていることが分かった。
得た能力を使って何とかピンチを逃れようとし、思いついたアイデアを咄嗟に実行に移したんだ。
直後、俺の体はアイテムボックスの中に入り、難を逃れることができた。
このまま戻っても捻りつぶされるだけだ。
そこで、アイテムボックスの中は時間が流れないことを利用し、チュートリアルバトルを繰り返すこと1億回。ついにレベルがカンストする。
アイテムボックスの外に出た俺はドラゴンの角を折り、危機を脱する。
助けた竜の巫女と共に彼女の村へ向かうことになった俺だったが――。
固有スキルガチャで最底辺からの大逆転だモ~モンスターのスキルを使えるようになった俺のお気楽ダンジョンライフ~
うみ
ファンタジー
恵まれない固有スキルを持って生まれたクラウディオだったが、一人、ダンジョンの一階層で宝箱を漁ることで生計を立てていた。
いつものように一階層を探索していたところ、弱い癖に探索者を続けている彼の態度が気に入らない探索者によって深層に飛ばされてしまう。
モンスターに襲われ絶体絶命のピンチに機転を利かせて切り抜けるも、ただの雑魚モンスター一匹を倒したに過ぎなかった。
そこで、クラウディオは固有スキルを入れ替えるアイテムを手に入れ、大逆転。
モンスターの力を吸収できるようになった彼は深層から無事帰還することができた。
その後、彼と同じように深層に転移した探索者の手助けをしたり、彼を深層に飛ばした探索者にお灸をすえたり、と彼の生活が一変する。
稼いだ金で郊外で隠居生活を送ることを目標に今日もまたダンジョンに挑むクラウディオなのであった。
『箱を開けるモ』
「餌は待てと言ってるだろうに」
とあるイベントでくっついてくることになった生意気なマーモットと共に。
どうも、命中率0%の最弱村人です 〜隠しダンジョンを周回してたらレベル∞になったので、種族進化して『半神』目指そうと思います〜
サイダーボウイ
ファンタジー
この世界では15歳になって成人を迎えると『天恵の儀式』でジョブを授かる。
〈村人〉のジョブを授かったティムは、勇者一行が訪れるのを待つ村で妹とともに仲良く暮らしていた。
だがちょっとした出来事をきっかけにティムは村から追放を言い渡され、モンスターが棲息する森へと放り出されてしまう。
〈村人〉の固有スキルは【命中率0%】というデメリットしかない最弱スキルのため、ティムはスライムすらまともに倒せない。
危うく死にかけたティムは森の中をさまよっているうちにある隠しダンジョンを発見する。
『【煌世主の意志】を感知しました。EXスキル【オートスキップ】が覚醒します』
いきなり現れたウィンドウに驚きつつもティムは試しに【オートスキップ】を使ってみることに。
すると、いつの間にか自分のレベルが∞になって……。
これは、やがて【種族の支配者(キング・オブ・オーバーロード)】と呼ばれる男が、最弱の村人から最強種族の『半神』へと至り、世界を救ってしまうお話である。
収納魔法を極めた魔術師ですが、勇者パーティを追放されました。ところで俺の追放理由って “どれ” ですか?
木塚麻弥
ファンタジー
収納魔法を活かして勇者パーティーの荷物持ちをしていたケイトはある日、パーティーを追放されてしまった。
追放される理由はよく分からなかった。
彼はパーティーを追放されても文句の言えない理由を無数に抱えていたからだ。
結局どれが本当の追放理由なのかはよく分からなかったが、勇者から追放すると強く言われたのでケイトはそれに従う。
しかし彼は、追放されてもなお仲間たちのことが好きだった。
たった四人で強大な魔王軍に立ち向かおうとするかつての仲間たち。
ケイトは彼らを失いたくなかった。
勇者たちとまた一緒に食事がしたかった。
しばらくひとりで悩んでいたケイトは気づいてしまう。
「追放されたってことは、俺の行動を制限する奴もいないってことだよな?」
これは収納魔法しか使えない魔術師が、仲間のために陰で奮闘する物語。
出戻り勇者は自重しない ~異世界に行ったら帰って来てからが本番だよね~
TB
ファンタジー
中2の夏休み、異世界召喚に巻き込まれた俺は14年の歳月を費やして魔王を倒した。討伐報酬で元の世界に戻った俺は、異世界召喚をされた瞬間に戻れた。28歳の意識と異世界能力で、失われた青春を取り戻すぜ!
東京五輪応援します!
