上 下
60 / 98

58

しおりを挟む
店の外に出るとダムとディーが謝って来た。

「お兄ちゃん、、、私達のせいで、いっぱいお金使わせてちゃって、、、
ごめんなさい。」

「何を謝ってんだ?
別に、お前達が謝る事じやねーし。
俺がやりたくてやった事だ!!!
気にするな。」

「そうね。貴方達は何も気にしなくていいわよ。」

「でも、、、」

「気にすんなって!
お兄ちゃんって呼んでんだから、、、
お前達は今日から俺の妹だ!!
妹がお兄ちゃんに、気を使うな!!!
だから、お兄ちゃんが大変な時は手を貸してくれな。」

「うん。分かった!!!」

2人はとても笑顔になった。

「リオン、、、妹と言うなら奴隷首輪ぐらい外してあげたら。」

「あ!忘れてた。
ちょっと来い!外してやるから。」

「だめー!!!」

リオンとチェシャは少し驚いた!

「どうした?」
「どうしたの?」

「これは絶対!外しちゃダメだと教わったの!!!
私達は奴隷だから、、、これを外したら分かんなくなっちゃうから。」

「お前達は人間だ!!!」

「でも、、、お父さんもお母さんも奴隷だったから。」

「違う。お前達は人間だ!!!
俺とお前達は何も変わらない。
外したら分からなくなる。って事が
人間って事なんだよ。」

リオンは膝をつき今にも泣き出しそうな2人に話しかける。

「違う!全然!!違うよ!!!
私達とお兄ちゃんは同じじゃない!!!」

「そうだな、、、ダム、ディー聞いてくれ!
お兄ちゃんはこの国に初めて来た時に
悪い奴に捕まり、奴隷の首輪を嵌められそうになったんだ!!!」

「!!!」
2人は驚いていた!!!

「そうなの!」

「あぁ、だから、、、
その時、お兄ちゃんも奴隷の首輪を付けられてたら
お前達と変わらないんだ。」

「ぅん、、、」

2人は大人しく首輪を外させた。

「私達、、、逃げちゃうかもしれないよ!」

「逃げたければ、、、逃げれば良い。
お前達は人間だ!!!好きに生きれば良い。」

「ダム、、、私、お兄ちゃんと一緒に居たい。」

「私もそうよ!!!」

2人は小さな声で話した。
するとリオンがちょっと待て!!!

「ちょっと待て!!!自由にする前にやる事が一つある、、、」

自由にするとは言っていたが、、、
本当の自由は無いのだと思い。
2人がリオンを信じた分!落ち込み絶望した。

「やっぱり、私達は奴隷なのね。」
小さな声で、ダムがつぶやいた、、、。

リオンは2人の手を掴むと走り出す。
しおりを挟む

処理中です...