36 / 58
第36話 イケメン冒険者に寝取られた勇者
木材が欲しければ森で伐採を。
石材が欲しければ洞窟で採掘を。
なにげに『聖剣アルビオン』で全てが対応可能だった。さすが女神族の作った伝説の剣である。万能すぎてありがたい。
まずはゼルファード周辺にある森で木々を伐採した。
木材を入手し、たまに現れるゾンビモンスターをオーロラが浄化。
そして、ネクロヴァスはそんな俺とオーロラの戦闘を見守る。このコは、まだ戦闘経験がないらしい。
奴隷扱いを受けていたようだし――当然か。
「かなり木材を入手しましたねっ」
スライムをテイムしたばかりのラフィネは、ペットを抱きながら言った。
なんだろう、あの黒いスライム。
いつの間にあんなのをペットにしていたんだろう。気づかなかったな。
ゾンビ化はしていないようだけど。
「ああ。腹も減ったな」
そろそろお昼時。
どこかで飯にしたいな。
「お弁当なら用意しました。ランチにしましょ!」
料理が得意なオーロラは弁当を作っていた。助かるな。
どのみち、そろそろ洞窟も行かねばならない。いったん草原へ向かう。
【ラグナゼオン帝国領:エスメロード草原】
広大で長閑な緑あふれる草原に出た。
モンスターは僅かにスライムだけ。
そんなほのぼのとしたフィールドをゆっくりと歩いていく。
少しすると川が見えてきた。ここは綺麗な花にも囲まれて最高の場所だ。
「よし、ここで飯にしよう」
「エルドさん、良い場所知っているんですね!」
「ああ、勇者として世界を巡った時にここに寄ったことがあるんだ。……仲間の弓使いの女の子をイケメン冒険者に寝取られたけどね……」
「ちょ、なにげに衝撃的な過去! てか、エルドさん何人のコを寝取られているんですか……」
「さあ、もう憶えていない」
思い返すだけで胸が苦しいぜ。
アハハ……。
そんな暗い話は置いておき、飯だ。
ちょうどさっき入手した木材を使い、簡単な机と椅子を作成した。
「おぉ、勇者様すごいです!」
ネクロヴァスがぴょんぴょん飛んで喜ぶ。
様付けとはいえ、俺のことをそう呼ぶと……いろいろ危ない気が。まあ、魔王の片鱗といえば、この見た目くらいなものだし……今は見守るしかないか。
「俺は、辺境の地ゼルファードの管理権限を譲り受けた。ほら、この黒曜石。だから簡易的な建築スキルを持っているんだよ」
「なるほどですね!」
黒曜石さえあれば、建物も建てられる。家具も作れるってわけだ。ただし、村を離れた場合は家具を作ることくらいしかできないが。
俺の作ったテーブルの上に、オーロラのお弁当が並べられた。
たまごサンド、ハムサンド、ハムチーズたまごサンド、ポテトサラダサンド、トマトサンド、フルーツミックスまで……!
「めっちゃ豪華じゃないか!」
「えへへ、がんばりましたっ」
えっへんと胸を張るオーロラ。凄すぎんだろう。
「わぁ~~~~~~!」
感嘆の声を上げるネクロヴァス。純粋な子供そのものだな。
「う、うぅ……さすがオーロラ様。いつもいつも凄いお料理です」
「そんなことありませんよ~。ラフィネさんから教えていただいたレシピとかもあるんですから」
と、オーロラもラフィネも気遣い合っていた。そういえば、料理仲間だったな。村ではよく一緒に料理をしているようだし。
椅子に座り、さっそくサンドイッチを手に取る。そのまま口へ運ぶと。
「うまッ! こりゃ美味い。濃い味がたまらんな」
「でしょでしょ。エルドさんが濃い味好きなの知ってますからねっ」
ドヤ顔でまたも胸を張るオーロラ。いや~、料理に関しては本当に頭が上がらん。おかげで美味しいものを毎日食えて幸せだよ。
一方でネクロヴァスももしゃもしゃとサンドイッチを食っていた。そんな小動物みたいに……可愛すぎかっ。
いかんいかん、つい頬が緩んだ。
「……勇者様?」
「いや、なんでもないんだ。それより、美味いか?」
「はい、こんな美味しいもの初めて食べました!」
「そうか。ならいい」
むぅ、本当にコイツは魔王ネクロヴァスなのか? なんだかそんな気がしなくなってきたぞ。
美味すぎる飯を食べ終え、片付けを済ませて今度は洞窟ダンジョン『サーペントスネア』へ。
石材を集めなければ――!