色々な国やスポーツ、競技会など登場しますが、どんなに似てる感じがしても、あくまでも架空の設定でご都合主義の塊です!だってファンタジーですから!!
世界一簡単にレベルアップ ~魔物を倒すだけでレベルが上がる能力を得た俺は、弱小の魔物を倒しまくって異世界でハーレム作る事にしました~
きよらかなこころ
ファンタジー
シンゴはある日、事故で死んだ。
どうやら、神の手違いで間違って死んでしまったシンゴは異世界に転生することになる。
転生する際にオマケに『魔物を倒すだけでレベルが上がる』能力を貰ったシンゴ。
弱小の魔物を倒してレベルを上げ、異世界でハーレムを作る事を企むのだった。
異世界あるある 転生物語 たった一つのスキルで無双する!え?【土魔法】じゃなくって【土】スキル?
よっしぃ
ファンタジー
農民が土魔法を使って何が悪い?異世界あるある?前世の謎知識で無双する!
土砂 剛史(どしゃ つよし)24歳、独身。自宅のパソコンでネットをしていた所、突然轟音がしたと思うと窓が破壊され何かがぶつかってきた。
自宅付近で高所作業車が電線付近を作業中、トラックが高所作業車に突っ込み運悪く剛史の部屋に高所作業車のアームの先端がぶつかり、そのまま窓から剛史に一直線。
『あ、やべ!』
そして・・・・
【あれ?ここは何処だ?】
気が付けば真っ白な世界。
気を失ったのか?だがなんか聞こえた気がしたんだが何だったんだ?
・・・・
・・・
・・
・
【ふう・・・・何とか間に合ったか。たった一つのスキルか・・・・しかもあ奴の元の名からすれば土関連になりそうじゃが。済まぬが異世界あるあるのチートはない。】
こうして剛史は新た生を異世界で受けた。
そして何も思い出す事なく10歳に。
そしてこの世界は10歳でスキルを確認する。
スキルによって一生が決まるからだ。
最低1、最高でも10。平均すると概ね5。
そんな中剛史はたった1しかスキルがなかった。
しかも土木魔法と揶揄される【土魔法】のみ、と思い込んでいたが【土魔法】ですらない【土】スキルと言う謎スキルだった。
そんな中頑張って開拓を手伝っていたらどうやら領主の意に添わなかったようで
ゴウツク領主によって領地を追放されてしまう。
追放先でも土魔法は土木魔法とバカにされる。
だがここで剛史は前世の記憶を徐々に取り戻す。
『土魔法を土木魔法ってバカにすんなよ?異世界あるあるな前世の謎知識で無双する!』
不屈の精神で土魔法を極めていく剛史。
そしてそんな剛史に同じような境遇の人々が集い、やがて大きなうねりとなってこの世界を席巻していく。
その中には同じく一つスキルしか得られず、公爵家や侯爵家を追放された令嬢も。
前世の記憶を活用しつつ、やがて土木魔法と揶揄されていた土魔法を世界一のスキルに押し上げていく。
但し剛史のスキルは【土魔法】ですらない【土】スキル。
転生時にチートはなかったと思われたが、努力の末にチートと言われるほどスキルを活用していく事になる。
これは所持スキルの少なさから世間から見放された人々が集い、ギルド『ワンチャンス』を結成、努力の末に世界一と言われる事となる物語・・・・だよな?
何故か追放された公爵令嬢や他の貴族の令嬢が集まってくるんだが?
俺は農家の4男だぞ?
老衰で死んだ僕は異世界に転生して仲間を探す旅に出ます。最初の武器は木の棒ですか!? 絶対にあきらめない心で剣と魔法を使いこなします!
菊池 快晴
ファンタジー
10代という若さで老衰により病気で死んでしまった主人公アイレは
「まだ、死にたくない」という願いの通り異世界転生に成功する。
同じ病気で亡くなった親友のヴェルネルとレムリもこの世界いるはずだと
アイレは二人を探す旅に出るが、すぐに魔物に襲われてしまう
最初の武器は木の棒!?
そして謎の人物によって明かされるヴェネルとレムリの転生の真実。
何度も心が折れそうになりながらも、アイレは剣と魔法を使いこなしながら
困難に立ち向かっていく。
チート、ハーレムなしの王道ファンタジー物語!
異世界転生は2話目です! キャラクタ―の魅力を味わってもらえると嬉しいです。
話の終わりのヒキを重要視しているので、そこを注目して下さい!
****** 完結まで必ず続けます *****
****** 毎日更新もします *****
他サイトへ重複投稿しています!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる