ゴミアイテムを変換して無限レベルアップ!

桜井正宗

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第34話 今日も経験値製造

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 情報部隊・マキシマイズに通報すると、直ぐにライトニング家に駆けつけてきて、ライバックを確保。連行していった。


「…………」


 彼は終始俺をにらみ、恨んでいた。

 あれがリジェクトのやり方か。


「お役に立てなくて申し訳ございません、主様」
「いや、ラティは奮闘したよ。それより、リジェクトだ。ヤツ等が動き始めた……まさかこのライトニング家に奇襲をかけて来るとは思わなかったけど」


「ええ、今後も襲って来るかもしれません」


 俺はこれでもライトニング家の傭兵という扱いだから、リジェクトは容赦しないってワケか。しかも、俺は最近、ユピテル達を倒している。その情報が広まっていると考えれば警戒されるのも納得がいく。


「エドウィンにも言っておかないとな」


 肝心の主は、またも会議。
 これで直近で十回以上だぞ。
 なかなか日常会話もままならないので、困っている。どうにかして、捕まえないとなぁ……。


 ライバックを引き渡し後、俺はケラウノス騎士団へ。

 経験値製造の作業を今日も進めていく。


「騎士団は相変わらず自粛中か」


 ひとりで廃棄場に入り、さっそく作業に取り掛かった。この能力を手に入れて随分と立って、使い方とか効率の上げ方とか分かって来た。

 12個セットは相変わらずだけど、製造成功率は65%とかなり上がっている。レベルアップしたおかげで魔力MPも十分にある。



「よし、今日は――うん、ゴブリンの爪にしておこう」



 女性冒険者の被害が続出しているということで、ゴブリン討伐が多くなっているらしい。その為か爪が多く積み上がっていた。


「どんどん経験値クリスタルに変えていくか」


 集中して製造を進めていく。


 ・
 ・
 ・


 ――三時間が経過して、俺は休憩に入った。


「ふぅ……」


 三袋分も製造完了。
 ゴブリンの他にマンドラゴラやハーピィのドロップ品にも手をつけた。どれもこれも、高レベルで討伐対象になっているモンスターだ。


 それなりの経験値が期待できそうだ。


「さてと」


 立ち上がって廃棄場を出た。



 騎士団を出た直後、ルシアと遭遇。いつもの礼服ではなく、ワンピース姿だった。しかも、息を乱して。


「走って来たのか」
「……はぁ、はぁ。だって……起きたらレイジさんの姿がなかったんですもの。多分ここだろうって思って」


 だから突っ走ってきたという。
 俺を心配してくれたのか。


「俺は何処にもいかないよ。今日も経験値クリスタルの製造さ。だから、そんなに不安がらなくても大丈夫」


「本当ですか? 本当に本当に?」
「本当に本当に」

「……わたしとラティ以外の女の子と喋っていないですよね」
「え……うん。今日はラティとルシアだけだよ」


「ほっ。ならいいんです」


 どうしたのだろうか。
 他の女の子と? う~ん? 喋ったらどうなるのだろうか……。


「ねえ、ルシア――」


 聞いてみようと思ったその矢先、騎士団の方から女騎士が現れて、俺に話しかけて来た。


「おぉ、レイジくんじゃなーい。話しかけるのはこれが初めてだけどさ、よく廃棄場にいるよね。ああ、そうだ、それより自己紹介だね。あたしはアモルっていう騎士なの。レイジくんのファンよ」


 なんだか明るい性格の騎士だなぁと俺は思った。てか、俺のファンってマジかよ。そんな人いたんだ。


「アモルさんですね、よろしくです」
「呼び捨てでいいよ。あれ、お邪魔だったかな。ごめんね~。けどさ、今度でいいからデートしてくれない? あたし、強い男がタイプなの」


 まさかのデートのお誘い。
 しかも美人騎士から……!
 ユピテル撃退後、モテ期到来したらしい。


 ちょっと嬉しがっていると――


「…………」


 ルシアさんの顔が死んでいた。
 というか、凄い落ち込んでいる!!


 あ、やば……。


「……レイジさん……」

「ご、ごめんって。アモルさん、申し訳ないけどまた今度」
「分かった。約束だよ」

 アモルさんは騎士団へ戻った。


「ル、ルシア?」
「……レイジさんのばかぁ……」

 泣き出しながらも飛びついてくるルシア。俺は小さな身体を受け止めるしかなかった。……って、やっぱり淋しかったんだ。


「ごめんよ。まさか、こんな話しかけられるようになるとは思わなかったんだ。こっちから話しかけてないし、ノーカンで」

「最近、レイジさんの噂が女性の間で凄いんです。だから、取られてしまわれないか心配で……」


 そうだったのか。
 俺の噂がね……?

 まるで実感がないのだが、さっきの女騎士からのお誘いといい本当かもしれない。それでルシアは大慌てで。


「大丈夫だよ。俺は女の子ならルシアにしか興味ないし」
「本当ですか!」
「うん、だから機嫌直して。これから何処か行こうか」
「はいっ」


 どうやら機嫌直ったみたいだな。
 いつの間にか手も繋いでいた。
 こりゃまるでデートだな。
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