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新章
第93話 勇者も調査を開始した!!
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外へ出ると今度は『パルウァエ』と『カリブルヌス』の住人が殺到していた。なんて人数だ。こんなに集まってくるとは……。
「アウルム様、娘が帰ってこねぇ!!」「助けてくれぇ……!!」「ウチの娘が行方不明だ」「オラ達はどうすれば……」「いくら俺たちがS級装備で強くても誘拐犯の居場所が分からないんじゃぁ……」「くそ、くそぉぉ!!」「なんとかしてくれ、アウルム様!!」
などなど、俺に頼る人が沢山いた。
こりゃ、深刻な事態だ。
国の主として解決しないと、俺の信用問題にも関わる。それに、俺の国の住人に手を出した犯人を絶対に許せん。
「アウルムさん、皆さんが可哀想です。なんとかしてあげられませんか?」
「フルク……分かった。マルガの調査の結果を待ちたいところだが、俺も動く。みんな、安心しろ! この俺が絶対に女の子達を助けてやる!!」
そう宣言すると――
「おおおおおおおおおおおお!!」「さすが勇者様だああ!!」「アウルム様、万歳!!」「頼みましたよ、アウルム様!」「娘を取り戻して下さい!!」「お願いします!!」「どうか、どうか娘を!!」
絶対に取り戻すさ。
この国の主としての責務を果たす。
◆
マルガはまだ帰ってこない。いくら万能メイドとはいえ、さすがに時間は掛かる。なので、俺は俺で調査を開始した。
城塞都市イニティウムへ向かい、街の中を歩いた。変わった所は……当然だけどない。平和そのもので、爺さんや婆さん、子供までがほのぼの暮らしている。しっかし、気づかない内にまた発展しているな。
家もこんなに建っていたっけ……。お店なんかも増えたな。鍛冶屋にアイテムショップ、錬金術師のお店もあるのか。へぇ、ペットショップも。専門テイマーがいるのか。ドラゴンを扱っている!? なんか気になるな。……いやいや、そんな場合ではない。
う~ん、住人に聞き取り調査をしても収穫なし。手応えの無さに頬を掻いていると、別行動をしているフルクとカルニが戻って来た。手に美味しそうな料理を持って。何しに来ているんだか!
「それは何だ?」
「はい、アウルムさん」
「くれるのか?」
「どうぞ、トルティーヤです」
トルティーヤか。パン生地に野菜や肉がギッシリ詰まった料理。これが濃厚な味わいで凄く美味しいんだよなあ。
そういえば、お腹も空いたし食べておくか。
「ありがとう。カルニも買ったんだな」
「はい、あたしもこの料理が好きなんです」
「野菜が瑞々しくも、肉が甘辛で美味いんだよな」
「ええ、そうなんです。クセになる味で」
もしゃもしゃとトルティーヤを頂き、腹を満たした。うん、美味い! これで体力も気持ちも回復した。さて、調査の続きを……ん?
ユウェンスの『城』となった拠点から出てくる人物がいた。あの白髪はフェルスか。そうだ、あの子に聞いていなかった。
「お~い、フェルスー!」
「おやや!! アウルム様ではありませんか!! それに、フルク様にカルニ様!! お久しぶりですぅ!!」
俺に飛び込んでくるフェルスは、その小さな頭でスリスリして来た。獣人とはいえ、女の子。ほぼ人間と大差ない亜人だし、そうくっ付かれると困る!
俺は馬鹿力のフェルスを剥がした。
「やめんかい、フェルス」
「ご、ごめんなさい……」
「聞きたいことがあるんだ」
「聞きたい事ですか? 分かりました」
今回の事件の事を話した。
すると有力な手掛かりを入手した――!
「アウルム様、娘が帰ってこねぇ!!」「助けてくれぇ……!!」「ウチの娘が行方不明だ」「オラ達はどうすれば……」「いくら俺たちがS級装備で強くても誘拐犯の居場所が分からないんじゃぁ……」「くそ、くそぉぉ!!」「なんとかしてくれ、アウルム様!!」
などなど、俺に頼る人が沢山いた。
こりゃ、深刻な事態だ。
国の主として解決しないと、俺の信用問題にも関わる。それに、俺の国の住人に手を出した犯人を絶対に許せん。
「アウルムさん、皆さんが可哀想です。なんとかしてあげられませんか?」
「フルク……分かった。マルガの調査の結果を待ちたいところだが、俺も動く。みんな、安心しろ! この俺が絶対に女の子達を助けてやる!!」
そう宣言すると――
「おおおおおおおおおおおお!!」「さすが勇者様だああ!!」「アウルム様、万歳!!」「頼みましたよ、アウルム様!」「娘を取り戻して下さい!!」「お願いします!!」「どうか、どうか娘を!!」
絶対に取り戻すさ。
この国の主としての責務を果たす。
◆
マルガはまだ帰ってこない。いくら万能メイドとはいえ、さすがに時間は掛かる。なので、俺は俺で調査を開始した。
城塞都市イニティウムへ向かい、街の中を歩いた。変わった所は……当然だけどない。平和そのもので、爺さんや婆さん、子供までがほのぼの暮らしている。しっかし、気づかない内にまた発展しているな。
家もこんなに建っていたっけ……。お店なんかも増えたな。鍛冶屋にアイテムショップ、錬金術師のお店もあるのか。へぇ、ペットショップも。専門テイマーがいるのか。ドラゴンを扱っている!? なんか気になるな。……いやいや、そんな場合ではない。
う~ん、住人に聞き取り調査をしても収穫なし。手応えの無さに頬を掻いていると、別行動をしているフルクとカルニが戻って来た。手に美味しそうな料理を持って。何しに来ているんだか!
「それは何だ?」
「はい、アウルムさん」
「くれるのか?」
「どうぞ、トルティーヤです」
トルティーヤか。パン生地に野菜や肉がギッシリ詰まった料理。これが濃厚な味わいで凄く美味しいんだよなあ。
そういえば、お腹も空いたし食べておくか。
「ありがとう。カルニも買ったんだな」
「はい、あたしもこの料理が好きなんです」
「野菜が瑞々しくも、肉が甘辛で美味いんだよな」
「ええ、そうなんです。クセになる味で」
もしゃもしゃとトルティーヤを頂き、腹を満たした。うん、美味い! これで体力も気持ちも回復した。さて、調査の続きを……ん?
ユウェンスの『城』となった拠点から出てくる人物がいた。あの白髪はフェルスか。そうだ、あの子に聞いていなかった。
「お~い、フェルスー!」
「おやや!! アウルム様ではありませんか!! それに、フルク様にカルニ様!! お久しぶりですぅ!!」
俺に飛び込んでくるフェルスは、その小さな頭でスリスリして来た。獣人とはいえ、女の子。ほぼ人間と大差ない亜人だし、そうくっ付かれると困る!
俺は馬鹿力のフェルスを剥がした。
「やめんかい、フェルス」
「ご、ごめんなさい……」
「聞きたいことがあるんだ」
「聞きたい事ですか? 分かりました」
今回の事件の事を話した。
すると有力な手掛かりを入手した――!
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