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071 星の歴史その一
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風の精霊、改め、サラちゃんは呼んでも出てこなくなってしまった。
ディーネ曰く、『部屋の隅で小さくなっている』との事なので、時が解決するだろう。
わたしはアキムに夕食を用意していただいた。
あの毒・・・苦い薬草茶の事もあったので、夕食も個性的な味かと身構えていたが、とても美味しい食事だった。
夕食をとりながら、わたしはアキムに召喚されてから現在に至るまでの話と、ニューロック建国の話をした。
わたしの話を聞いて、アキムは『やはりな』と、何か一人で納得していた。
ちなみに、わたしは夕食後にまた薬草茶を飲まされ、もがき苦しんだ。
油断していたわ・・・
美味しかった夕食の味は上書きされてしまった。
◇
「ユリ。お前の質問に答えようと思う。答えられなかった例の質問だ」
夕食後の薬草茶タイムを終え、わたしの喉が落ち着きを取り戻したのを見て、アキムがそう言った。
「でも、制約のせいで話せないって言いましたよね?」
「制約について、お前は例外だった事があっただろう?」
「あっ!」
つまり『この星の人間にはダメ』という条件だ。
「おそらく『ユリにだけ』であれば話せるのではないかと思っていたが、夕食の時にお前から聞いた話で、さらに確信を持つ事ができた」
万が一制約に引っかかっても、言葉にできないというか『答えられない』という回答にすり替わるだけらしいので、命に関わるような事は無いらしい。
「順番は変わるが、まず、なぜこの星が作られたのかについて説明する」
かつて、ある星で暮らしていた人々がいた。
今の星と同じく、魔力、魔石、魔道具よる文化が発達し、精霊の力も支配して自由に行使していたという。
また、その星には階級制度があり、王族と、魔力の高い人間が支配階級として君臨し、魔力の弱い人間を奴隷のように扱っていたそうだ。
星自体はあまり資源がない上、環境も良いとはいえない星だったが、支配階級の人間が奴隷を使役して資源を食い潰し、『支配階級の視点』では、平和で豊かな星だった。
ある時、星に大きな異変が生じ、数年以内に爆発するという見解が出された。
そのため、支配階級の者達は星の移住を検討したが、星の爆発という事態を目の当たりにしたため、移住したとしてもいずれ星には寿命が来るという事を忌避する風潮が、そして、今の貧相な星よりも他の安定した星を模倣した方が良いのでは、という意見が大半を占めた。
そこで、自分達の魔力と精霊の力を利用して、『精霊の力で維持できる星を作る』、『他の安定した星を模倣する』という構想の元、計画は進められた。
ただし、このことを知るのは『王族と支配階級の人間』だけだった。
まず、模倣する星の探索が行われた。
人が住める環境で、それなりの文明を持つ星を探すための魔道具を作成し、連日魔術を行使した。魔道具は極めて高度で、別次元の世界も探索する事ができた。
ただし、その魔道具の実行にはそれに見合う魔力量が必要で、幾人もの魔道師が命を落としたという。
そして多くの犠牲の結果、異世界に一つの星を発見した。
「それがユリの星だ。星の情報を得るために、再び別の大魔術を行使して星との間に魔力で経路を結び、陸地や海の地形情報を集めた。文明が発達している星と同じ形にすれば、我々も同じように発展できると考えたのであろう。馬鹿な話だ」
確かに、地形を真似た程度で同じように文明が発展するとは限らないだろう。
そもそも地球は魔力文化じゃないし。
だが、当時の人はそれくらい切羽詰まった思いだったのだろう。
おまけに、地形の模倣と言っても、ほぼ輪郭だけだったらしい。
どうりで山が無かったり、エアーズロックが無かったりしたわけだ。
ものすごい中途半端な模倣だ。
「ひとまず模倣する星は見つかった。次は、星を作る事になった」
星を配置する場所は、現在の星と同じ星系。
現在の星が消えた時には、同じ場所に置き換わるような魔術も組み込まれたそうだ。
まず、現在の星の精霊から、精霊の分身体を作り、新しい星に配置できるように準備した。
同時に精霊を手軽に使役するための魔術具も作っておいた。
歴代の王が使ってきた使役の魔道具だ。
新しい星は、精霊が星に生命力を与える事で、未来永劫、星が存続するように設計された。
「なんか、精霊ってすごい万能な感じですけど、正体というか、『エネルギー』、つまり活力の素ってなんなのですか?」
「儂は精霊について詳しいことはわからない。この星の、さらに外側からやってきた叡智とも言われている」
謎の宇宙エネルギーみたいなものか。
そういうものだと思っておこう。
それを捕まえて有効利用した昔の人って本当にすごいんだな。
アキムが話を続ける。
「しかし、星の形成の段階で、問題が生じた」
わたしの星、つまり地球のサイズで星の形成を行うためには、魔道師を総動員しても魔力が足りず、また、精霊の力ではカバーできない大きさだった事も判明したという。
そのため、星は縮小して作る事になり、結果として、星の大きさだけは、元の星と同じ大きさにする事になった。
かくして、無事に、精霊の力で未来永劫存続できる星は形成された。
「あー、だから地球のミニサイズなんですね。納得しました」
「星の成り立ちとしては以上だ。次に、ユリが帰れるかどうかだが、結論としては『おそらく帰れる』だ」
「本当ですか!」
可能性があるだけでも十分だよ!
