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第60話 経験値製造スキルの真相
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リジェクトの創設者にして帝国を裏から崩壊させようとする男……ソルバルト・T・ハークネスを打倒した。
「これで……」
勝利を確信したその時だった。
『フフフフフ……』
血塗れにも関わらず、ソルバルトが立ち上がった。全身真っ赤に染まっているが……その手には『黒いクリスタル』が握られていた。
「ま、まさか……あんた」
「このクリスタルは特注品でね。今までのも私のスキルによるもの……お前の持つ『経験値製造スキル』を入手する為に習得に励んだのだが……失敗に終わった。まさか、教会の人間と繋がりを持つ必要があったとはな。……ルシア、あの女が奇跡を起こすのに必要な存在だったとは……憎らしい女だ」
確かに、ルシアのおかげで俺の製造スキルは変化した。そうか、コイツも経験値製造スキルを欲していたのか。だから、あんな贋作……失敗作を生み続けて――。
「お前、この力が欲しかったのか」
「そうとも……ぐぶっ……。そ、その経験値製造スキルを求めて、私はリジェクトを作り、やがて皇帝になる……予定だった。だが、息子も……お前でさえ、私を裏切った!! どいつもこいつもゴミばかり! 三大騎士も何も分かっておらぬ! 現在の皇帝陛下も無能……! 城の地下にまさか地下都市があるとは思っていなかっただろうなァ。そして、何よりもお前の母親だ」
「母さん?」
「ああ……名をクレスケンスルーナと言った……お前の母親は教会の聖女だった。教会には二人の聖女がいて、お前の母親とファートゥム・アエテルヌムという銀髪の女がいた。二人のどちらでも良い、奇跡を与えられれば『経験値製造スキル』の習得が叶うのだ。私は二人にアプローチしたが、どちらも断られてね……」
「それで逆恨みを……」
「そうだ。叶わぬのなら殺してしまえばいい……仕方がなかった。そのままにしておけば、誰かが『経験値製造スキル』を習得してしまうのだからな。そうなれば、きっと私を阻む存在となる――そして、お前がそうなってしまった、レイジよ」
そうか。
母さんはそんな事で殺されて……。
ファートゥム・アエテルヌムという女性も殺されたのだろう。そして、あくまで推測だがその女性はルシアのお母さんだったのではないだろうか。
俺の母親とルシアのお母さんは知り合い……それ以上の存在だったはず。これが終わったら聞いてみよう。
「ソルバルト……俺は絶対にあんたを許さない。義祖父とも思わない……お前は根っからの邪悪だ。自分勝手に人殺しを行い、欲望のままに帝国転覆を謀った……万死に値する!!」
「……ならば掛かって来い。この特注のクリスタルを使った私にな!!!」
ぐっ……と黒いクリスタルを胸に押し込めるソルバルト。次第に苦しそうに藻掻き始め、発狂した――。
「ギャアアアアアアアアアア、ババババババアバババババ!! ぬあぁぁぁあぁああぁぁぁあぁああ…………ッ!!!」
一気に膨張する体は、黒い肉塊となり――…恐ろしい姿へと変貌した。なんだよこれ……何なんだよこれ。ありえねえ……。
『ググググググッ……。グボボボボボボボボ……』
「もう人間の形を成していないじゃないか」
顔も潰れ、ただあるのは黒い塊。鞭のような手足が生えているだけ。混沌だ……混沌がある。
油断していると、触手が向かってきた。
俺は桜花で防御する。
火花が散って、あまりの威力に驚く。
「ぐっ……なんて力だ!! けどな!! 俺はそれでも諦めねえッ!!」
一閃を放ち、触手を断ち切っていく。
けれども、触手は速攻で再生し襲って来る。
「キリがねぇ……」
周囲も怪物だらけになっている。
でもその度に雷撃が走って、敵を駆逐していた。みんな必死になって頑張っている。俺だって、負けていられない。
「ソルバルト!!」
『グフ、グフフフフフ……レイジ……貴様ヲ、トリコンデ、ヤル……!!』
巨体が走って来る。
なんてスピード。
物理法則に反した俊敏な動き。
なんとか空へ飛び跳ねて回避。
だが、ソルバルトの巨体も飛び跳ねて目の前にやって来る。……馬鹿な。あんな城のような大きさの巨体を持ち上げてくるとか……!
『桜花一閃――――――!!!』
必殺を穿つが、ソルバルトも反撃してきた。
『エンシェント・ソニックブーム……!!!』
さっきとは違う、暴風雨のような……!
まずい、威力が桁違いだ……!
「レイジ、ここは私に任せなさい!!」
タンッと宙へ舞って来るエドウィン!
『ハンドレットエグゼキューション!!』
数百の閃光がソルバルトへ向かって行く。
それだけじゃない……!
『コギト・エルゴ・スム……!!』
サラの途轍もない雷撃もソルバルトへ。
『ウーヌス・プロー・オムニブス・オムネス・プロー・ウーノー……!!』
長い詠唱のようなスキルが飛んでくる。
これの矢は、シャロンさんか――!
それから、ルシア、ラティ、ブレア、パルも姿を現す。ランティさんとアモルさんも無事だった。みんな集合した。
「そうか、ソルバルト以外を倒したんだな……!」
決着をつける……!!
