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第26話 交渉成立
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「――なるほど、グラティア辺境伯の領地に国を。それはまた大胆な……けれども、そういう大胆な発想は嫌いではない! 気に入った。手を貸そう」
「本当ですか!?」
あれから広い客間に案内されて、俺は事細かに今までの経緯とか話した。すると、モエニア将軍はノリが良くて理解も早かった。さすが将軍の地位にいるだけあるな。
「うむ。帝国カエレスエィスの聖女・フルクトゥアト様とも顔を合わせられたしな。なかなか滅多にお目に掛かれないと評判だったが、まさかこのような巡り合わせがあるとはな……これも運命か」
そう評され、フルクは照れていた。
「で、その将軍……」
「堅苦しいだろう、モエニアでよい」
「で、ではモエニアさん」
「うむ」
「手を貸して戴けるんですね?」
「ああ、第二勇者・セクンドスの求婚にうんざりしていたところでね。息抜きがしたかったのだよ。いいだろう」
握手を交わし、交渉成立した。
「それじゃ、EXダンジョンに家を建てて欲しいんです」
「構わんが……ただ条件はあるぞ」
「条件ですか?」
「アウルム殿の話を聞く気限り、そのサフィラス伯爵が怪しすぎる。私が思うに、伯爵は何らかの方法で第二勇者を召喚し、お主を嵌めたに違いない。グラティア辺境伯の窮追も計画の内なのだろう。今回の私への求婚も何かある……それを知りたいのだ」
全ては伯爵が……有り得るな。
勇者がわざわざ共和国まで手を伸ばしているのも気掛かりだ。
「分かりました。今後、伯爵と第二勇者の情報は共有していきましょう。それでどうです?」
「お願いする」
俺は同意した。モエニアも頷き、これでやっと『家』の話が進む。
「ところで、材料とか運搬とかどうしましょう」
「それなら心配無用だ。こちらには優秀な転送屋兼樵がいるのだよ。その子に運んでもらう。そちらの――EXダンジョンか。一度、どのような場所か見てみたいところだ」
それではさっそくと、俺は葉っぱを出す。
「御存知かと思いますが、これで行けます」
「アベオの葉だな。分かった、これを使えばいいのだな」
「ええ。それじゃ、フルクとマルガは準備いい?」
「大丈夫です!」
「わたくしも問題ありません」
葉っぱを使い、再び『EXダンジョン』へ――!
◆
ダンジョンへ戻ると……
「な、なんだこの人混み!!」
遺跡を囲う様に冒険者の人だかりが出来ていた。どうして、この場所は誰にも教えて――そうか、セクンドスか!
「アウルムさん、なんか凄い人です!」
「こ、こんなに何処から……」
フルクもマルガもあまりの人数に引いている。そうだな、ざっと百人……いや、三百人はいるんじゃないか。
やがて冒険者は口を揃えて言う。
「おい、元勇者!」「お前ばかりEXダンジョンを占領しているのはズルくねーか」「そうだそうだ!」「俺達にも入らせろ」「セクンドスに聞いたぜ、独り占めしてるんだって?」「ふざけんな! ダンジョンはみんなのモノだろ」「俺達にも入らせろ!」「EXダンジョンは魔王を倒したセクンドスの手柄だろうが」
――なるほど、今度はそう来たか。
だが、遺跡を囲っている冒険者を見る限り、どうやら『追放』の権限を知っているようだな。あと一歩でも入ってこれば、ヤツ等は俺の一言でランダムに飛ばされる。
それを恐れているらしい。
更に言えば、ダンジョンは俺の権限がないと侵入不可能。俺自身が鍵なのだ。だから、どいつもこいつも強硬手段には出て来れない状況だ。多分、第一エリアの前にある『扉』までは調査済みなんだろうな。
ならば俺は――
「本当ですか!?」
あれから広い客間に案内されて、俺は事細かに今までの経緯とか話した。すると、モエニア将軍はノリが良くて理解も早かった。さすが将軍の地位にいるだけあるな。
「うむ。帝国カエレスエィスの聖女・フルクトゥアト様とも顔を合わせられたしな。なかなか滅多にお目に掛かれないと評判だったが、まさかこのような巡り合わせがあるとはな……これも運命か」
そう評され、フルクは照れていた。
「で、その将軍……」
「堅苦しいだろう、モエニアでよい」
「で、ではモエニアさん」
「うむ」
「手を貸して戴けるんですね?」
「ああ、第二勇者・セクンドスの求婚にうんざりしていたところでね。息抜きがしたかったのだよ。いいだろう」
握手を交わし、交渉成立した。
「それじゃ、EXダンジョンに家を建てて欲しいんです」
「構わんが……ただ条件はあるぞ」
「条件ですか?」
「アウルム殿の話を聞く気限り、そのサフィラス伯爵が怪しすぎる。私が思うに、伯爵は何らかの方法で第二勇者を召喚し、お主を嵌めたに違いない。グラティア辺境伯の窮追も計画の内なのだろう。今回の私への求婚も何かある……それを知りたいのだ」
全ては伯爵が……有り得るな。
勇者がわざわざ共和国まで手を伸ばしているのも気掛かりだ。
「分かりました。今後、伯爵と第二勇者の情報は共有していきましょう。それでどうです?」
「お願いする」
俺は同意した。モエニアも頷き、これでやっと『家』の話が進む。
「ところで、材料とか運搬とかどうしましょう」
「それなら心配無用だ。こちらには優秀な転送屋兼樵がいるのだよ。その子に運んでもらう。そちらの――EXダンジョンか。一度、どのような場所か見てみたいところだ」
それではさっそくと、俺は葉っぱを出す。
「御存知かと思いますが、これで行けます」
「アベオの葉だな。分かった、これを使えばいいのだな」
「ええ。それじゃ、フルクとマルガは準備いい?」
「大丈夫です!」
「わたくしも問題ありません」
葉っぱを使い、再び『EXダンジョン』へ――!
◆
ダンジョンへ戻ると……
「な、なんだこの人混み!!」
遺跡を囲う様に冒険者の人だかりが出来ていた。どうして、この場所は誰にも教えて――そうか、セクンドスか!
「アウルムさん、なんか凄い人です!」
「こ、こんなに何処から……」
フルクもマルガもあまりの人数に引いている。そうだな、ざっと百人……いや、三百人はいるんじゃないか。
やがて冒険者は口を揃えて言う。
「おい、元勇者!」「お前ばかりEXダンジョンを占領しているのはズルくねーか」「そうだそうだ!」「俺達にも入らせろ」「セクンドスに聞いたぜ、独り占めしてるんだって?」「ふざけんな! ダンジョンはみんなのモノだろ」「俺達にも入らせろ!」「EXダンジョンは魔王を倒したセクンドスの手柄だろうが」
――なるほど、今度はそう来たか。
だが、遺跡を囲っている冒険者を見る限り、どうやら『追放』の権限を知っているようだな。あと一歩でも入ってこれば、ヤツ等は俺の一言でランダムに飛ばされる。
それを恐れているらしい。
更に言えば、ダンジョンは俺の権限がないと侵入不可能。俺自身が鍵なのだ。だから、どいつもこいつも強硬手段には出て来れない状況だ。多分、第一エリアの前にある『扉』までは調査済みなんだろうな。
ならば俺は――
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