「そのために、ユリの星で行った調査について話そう」
地球を発見した時に、地球の人間の情報も得ようと考えた。
そこで現地に人を送り込む事にした。
最初に地球を発見した時に結んだ魔力の経路を利用して人の行き来ができるようにするための魔道具を作成した。
人を送り出す魔道具と、呼び寄せるための魔道具だ。
そして、実際に人を送り込み、多少非道な事も行ったようだが、地球の人間の様子を伺うことはできたという。
時には地球人を連れ帰った事もあったそうだ。
「どの時代のどこに行ったのかは知りませんけど、神隠し的なものはあなた方のせいかもしれませんね」
「あまり他の星に迷惑をかけるのも良くないと考えたのだろう。こちらが殺された事もあったようで、探索は中止となった。もともと必要な調査ではなかった事だ。さて、今の話とお前の現状をすり合わせて、気がついたことはあるかね?」
神隠しの原因の一端となった可能性は、その魔道具で人が行き来したせいだ。
つまり・・・
「・・・その魔道具で、わたしは召喚された。地球と繋がっている特定地点は、わたしが召喚された場所、という事ですか」
「正解だ」
あの旅館のあの倉庫に経路が繋がっていたとは!
旅館の人もびっくりだろう。
何百年も前は何もなかった場所かもしれないけど、その後、その場所に旅館が建てられたということか。
この星とパスがつながっているその場所は、今はほとんど使われていない旅館の倉庫の中。
埃が積もって、普段は人の出入りも全然無いような場所だ。
その場所に向かって、バルゴが召喚の魔道具で、誰かが釣れるまで頑張っていたら、わたしが釣れたと。
そんな感じかな。
「バルゴの持っている召喚の魔道具を使えば、わたしは元の世界に帰れるのですか?」
「あれは召喚専用だ。送還の魔道具が必要だ。そして送還の魔道具は失われている」
くそっ、無いのかよ!
「失われているが、完全に無いとは言っていない。作る事は難しいが、破棄したはずの召喚の魔道具のように、バルゴが秘匿している可能性もある」
なるほど、そういうことか。
無くなっていなければいいなー。
「一応、召喚の魔道具は使えないように封じ込めておいた。召喚の魔道具が使われると反応する魔道具があると言ったろう?あれには勝手に魔道具を使われないようにするための遠隔制御機能が付いているのだよ」
「なんだか色々と用意周到ですね。召喚の魔道具を破棄しようとしていたり、安全装置までつけたり」
アキムはわたしを見て『なぜ分からんのか』とつぶやいた。
「よいか。召喚の魔道具で人を呼び、送還の魔道具で異世界に行けるということは、労働力や実験体としてよその人間を連れてきたり、攻め込んで征服する事も可能だ。逆に召喚した異星人によってこちらが滅ぼされぬとも限らない」
アキムは一度言葉を切り、少し天井方向を見上げた。
昔を思い出しているかのようだ。
「よって、この星の初代国王は異世界召喚と送還の魔道具の破棄を命じた。さらに異世界があるという事も秘匿する事にした。この星の人間に、この星の成り立ちの真実を儂が語れないのはそのためだ。既に知られてしまった事には、口に蓋をする事はできないがな」
なるほど、背景はわかった。
しかし、この星の人達は他の星から転移して来た訳だし、昔語りの逸話や、歴史に残っていてもよさそうなものだ。
その事についてざっくり質問してみた。
「疑問はもっともだ。多少は真偽不明の昔話として伝わっている事もあるがな」
アキムは天井に向けていた目をわたしに戻す。
「次は、この星ができてからの事を話そう」
ディーネ曰く、『部屋の隅で小さくなっている』との事なので、時が解決するだろう。
わたしはアキムに夕食を用意していただいた。
あの毒・・・苦い薬草茶の事もあったので、夕食も個性的な味かと身構えていたが、とても美味しい食事だった。
夕食をとりながら、わたしはアキムに召喚されてから現在に至るまでの話と、ニューロック建国の話をした。
わたしの話を聞いて、アキムは『やはりな』と、何か一人で納得していた。
ちなみに、わたしは夕食後にまた薬草茶を飲まされ、もがき苦しんだ。
油断していたわ・・・
美味しかった夕食の味は上書きされてしまった。
◇
「ユリ。お前の質問に答えようと思う。答えられなかった例の質問だ」
夕食後の薬草茶タイムを終え、わたしの喉が落ち着きを取り戻したのを見て、アキムがそう言った。