「これで……」
勝利を確信したその時だった。
『フフフフフ……』
血塗れにも関わらず、ソルバルトが立ち上がった。全身真っ赤に染まっているが……その手には『黒いクリスタル』が握られていた。
「ま、まさか……あんた」
「このクリスタルは特注品でね。今までのも私のスキルによるもの……お前の持つ『経験値製造スキル』を入手する為に習得に励んだのだが……失敗に終わった。まさか、教会の人間と繋がりを持つ必要があったとはな。……ルシア、あの女が奇跡を起こすのに必要な存在だったとは……憎らしい女だ」
確かに、ルシアのおかげで俺の製造スキルは変化した。そうか、コイツも経験値製造スキルを欲していたのか。だから、あんな贋作……失敗作を生み続けて――。
「お前、この力が欲しかったのか」
「そうとも……ぐぶっ……。そ、その経験値製造スキルを求めて、私はリジェクトを作り、やがて皇帝になる……予定だった。だが、息子も……お前でさえ、私を裏切った!! どいつもこいつもゴミばかり! 三大騎士も何も分かっておらぬ! 現在の皇帝陛下も無能……! 城の地下にまさか地下都市があるとは思っていなかっただろうなァ。そして、何よりもお前の母親だ」
「母さん?」
「ああ……名をクレスケンスルーナと言った……お前の母親は教会の聖女だった。教会には二人の聖女がいて、お前の母親とファートゥム・アエテルヌムという銀髪の女がいた。二人のどちらでも良い、奇跡を与えられれば『経験値製造スキル』の習得が叶うのだ。私は二人にアプローチしたが、どちらも断られてね……」
「それで逆恨みを……」
「そうだ。叶わぬのなら殺してしまえばいい……仕方がなかった。そのままにしておけば、誰かが『経験値製造スキル』を習得してしまうのだからな。そうなれば、きっと私を阻む存在となる――そして、お前がそうなってしまった、レイジよ」
そうか。
母さんはそんな事で殺されて……。
ファートゥム・アエテルヌムという女性も殺されたのだろう。そして、あくまで推測だがその女性はルシアのお母さんだったのではないだろうか。
俺の母親とルシアのお母さんは知り合い……それ以上の存在だったはず。これが終わったら聞いてみよう。
「ソルバルト……俺は絶対にあんたを許さない。義祖父とも思わない……お前は根っからの邪悪だ。自分勝手に人殺しを行い、欲望のままに帝国転覆を謀った……万死に値する!!」
「……ならば掛かって来い。この特注のクリスタルを使った私にな!!!」
ぐっ……と黒いクリスタルを胸に押し込めるソルバルト。次第に苦しそうに藻掻き始め、発狂した――。
「ギャアアアアアアアアアア、ババババババアバババババ!! ぬあぁぁぁあぁああぁぁぁあぁああ…………ッ!!!」
一気に膨張する体は、黒い肉塊となり――…恐ろしい姿へと変貌した。なんだよこれ……何なんだよこれ。ありえねえ……。
『ググググググッ……。グボボボボボボボボ……』
「もう人間の形を成していないじゃないか」
顔も潰れ、ただあるのは黒い塊。鞭のような手足が生えているだけ。混沌だ……混沌がある。
油断していると、触手が向かってきた。
俺は桜花で防御する。
火花が散って、あまりの威力に驚く。
「ぐっ……なんて力だ!! けどな!! 俺はそれでも諦めねえッ!!」
一閃を放ち、触手を断ち切っていく。
けれども、触手は速攻で再生し襲って来る。
「キリがねぇ……」
周囲も怪物だらけになっている。
でもその度に雷撃が走って、敵を駆逐していた。みんな必死になって頑張っている。俺だって、負けていられない。
「ソルバルト!!」
『グフ、グフフフフフ……レイジ……貴様ヲ、トリコンデ、ヤル……!!』
巨体が走って来る。
なんてスピード。
物理法則に反した俊敏な動き。
なんとか空へ飛び跳ねて回避。
だが、ソルバルトの巨体も飛び跳ねて目の前にやって来る。……馬鹿な。あんな城のような大きさの巨体を持ち上げてくるとか……!
『桜花一閃――――――!!!』
必殺を穿つが、ソルバルトも反撃してきた。
『エンシェント・ソニックブーム……!!!』
さっきとは違う、暴風雨のような……!
まずい、威力が桁違いだ……!
「レイジ、ここは私に任せなさい!!」
タンッと宙へ舞って来るエドウィン!
『ハンドレットエグゼキューション!!』
数百の閃光がソルバルトへ向かって行く。
それだけじゃない……!
『コギト・エルゴ・スム……!!』
サラの途轍もない雷撃もソルバルトへ。
『ウーヌス・プロー・オムニブス・オムネス・プロー・ウーノー……!!』
長い詠唱のようなスキルが飛んでくる。
これの矢は、シャロンさんか――!
それから、ルシア、ラティ、ブレア、パルも姿を現す。ランティさんとアモルさんも無事だった。みんな集合した。
「そうか、ソルバルト以外を倒したんだな……!」
決着をつける……!!
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