無限初回ログインボーナスを貰い続けて三年 ~辺境伯となり辺境領地生活~

桜井正宗

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カーディナル専用スキルとアイリス教会の仕事

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 ローザには、スキルの『炯眼けいがん』なるものがあるらしい。その能力で相手の素性がある程度は分かるようだ。


【炯眼】
【Lv.1】
【補助スキル】
【詳細】
 消費魔力:100。
 カーディナル専用スキル。
 ①物理攻撃力 +1000、攻撃速度 +20%。 ②対象の[名前]、[年齢]、[職業]、[冒険者ランク]、[装備一覧]を閲覧できる。 ③魔力を更に100消費し、対象の[スキル一覧]を閲覧する。

 再使用時間:3時間


 このスキルを使って『アーリー』の情報を引き出したわけか。凄いな。

 しかし、驚くべき情報はそれだけではなかった。


「ローザ、それは本当か」
「はい、あの方のローブの下に“犯罪者ギルドの仮面”がありました」

「つまり、あのアーリーって男は、あの十階の時の……」
「ええ、仲間でしょう」


 そうか、他にも仲間がいたんだ。それが一般ギルドに紛れていたと。そういうわけだな。
 俺は確認すべく、倒れているアーリーに問いただす。


「おい、お前。犯罪者ギルドだな」

「よく分かったな。ふところに隠してある“仮面”が見えてしまったかな。ああ、そうだ。僕は『カーネイジ』の一員さ」

「でも、お前は別のパーティに入っていたよな」

「そうとも。僕は別のギルドやパーティに潜入し、崩壊させるスパイみたいなものさ。例えば、さっき全滅したパーティ。強いモンスターにわざと接近させ……死んでもらう。で、僕はその隙に死んだ冒険者からレアアイテムや金を奪うわけさ」


 それがこの男のやり口ってわけか。つまり、さっき苦戦していたパーティは仲間でもなんでもなく、ただ見殺しにして金品を強奪したと……。
 あの悲しみも、仲間を蘇生をしてくれと必死だった顔も……全て偽り・・・・。あわよくばレアアイテムを回収するためだったのだろう。全ては俺達を騙す為の演技だったのだ。

 最低な男だ。

 さすがのローザもミランダもドン引き。その感情には怒りさえ混じっていた。俺もだ。こいつは許せない。


「もうひとつ聞かせろ。なんでローザを連れ去った」
「お前たちのパーティの中では一番金目の物を持っていそうだったし、なにより美人だったからな。楽しんだ後でレアアイテムをひん剥いてやろうと思ったのさ」


 その瞬間、俺はプチンと来てインビジブルソードで斬りかかろうとした。だが、ローザが止めた。


「アビスさん、ちょっと待ってくださいです」
「止めるな。こいつは生かしておけん」

「ええ。その気持ちはよく分かります。でも、ひとつだけ聞きたいんです」


 鋭い眼差しでローザは男をにらむ。
 アーリーは、ビビっていた。
 いや、俺でさえ冷や汗が出たほどだ。

 ローザのヤツ、こんな殺気を放てるのか。怖ぇ。


「あぁ? 聞きたいこと……?」
「そうです。あなたのような犯罪者は、まだいるのですか」

「そんなことか。もちろんさ、カーネイジには本当のギルマス・・・・・・・が存在するのだからな!」

「ということは、十階にいたリーダーっぽい人は誰です?」

「ギャレンか。ヤツとボスは、ちょうど衝突した後だったんだ。自らがカーネイジのボスになろうとした。だから、ヤツは本当のボスではない」


 ギャレン、それがあの十階にいた召喚士サモナーの男の名だったのか。名前を聞く前に斬ったからな。

 にしても、ボスは別にいたとは。

 どうやら、犯罪者ギルド『カーネイジ』とは、まだ長い付き合いになりそうだな。

 そんなローザは情報を聞き出して満足したのか『+9SSS級ディバインフィンガーグローブ』を装備していた。


「そうですか。では、さようなら」

「――へ!? なにをする気だ! ちょ、まて! 僕を殺しても意味は――!! ぎゃあああああああああああああ!!」


 凄まじいストレートパンチがアーリーの顔面に入った。ローザは、アーリーをブン殴ったんだ。
 顔が変形するほどの大ダメージを与え、氷の壁に激突。メリ込んでいた。……おいおい、クレーターが出来ているじゃないか。