石材が欲しければ洞窟で採掘を。
なにげに『聖剣アルビオン』で全てが対応可能だった。さすが女神族の作った伝説の剣である。万能すぎてありがたい。
まずはゼルファード周辺にある森で木々を伐採した。
木材を入手し、たまに現れるゾンビモンスターをオーロラが浄化。
そして、ネクロヴァスはそんな俺とオーロラの戦闘を見守る。このコは、まだ戦闘経験がないらしい。
奴隷扱いを受けていたようだし――当然か。
「かなり木材を入手しましたねっ」
スライムをテイムしたばかりのラフィネは、ペットを抱きながら言った。
なんだろう、あの黒いスライム。
いつの間にあんなのをペットにしていたんだろう。気づかなかったな。
ゾンビ化はしていないようだけど。
「ああ。腹も減ったな」
そろそろお昼時。
どこかで飯にしたいな。
「お弁当なら用意しました。ランチにしましょ!」
料理が得意なオーロラは弁当を作っていた。助かるな。
どのみち、そろそろ洞窟も行かねばならない。いったん草原へ向かう。
【ラグナゼオン帝国領:エスメロード草原】
広大で長閑な緑あふれる草原に出た。
モンスターは僅かにスライムだけ。
そんなほのぼのとしたフィールドをゆっくりと歩いていく。
少しすると川が見えてきた。ここは綺麗な花にも囲まれて最高の場所だ。
「よし、ここで飯にしよう」
「エルドさん、良い場所知っているんですね!」
「ああ、勇者として世界を巡った時にここに寄ったことがあるんだ。……仲間の弓使いの女の子をイケメン冒険者に寝取られたけどね……」
「ちょ、なにげに衝撃的な過去! てか、エルドさん何人のコを寝取られているんですか……」
「さあ、もう憶えていない」
思い返すだけで胸が苦しいぜ。
アハハ……。
そんな暗い話は置いておき、飯だ。
ちょうどさっき入手した木材を使い、簡単な机と椅子を作成した。
「おぉ、勇者様すごいです!」
ネクロヴァスがぴょんぴょん飛んで喜ぶ。
様付けとはいえ、俺のことをそう呼ぶと……いろいろ危ない気が。まあ、魔王の片鱗といえば、この見た目くらいなものだし……今は見守るしかないか。
「俺は、辺境の地ゼルファードの管理権限を譲り受けた。ほら、この黒曜石。だから簡易的な建築スキルを持っているんだよ」
「なるほどですね!」
黒曜石さえあれば、建物も建てられる。家具も作れるってわけだ。ただし、村を離れた場合は家具を作ることくらいしかできないが。
俺の作ったテーブルの上に、オーロラのお弁当が並べられた。
たまごサンド、ハムサンド、ハムチーズたまごサンド、ポテトサラダサンド、トマトサンド、フルーツミックスまで……!
