義妹と旅する車中泊生活

桜井正宗

文字の大きさ
5 / 24

ノーブラと生着替え

しおりを挟む
 カーシェリングの制限時間が近づいてきたので、車へ戻った。

「お兄ちゃん、もう出発する?」
「そうだな、もう時間もない。戻らないと追加料金を取られてしまうからな」

 追加料金は十五分でプラス二百円上乗せされる。これは地味に痛いので、さっさと車を返却しないと、お財布に大ダメージだ。そうなる前に帰宅だ。

 歩花にシートベルトをして貰った。
 出発しようとエンジンを掛けようとして、歩花が声を掛けてきた。

「ねえねえ、お兄ちゃん」
「ん、どうした」
「ちょっとこっち向いて」

 そう言われて俺は歩花の顔を見る。

「ん、トイレでも行きたくなったか?」
「違うよ~。ほらほら、胸のところ見て」
「胸ぇ?」

 視線を落とすと、シートベルトが歩花の胸を“パイスラッシュ”していた。ブラウスがあんな山のように盛り上がって……特盛すぎる。

「お兄ちゃんって本当にえっちだねー」
「お、男の子だから仕方ないだろう」
「しかもね、今、ブラしていないんだ」

 よ~く見ると、乳首が浮いていた。
 マジじゃん……。
 ノーブラかよ。

「さっきまでしてたよな。薄っすら映っていたし」
「へぇ~、お兄ちゃんってば、そんな風に歩花の胸を観察していたんだぁ」
「ち、違うって。歩花の胸は大きいから視界に入っちゃうんだよ」

 悪戯っ子のように笑う歩花は、シールドベルトを外して後部座席へ回った。

「今、つけちゃうから振り向かないでね」

 ポーチの中に下着を閉まっていたらしく、歩花は背後でゴソゴソとやっていた。正直言えば、バックミラーで丸見えなのだが。

 俺はさりげなくミラーで歩花の生着替えを観察。

「……」
「――これをこうしてっと」

 ブラウスの隙間から谷間が見えそうだった。惜しいなぁとか思っていると、歩花が俺の視線に気づく。

「……っ!」
「あっ、お兄ちゃん!」

「す、すまん。不可抗力だ」
「歩花のおっぱいそんなに好き?」
「それだけ立派だと男には魅力的に映るんだよ」
「そうなんだ。道理でクラスの男子がジロジロ見てくると思った」
「やっぱり、視線を感じるものなのか」

 そう聞くと、歩花は軽い溜息を吐いた。

「まあね。大きいと色々大変だよ~。男子から見られるし、自分自身、肩が凝って大変だもん。でも、お兄ちゃんには見られても触られてもいいけどね」

 触られても……!?
 そこまで許してくれるのか。
 さすがに冗談だよな。

 緊張で焦っていると、歩花はようやく下着をつけ終えた。助手席に戻ってもらって、俺はエンジンスタート。帰路にいた。


 ◇◇◇ ◇◇◇


 カーシェアリング専用駐車場に『X-VAN』を返却。料金は、クレジットカードで自動引き落とし。二時間パックの料金が適用され、更に学生割引も適用されて合計千五百円の支払いとなった。


「学生の身としては良心的な値段で助かる」
「カラオケも二時間行けばそれくらい掛かるし、安いよね~」


 ただドライブするだけなら、これはアリだな。しかも、他にも車種があるし、普段は乗れないような車を借りるのもありかも。

 それに、車を所持するよりも安上がりだ。本来ならガソリンを入れたり、任意保険や自動車税などを支払ったり――なんなら車検だってある。諸々もろもろの経費を考え、普段はそれほど乗らない人間なら、カーシェアリングは圧倒的に安いと言えよう。


「また行こうな、歩花」
「うん、すっごく楽しかった!」

「お金があったらマイカーが欲しいところだが、残念ながら車は中古でも二十万、三十万するからな。しばらくはカーシェアリングで我慢だ」

「マイカーかぁ。やっぱり、今日乗った『X-VAN』が欲しいの?」
「そうだなぁ、頑張って働いて買えるとしたら『X-VAN』だろうし、キャンピングカーには手が届きそうにないな」

「両方買えたら贅沢かな」

 贅沢すぎるっていうか、維持がまずムリだ。物流倉庫のバイトももう辞めてしまったし。ていうか、求人誌に書かれていた“軽作業で簡単です”のうたい文句は嘘だと身に染みて理解した。
 なにが軽作業だ。重労働も重労働だった。もうしばらくは仕事をしたくない。アットホームとか書かれている求人が地雷であるように、あの文字も信じちゃダメだな。


