「俺の親友がモテ男で俺はその親友で」

晴樹

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第3話 そして俺は今日も親友と部室で出会う

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ガラガラガラッ!
と部室のドアが開く。

その音を聞いて、部室内にいた俺たち四人はドアの方に目を向けた。
そこに立っていたのは、俺の親友でこの部活の存在理由である葛葉学人(くずのはがくと)だった。
この部室にいた女の子全員が、その姿を見て恋する乙女のような顔をしていた。
俺は思った、モテる男はやっぱり違うな~と。なのに学人はその部室内に俺の姿があることを確認すると、いの一番に俺の元にやってきて、俺の横の席に座った。
なぜそこに座るんだ、学人!そのせいで睨まれえてるじゃないか!!全く、俺の身も考えて行動しろよな。
という学人への文句も学人には通じなかった。
まぁ、口に出してないから仕方ないが。
俺のことは気にせずに学人は俺に話しかけてきた。

「いつも悪いなぁ~、この部活もお前に任せっきりでよ」
「いや、この部活は特にやることないだろ。ただ学人がいない間はこの部室にいるだけの部活だろ?」
「まぁ、そうだな。この空き教室を使わせてもらってるだけだったな」
「あぁ、学人お前の副会長という権力を使って作った部活だしな」

となんだかどうでもいい話をしていたら、そこに新たな訪問者が現れた。
どうせ、また学人に惚れてる女だろ。と考えながらそれでもドアの方に意識を向ける。

「お、揃ってんじゃん珍しい」

と言いながら入ってきたのは、この部活の顧問である田中先生だった。
この人は、女でありながら学人に惚れていない珍しい人なのだ。
まぁ、こんな意味のわからない部活の顧問をやっていることを考えると普通の先生ではない気がする…

「先生何しに来たんですか?」

と俺は聞いた。聞いてもどうせ…

「決まってるだろ、この部活の顧問なんだから、少し様子を見に来たんじゃないの」
「そうですか、ではおかえりください」

と普通の先生にはこんな失礼なことは言えないのだが、田中先生にはいっても大丈夫なのだ。
なぜなら

「あぁ、お前たちが帰るまでいてやつから、帰る時になったら、奥にいる私を起こしてくれ」
「寝る気満々じゃないですか!」
「当たり前だ、そうでなかったらこんな部活の顧問になるわけないだろ」
「……」

とまぁこんな先生なのだ。だから大体のことは聞き流してくれる。
田中先生は俺たちのことを気にせずにそのまま部室の奥の物置部屋に向かっていった。
俺たちは何事もなかったかのようにいつも通り会話を再開した。

この部室はそのためにあるのだから。



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