「めっちゃ豪華じゃないか!」
「えへへ、がんばりましたっ」
えっへんと胸を張るオーロラ。凄すぎんだろう。
「わぁ~~~~~~!」
感嘆の声を上げるネクロヴァス。純粋な子供そのものだな。
「う、うぅ……さすがオーロラ様。いつもいつも凄いお料理です」
「そんなことありませんよ~。ラフィネさんから教えていただいたレシピとかもあるんですから」
と、オーロラもラフィネも気遣い合っていた。そういえば、料理仲間だったな。村ではよく一緒に料理をしているようだし。
椅子に座り、さっそくサンドイッチを手に取る。そのまま口へ運ぶと。
「うまッ! こりゃ美味い。濃い味がたまらんな」
「でしょでしょ。エルドさんが濃い味好きなの知ってますからねっ」
ドヤ顔でまたも胸を張るオーロラ。いや~、料理に関しては本当に頭が上がらん。おかげで美味しいものを毎日食えて幸せだよ。
一方でネクロヴァスももしゃもしゃとサンドイッチを食っていた。そんな小動物みたいに……可愛すぎかっ。
いかんいかん、つい頬が緩んだ。
「……勇者様?」
「いや、なんでもないんだ。それより、美味いか?」
「はい、こんな美味しいもの初めて食べました!」
「そうか。ならいい」
むぅ、本当にコイツは魔王ネクロヴァスなのか? なんだかそんな気がしなくなってきたぞ。
美味すぎる飯を食べ終え、片付けを済ませて今度は洞窟ダンジョン『サーペントスネア』へ。
石材を集めなければ――!
あなたにおすすめの小説
僕の秘密を知った自称勇者が聖剣を寄越せと言ってきたので渡してみた
黒木メイ
ファンタジー
世界に一人しかいないと言われている『勇者』。
その『勇者』は今、ワグナー王国にいるらしい。
曖昧なのには理由があった。
『勇者』だと思わしき少年、レンが頑なに「僕は勇者じゃない」と言っているからだ。
どんなに周りが勇者だと持て囃してもレンは認めようとしない。
※小説家になろうにも随時転載中。
レンはただ、ある目的のついでに人々を助けただけだと言う。
それでも皆はレンが勇者だと思っていた。
突如日本という国から彼らが転移してくるまでは。
はたして、レンは本当に勇者ではないのか……。
ざまぁあり・友情あり・謎ありな作品です。
※小説家になろう、カクヨム、ネオページにも掲載。
友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。
だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった
何故なら、彼は『転生者』だから…
今度は違う切り口からのアプローチ。
追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。
こうご期待。
異世界転移「スキル無!」~授かったユニークスキルは「なし」ではなく触れたモノを「無」に帰す最強スキルだったようです~
夢・風魔
ファンタジー
林間学校の最中に召喚(誘拐?)された鈴村翔は「スキルが無い役立たずはいらない」と金髪縦ロール女に言われ、その場に取り残された。
しかしそのスキル鑑定は間違っていた。スキルが無いのではなく、転移特典で授かったのは『無』というスキルだったのだ。
とにかく生き残るために行動を起こした翔は、モンスターに襲われていた双子のエルフ姉妹を助ける。
エルフの里へと案内された翔は、林間学校で用意したキャンプ用品一式を使って彼らの食生活を改革することに。
スキル『無』で時々無双。双子の美少女エルフや木に宿る幼女精霊に囲まれ、翔の異世界生活冒険譚は始まった。
*小説家になろう・カクヨムでも投稿しております(完結済み
防御力を下げる魔法しか使えなかった俺は勇者パーティから追放されたけど俺の魔法に強制脱衣の追加効果が発現したので世界中で畏怖の対象になりました
かにくくり
ファンタジー
魔法使いクサナギは国王の命により勇者パーティの一員として魔獣討伐の任務を続けていた。
しかし相手の防御力を下げる魔法しか使う事ができないクサナギは仲間達からお荷物扱いをされてパーティから追放されてしまう。
しかし勇者達は今までクサナギの魔法で魔物の防御力が下がっていたおかげで楽に戦えていたという事実に全く気付いていなかった。
勇者パーティが没落していく中、クサナギは追放された地で彼の本当の力を知る新たな仲間を加えて一大勢力を築いていく。
そして防御力を下げるだけだったクサナギの魔法はいつしか次のステップに進化していた。
相手の身に着けている物を強制的に剥ぎ取るという究極の魔法を習得したクサナギの前に立ち向かえる者は誰ひとりいなかった。
※小説家になろうにも掲載しています。
収納魔法を極めた魔術師ですが、勇者パーティを追放されました。ところで俺の追放理由って “どれ” ですか?