「でも、制約のせいで話せないって言いましたよね?」
「制約について、お前は例外だった事があっただろう?」
「あっ!」
つまり『この星の人間にはダメ』という条件だ。
「おそらく『ユリにだけ』であれば話せるのではないかと思っていたが、夕食の時にお前から聞いた話で、さらに確信を持つ事ができた」
万が一制約に引っかかっても、言葉にできないというか『答えられない』という回答にすり替わるだけらしいので、命に関わるような事は無いらしい。
「順番は変わるが、まず、なぜこの星が作られたのかについて説明する」
かつて、ある星で暮らしていた人々がいた。
今の星と同じく、魔力、魔石、魔道具よる文化が発達し、精霊の力も支配して自由に行使していたという。
また、その星には階級制度があり、王族と、魔力の高い人間が支配階級として君臨し、魔力の弱い人間を奴隷のように扱っていたそうだ。
星自体はあまり資源がない上、環境も良いとはいえない星だったが、支配階級の人間が奴隷を使役して資源を食い潰し、『支配階級の視点』では、平和で豊かな星だった。
ある時、星に大きな異変が生じ、数年以内に爆発するという見解が出された。
そのため、支配階級の者達は星の移住を検討したが、星の爆発という事態を目の当たりにしたため、移住したとしてもいずれ星には寿命が来るという事を忌避する風潮が、そして、今の貧相な星よりも他の安定した星を模倣した方が良いのでは、という意見が大半を占めた。
そこで、自分達の魔力と精霊の力を利用して、『精霊の力で維持できる星を作る』、『他の安定した星を模倣する』という構想の元、計画は進められた。
ただし、このことを知るのは『王族と支配階級の人間』だけだった。
まず、模倣する星の探索が行われた。
人が住める環境で、それなりの文明を持つ星を探すための魔道具を作成し、連日魔術を行使した。魔道具は極めて高度で、別次元の世界も探索する事ができた。
ただし、その魔道具の実行にはそれに見合う魔力量が必要で、幾人もの魔道師が命を落としたという。
そして多くの犠牲の結果、異世界に一つの星を発見した。
「それがユリの星だ。星の情報を得るために、再び別の大魔術を行使して星との間に魔力で経路を結び、陸地や海の地形情報を集めた。文明が発達している星と同じ形にすれば、我々も同じように発展できると考えたのであろう。馬鹿な話だ」
確かに、地形を真似た程度で同じように文明が発展するとは限らないだろう。
そもそも地球は魔力文化じゃないし。
だが、当時の人はそれくらい切羽詰まった思いだったのだろう。
おまけに、地形の模倣と言っても、ほぼ輪郭だけだったらしい。
どうりで山が無かったり、エアーズロックが無かったりしたわけだ。
ものすごい中途半端な模倣だ。
「ひとまず模倣する星は見つかった。次は、星を作る事になった」
星を配置する場所は、現在の星と同じ星系。
現在の星が消えた時には、同じ場所に置き換わるような魔術も組み込まれたそうだ。
まず、現在の星の精霊から、精霊の分身体を作り、新しい星に配置できるように準備した。
同時に精霊を手軽に使役するための魔術具も作っておいた。
歴代の王が使ってきた使役の魔道具だ。
新しい星は、精霊が星に生命力を与える事で、未来永劫、星が存続するように設計された。
「なんか、精霊ってすごい万能な感じですけど、正体というか、『エネルギー』、つまり活力の素ってなんなのですか?」
「儂は精霊について詳しいことはわからない。この星の、さらに外側からやってきた叡智とも言われている」
謎の宇宙エネルギーみたいなものか。
そういうものだと思っておこう。
それを捕まえて有効利用した昔の人って本当にすごいんだな。
アキムが話を続ける。
「しかし、星の形成の段階で、問題が生じた」
わたしの星、つまり地球のサイズで星の形成を行うためには、魔道師を総動員しても魔力が足りず、また、精霊の力ではカバーできない大きさだった事も判明したという。
そのため、星は縮小して作る事になり、結果として、星の大きさだけは、元の星と同じ大きさにする事になった。
かくして、無事に、精霊の力で未来永劫存続できる星は形成された。
「あー、だから地球のミニサイズなんですね。納得しました」
「星の成り立ちとしては以上だ。次に、ユリが帰れるかどうかだが、結論としては『おそらく帰れる』だ」
「本当ですか!」
可能性があるだけでも十分だよ!