 なんて破壊力だよ。


「ローザ、お前強いじゃん」
「そうですよ、ローザ様って“殴り”なんですね!」


 俺もミランダも、ローザの思いもよらない行動に驚く。ていうか、本気を出せば一人で何とか出来たのでは……?


「おい、ローザ。実は自己解決出来ただろ!?」
「……うっ。その、えっと……アビスさんに王子様のように助けて欲しかったんです。だから、その……うぅ」

「まったく、心配させやがって。まあ、無事でよかったよ」
「怒ってないですか……?」

「怒ってないよ。むしろ安心した。でも、大聖女が殴るとかいいのか?」

「ご安心を。確かに、わたしは大聖女ですが、常に善良な冒険者の味方。ですので、
今のは神の代行者として正義の鉄槌ジャスティスを下しただけなのです!」


 えっへんと胸を張るローザさん。
 大聖女ってそういうものなのか!?

 けど、あのアーリーってのは明確な犯罪者だ。正義で裁いたということなら、それは間違いではない。


「で、あの男はどうする?」
「あんな男は『海底監獄・イグノラムス』へポイッです」


 アイテムボックスから、宝石を取り出すローザ。なんだ、このキラキラした紫色の宝石。俺は分からなかったが、ミランダは知っていた。


「ああ、ローザ様。それって“転移宝石”ですよね」
「よくご存知で。さすがミランダさんです。そうです、この宝石は『海底監獄・イグノラムス』直行便の宝石なのです」


 ローザが宝石を使用すると、アーリーの姿が消えた。マジかよ。本当に転移宝石なんだな。

「大丈夫なのか? その、海底監獄・イグノラムスだっけ? 勝手に送って」
「ご心配なく。わたしが所属する『アイリス教会』は、犯罪者を断罪し、監獄へ送る使命があるのです」

「そうだったのか」

「ええ、アビスさんと再会する前は、わたし、神の代行者をしていましたから」


 どうやら、ローザは犯罪者を取り締まり、その功績を讃えられて『大聖女』まで上り詰めたらしい。ということは、相当な犯罪者を監獄送りにしたようだな。

 だから、こんなに強いんだ。


「じゃあ、カーネイジも裁くんだな?」
「ええ、犯罪者ギルドの存在は教会も危惧きぐしていました。ただ、リディア共和国の問題ではありましたので……なかなか手出しができなかったんです」

 そういう理由があったのか。

「アイツは監獄送りにして良かったのか」
「いいんです。今のわたしはアビスさんのパーティですし、それに、ダンジョン攻略が最優先。邪魔者は排除しなければなりません。それが犯罪者なら尚更です」

「分かった。けどな、もう無茶はするなよ、心配するから」
「そ、そうですね。……ごめんなさい」

 ローザは深く反省したのか、しょぼんと落ち込んでいた。まあ、きちんと謝ってくれるならいいんだけどね。


 ▼△▼△▼△


 地下十五階。
 久しぶりの安全地帯・セイフティゾーン。

 辿り着いた冒険者は、わずか十名ってところか。俺達を含めても十三人。あまりに少なすぎる。けど、見覚えのある顔がいた。

「オーガスト!」
「よう、アビス。お前もここまで来たんだな」
「あ、ああ……オーガストは、一人か?」

「いや、俺は“傭兵ようへい”としてギルドに所属中だ。そこのな」

 傭兵か。あのギルドって……十階の犯罪者ギルドとの戦闘でも、かなり奮闘していたギルドか。その強さはこの目で見て感じていた。

 どれ、ちょっと挨拶くらいしてみるか。
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