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第34話 EXダンジョンで稼ぎまくれ
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教会を出て、こちらへ歩いてくるサフィラス伯爵には戦闘の意思がないようで、そのまま素通りしていく。
「ま、まて……お前を捕まえる」
「なぜだね。この吾輩は何もしちゃいない」
「惚けるな。お前がセクンドスを召喚したんじゃないか! 今までの魔王もそうなんだろ!! 世界を滅茶苦茶にしておいて……ふざけんじゃねぇ!」
腕を掴もうとするが、なぜかスルッと抜けた。このサフィラス伯爵の体は……幻か!?
「……無駄だ。これはシャドーフォームを応用した幻影よ」
「シャドーフォーム! あの大幹部ザ・ビーストのスキルじゃないか。どういう事だ」
「以前の魔王は倒されているからな。現在、魔王のいない世界だ。だから、この吾輩が実質の魔王のポジションなのだがね、だが、吾輩は魔王という器ではない。あくまで代理だ」
つまり、コイツは現状、魔王代理ってわけかよ。だから、部下の能力くらい使えるってわけだ。魔王には変わりないじゃないか。勇者として、コイツを倒す。けれど、幻影状態の伯爵を倒す事はできない。
「いつか……いつか絶対に報いを受けて貰うぞ、サフィラス伯爵!! 俺はお前を倒し、真の平和を取り戻す!! 勇者としてな!!」
「あぁ、次回はこちらから出向くさ。新たな次期魔王を召喚し、世界を闇で覆いつくす。村、街、国……全ての人間を殲滅し、滅ぼしてくれようぞ……フフフ、フハハハハハハハハハハハ!!!」
伯爵の幻影は消えた。
「……」
ショックで倒れそうになるフルク。俺は彼女を支えた。
「……教会の人を弔ってやらないとな」
「……はい」
◆
教会の犠牲者は30名だろうか。
原形のないものもいた為、正確な数字は分からない。
……第二勇者セクンドスは、サフィラス伯爵の手によって抹殺された。これで本当の元凶が判明した。
全てはサフィラス伯爵の計画だったのだ。
「ヤツを倒す為にもEXダンジョンに篭もりまくるしかなさそうだな」
「もっと強くなりましょう、アウルムさん」
「ああ……俺の強さはまだ限界ではないはず。限界まで伸ばし、その限界さえも超えてみせる。そして、俺はサフィラス伯爵をこの手で……」
◆
アベオの葉を使い『EXダンジョン』へ再び戻った。帰還後、直ぐにマルガに状況を説明する。
「――な、なんですって……」
マルガは、宿敵であるサフィラス伯爵の正体に愕然としていた。まさか、魔王を召喚する者だったとは予想外だったようだ。
「というわけなんだよ」
「第二勇者が次期魔王で……でもやられて……。サフィラス伯爵が黒幕だったのですね。あの男が……世界を陥れようとしていたんですね……許せない」
「ヤツを何とかする為にも、この領地をさっさと国しよう。サフィラス伯爵は、村や国を攻め滅ぼすと言っていたからな。早急に強化する必要が出てきた」
なるほどと頷くマルガは、それしかないと納得してくれた。ならばと、EXダンジョン攻略を優先する事を決定した。どんどん稼がねば。
「お金を作り、家ももっと強化し、防衛設備も整えましょう。それから、戦力です。現在は約150名の人口……まだ足りません。1000名、いえ3000名は欲しいですね」
「ああ、人手も何とかしたい。マルガ、頼めるか」
「ええ、村に協力を煽いでみます。そちらのEXダンジョン攻略はお願いします。すみませんね、お役に立てなくて」
「いや、十分さ」
俺とフルクは、EXダンジョン攻略を進めていく!
「ま、まて……お前を捕まえる」
「なぜだね。この吾輩は何もしちゃいない」
「惚けるな。お前がセクンドスを召喚したんじゃないか! 今までの魔王もそうなんだろ!! 世界を滅茶苦茶にしておいて……ふざけんじゃねぇ!」
腕を掴もうとするが、なぜかスルッと抜けた。このサフィラス伯爵の体は……幻か!?
「……無駄だ。これはシャドーフォームを応用した幻影よ」
「シャドーフォーム! あの大幹部ザ・ビーストのスキルじゃないか。どういう事だ」
「以前の魔王は倒されているからな。現在、魔王のいない世界だ。だから、この吾輩が実質の魔王のポジションなのだがね、だが、吾輩は魔王という器ではない。あくまで代理だ」
つまり、コイツは現状、魔王代理ってわけかよ。だから、部下の能力くらい使えるってわけだ。魔王には変わりないじゃないか。勇者として、コイツを倒す。けれど、幻影状態の伯爵を倒す事はできない。
「いつか……いつか絶対に報いを受けて貰うぞ、サフィラス伯爵!! 俺はお前を倒し、真の平和を取り戻す!! 勇者としてな!!」
「あぁ、次回はこちらから出向くさ。新たな次期魔王を召喚し、世界を闇で覆いつくす。村、街、国……全ての人間を殲滅し、滅ぼしてくれようぞ……フフフ、フハハハハハハハハハハハ!!!」
伯爵の幻影は消えた。
「……」
ショックで倒れそうになるフルク。俺は彼女を支えた。
「……教会の人を弔ってやらないとな」
「……はい」
◆
教会の犠牲者は30名だろうか。
原形のないものもいた為、正確な数字は分からない。
……第二勇者セクンドスは、サフィラス伯爵の手によって抹殺された。これで本当の元凶が判明した。
全てはサフィラス伯爵の計画だったのだ。
「ヤツを倒す為にもEXダンジョンに篭もりまくるしかなさそうだな」
「もっと強くなりましょう、アウルムさん」
「ああ……俺の強さはまだ限界ではないはず。限界まで伸ばし、その限界さえも超えてみせる。そして、俺はサフィラス伯爵をこの手で……」
◆
アベオの葉を使い『EXダンジョン』へ再び戻った。帰還後、直ぐにマルガに状況を説明する。
「――な、なんですって……」
マルガは、宿敵であるサフィラス伯爵の正体に愕然としていた。まさか、魔王を召喚する者だったとは予想外だったようだ。
「というわけなんだよ」
「第二勇者が次期魔王で……でもやられて……。サフィラス伯爵が黒幕だったのですね。あの男が……世界を陥れようとしていたんですね……許せない」
「ヤツを何とかする為にも、この領地をさっさと国しよう。サフィラス伯爵は、村や国を攻め滅ぼすと言っていたからな。早急に強化する必要が出てきた」
なるほどと頷くマルガは、それしかないと納得してくれた。ならばと、EXダンジョン攻略を優先する事を決定した。どんどん稼がねば。
「お金を作り、家ももっと強化し、防衛設備も整えましょう。それから、戦力です。現在は約150名の人口……まだ足りません。1000名、いえ3000名は欲しいですね」
「ああ、人手も何とかしたい。マルガ、頼めるか」
「ええ、村に協力を煽いでみます。そちらのEXダンジョン攻略はお願いします。すみませんね、お役に立てなくて」
「いや、十分さ」
俺とフルクは、EXダンジョン攻略を進めていく!
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