「そのために、ユリの星で行った調査について話そう」
地球を発見した時に、地球の人間の情報も得ようと考えた。
そこで現地に人を送り込む事にした。
最初に地球を発見した時に結んだ魔力の経路を利用して人の行き来ができるようにするための魔道具を作成した。
人を送り出す魔道具と、呼び寄せるための魔道具だ。
そして、実際に人を送り込み、多少非道な事も行ったようだが、地球の人間の様子を伺うことはできたという。
時には地球人を連れ帰った事もあったそうだ。
「どの時代のどこに行ったのかは知りませんけど、神隠し的なものはあなた方のせいかもしれませんね」
「あまり他の星に迷惑をかけるのも良くないと考えたのだろう。こちらが殺された事もあったようで、探索は中止となった。もともと必要な調査ではなかった事だ。さて、今の話とお前の現状をすり合わせて、気がついたことはあるかね?」
神隠しの原因の一端となった可能性は、その魔道具で人が行き来したせいだ。
つまり・・・
「・・・その魔道具で、わたしは召喚された。地球と繋がっている特定地点は、わたしが召喚された場所、という事ですか」
「正解だ」
あの旅館のあの倉庫に経路が繋がっていたとは!
旅館の人もびっくりだろう。
何百年も前は何もなかった場所かもしれないけど、その後、その場所に旅館が建てられたということか。
この星とパスがつながっているその場所は、今はほとんど使われていない旅館の倉庫の中。
埃が積もって、普段は人の出入りも全然無いような場所だ。
その場所に向かって、バルゴが召喚の魔道具で、誰かが釣れるまで頑張っていたら、わたしが釣れたと。
そんな感じかな。
「バルゴの持っている召喚の魔道具を使えば、わたしは元の世界に帰れるのですか?」
「あれは召喚専用だ。送還の魔道具が必要だ。そして送還の魔道具は失われている」
くそっ、無いのかよ!
「失われているが、完全に無いとは言っていない。作る事は難しいが、破棄したはずの召喚の魔道具のように、バルゴが秘匿している可能性もある」
なるほど、そういうことか。
無くなっていなければいいなー。
「一応、召喚の魔道具は使えないように封じ込めておいた。召喚の魔道具が使われると反応する魔道具があると言ったろう?あれには勝手に魔道具を使われないようにするための遠隔制御機能が付いているのだよ」
「なんだか色々と用意周到ですね。召喚の魔道具を破棄しようとしていたり、安全装置までつけたり」
アキムはわたしを見て『なぜ分からんのか』とつぶやいた。
「よいか。召喚の魔道具で人を呼び、送還の魔道具で異世界に行けるということは、労働力や実験体としてよその人間を連れてきたり、攻め込んで征服する事も可能だ。逆に召喚した異星人によってこちらが滅ぼされぬとも限らない」
アキムは一度言葉を切り、少し天井方向を見上げた。
昔を思い出しているかのようだ。
「よって、この星の初代国王は異世界召喚と送還の魔道具の破棄を命じた。さらに異世界があるという事も秘匿する事にした。この星の人間に、この星の成り立ちの真実を儂が語れないのはそのためだ。既に知られてしまった事には、口に蓋をする事はできないがな」
なるほど、背景はわかった。
しかし、この星の人達は他の星から転移して来た訳だし、昔語りの逸話や、歴史に残っていてもよさそうなものだ。
その事についてざっくり質問してみた。
「疑問はもっともだ。多少は真偽不明の昔話として伝わっている事もあるがな」
アキムは天井に向けていた目をわたしに戻す。
「次は、この星ができてからの事を話そう」
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