木塚麻弥
ファンタジー
収納魔法を活かして勇者パーティーの荷物持ちをしていたケイトはある日、パーティーを追放されてしまった。
追放される理由はよく分からなかった。
彼はパーティーを追放されても文句の言えない理由を無数に抱えていたからだ。
結局どれが本当の追放理由なのかはよく分からなかったが、勇者から追放すると強く言われたのでケイトはそれに従う。
しかし彼は、追放されてもなお仲間たちのことが好きだった。
たった四人で強大な魔王軍に立ち向かおうとするかつての仲間たち。
ケイトは彼らを失いたくなかった。
勇者たちとまた一緒に食事がしたかった。
しばらくひとりで悩んでいたケイトは気づいてしまう。
「追放されたってことは、俺の行動を制限する奴もいないってことだよな?」
これは収納魔法しか使えない魔術師が、仲間のために陰で奮闘する物語。
どうも、命中率0%の最弱村人です 〜隠しダンジョンを周回してたらレベル∞になったので、種族進化して『半神』目指そうと思います〜
サイダーボウイ
ファンタジー
この世界では15歳になって成人を迎えると『天恵の儀式』でジョブを授かる。
〈村人〉のジョブを授かったティムは、勇者一行が訪れるのを待つ村で妹とともに仲良く暮らしていた。
だがちょっとした出来事をきっかけにティムは村から追放を言い渡され、モンスターが棲息する森へと放り出されてしまう。
〈村人〉の固有スキルは【命中率0%】というデメリットしかない最弱スキルのため、ティムはスライムすらまともに倒せない。
危うく死にかけたティムは森の中をさまよっているうちにある隠しダンジョンを発見する。
『【煌世主の意志】を感知しました。EXスキル【オートスキップ】が覚醒します』
いきなり現れたウィンドウに驚きつつもティムは試しに【オートスキップ】を使ってみることに。
すると、いつの間にか自分のレベルが∞になって……。
これは、やがて【種族の支配者(キング・オブ・オーバーロード)】と呼ばれる男が、最弱の村人から最強種族の『半神』へと至り、世界を救ってしまうお話である。
チートスキル【レベル投げ】でレアアイテム大量獲得&スローライフ!?
桜井正宗@オートスキル第1巻発売中
ファンタジー
「アウルム・キルクルスお前は勇者ではない、追放だ!!」
その後、第二勇者・セクンドスが召喚され、彼が魔王を倒した。俺はその日に聖女フルクと出会い、レベル0ながらも【レベル投げ】を習得した。レベル0だから投げても魔力(MP)が減らないし、無限なのだ。
影響するステータスは『運』。
聖女フルクさえいれば運が向上され、俺は幸運に恵まれ、スキルの威力も倍増した。
第二勇者が魔王を倒すとエンディングと共に『EXダンジョン』が出現する。その隙を狙い、フルクと共にダンジョンの所有権をゲット、独占する。ダンジョンのレアアイテムを入手しまくり売却、やがて莫大な富を手に入れ、最強にもなる。
すると、第二勇者がEXダンジョンを返せとやって来る。しかし、先に侵入した者が所有権を持つため譲渡は不可能。第二勇者を拒絶する。
より強くなった俺は元ギルドメンバーや世界の国中から戻ってこいとせがまれるが、もう遅い!!
真の仲間と共にダンジョン攻略スローライフを送る。
【簡単な流れ】
勇者がボコボコにされます→元勇者として活動→聖女と出会います→レベル投げを習得→EXダンジョンゲット→レア装備ゲットしまくり→元パーティざまぁ
【原題】
『お前は勇者ではないとギルドを追放され、第二勇者が魔王を倒しエンディングの最中レベル0の俺は出現したEXダンジョンを独占~【レベル投げ】でレアアイテム大量獲得~戻って来いと言われても、もう遅いんだが』