「まあ、いつかは二台持ちしてみたいな」
「分かった。わたしもお兄ちゃんを手伝う。一緒にがんばろうね」


 歩花は楽しそうに俺の腕にからんできた。兄妹なら、これくらいは普通の距離感だろうけれど俺はドキドキしていた。

 今日の歩花は優しい。
 しかも積極的だった。

 ちょっと前までツンツンしていたし、あまり俺に関わろうとしなかったけど『免許』が運命を変えた。本当に取って良かった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話

桜井正宗
青春
 ――結婚しています!  それは二人だけの秘密。  高校二年の遙と遥は結婚した。  近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。  キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。  ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。 *結婚要素あり *ヤンデレ要素あり

クラスメイトの美少女と無人島に流された件

桜井正宗
青春
 修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。  高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。  どうやら、漂流して流されていたようだった。  帰ろうにも島は『無人島』。  しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。  男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?

隣に住んでいる後輩の『彼女』面がガチすぎて、オレの知ってるラブコメとはかなり違う気がする

夕姫
青春
【『白石夏帆』こいつには何を言っても無駄なようだ……】 主人公の神原秋人は、高校二年生。特別なことなど何もない、静かな一人暮らしを愛する少年だった。東京の私立高校に通い、誰とも深く関わらずただ平凡に過ごす日々。 そんな彼の日常は、ある春の日、突如現れた隣人によって塗り替えられる。後輩の白石夏帆。そしてとんでもないことを言い出したのだ。 「え?私たち、付き合ってますよね?」 なぜ?どうして?全く身に覚えのない主張に秋人は混乱し激しく否定する。だが、夏帆はまるで聞いていないかのように、秋人に猛烈に迫ってくる。何を言っても、どんな態度をとっても、その鋼のような意思は揺るがない。 「付き合っている」という謎の確信を持つ夏帆と、彼女に振り回されながらも憎めない(?)と思ってしまう秋人。これは、一人の後輩による一方的な「好き」が、平凡な先輩の日常を侵略する、予測不能な押しかけラブコメディ。

先輩から恋人のふりをして欲しいと頼まれた件 ~明らかにふりではないけど毎日が最高に楽しい~

桜井正宗
青春
“恋人のふり”をして欲しい。 高校二年の愁(しゅう)は、先輩の『柚』からそう頼まれた。 見知らずの後輩である自分になぜと思った。 でも、ふりならいいかと快諾する。 すると、明らかに恋人のような毎日が始まっていった。

俺を振ったはずの腐れ縁幼馴染が、俺に告白してきました。

true177
恋愛
一年前、伊藤 健介(いとう けんすけ)は幼馴染の多田 悠奈(ただ ゆうな)に振られた。それも、心無い手紙を下駄箱に入れられて。 それ以来悠奈を避けるようになっていた健介だが、二年生に進級した春になって悠奈がいきなり告白を仕掛けてきた。 これはハニートラップか、一年前の出来事を忘れてしまっているのか……。ともかく、健介は断った。 日常が一変したのは、それからである。やたらと悠奈が絡んでくるようになったのだ。 彼女の狙いは、いったい何なのだろうか……。 ※小説家になろう、ハーメルンにも同一作品を投稿しています。 ※内部進行完結済みです。毎日連載です。

戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件

さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。 数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、 今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、 わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。 彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。 それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。 今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。   「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」 「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」 「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」 「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」   命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!? 順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場―― ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。   これは―― 【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と 【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、 “甘くて逃げ場のない生活”の物語。   ――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。 ※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。

大好きな幼なじみが超イケメンの彼女になったので諦めたって話

家紋武範
青春
大好きな幼なじみの奈都(なつ)。 高校に入ったら告白してラブラブカップルになる予定だったのに、超イケメンのサッカー部の柊斗(シュート)の彼女になっちまった。 全く勝ち目がないこの恋。 潔く諦めることにした。

俺をフッた女子に拉致されて、逃げ場のない同棲生活が始まりました

ちくわ食べます
恋愛
大学のサークル飲み会。 意を決して想いを告げた相手は、学内でも有名な人気女子・一ノ瀬さくら。 しかし返ってきたのは―― 「今はちょっと……」という、曖昧な言葉だった。 完全にフラれたと思い込んで落ち込む俺。 その3日後――なぜか自分のアパートに入れなくなっていた。

処理中です...