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第19話 特訓開始 VSヴェロニカ
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「着いたぞ、勇者!」
そう言って、連れてこられた場所は広く開けた広場だった。
「ここで何すんだ?」
僕は素朴な質問を返す。
「見てわからんのか。特訓するんだ。だから、ここに来た」
「そうか…だったらなぜ…」
僕は周りを見る。そこには女の子達が集まっていた。女の子達はお喋りをしたりしているので、うるさかった。
「おい、静かにしろ! 今から模擬戦を始めるぞ!」
「「はい!」」
女騎士が言ったことに対して、女の子たちは素直な返事をした。ガヤガヤしていた女の子達は一瞬で静かになった。
しかし、それよりも気になったのは、女騎士の発言である。さっき模擬戦を始めるとか言ってたような…
「まず、そうだな…ヴェロニカ! 前に来い」
「はい!」
女騎士はある女の子を前に呼びだした。
その子には、見覚えがあった。
さきほど、僕に勇者殺しの話しをしてくれた子だ。
「じゃあ、勇者」
「なんだ?」
「ヴェロニカと模擬戦をしろ」
「はい?」
「さっさと行け!」
聞き返してやろうと考えていたが、それは叶わなかった。
仕方なく、言われるがまま歩みを進める。
そして、ヴェロニカの前に立った。
「よ!」
先程、話をした仲だったので挨拶をした。
すると、ヴェロニカは急に嫌な顔をし始め、そしてこう言った。
「私はお前が嫌いだ!」
まさかの嫌い発言が出てきてビックリしてしまう。さっき話しをしてくれたのに、嫌われていたとは思わなかった。そんな素振り一切なかったのに。
僕はその理由を聞かずにはいられなかった。
「どうして、嫌いなんだ? さっきは普通に会話してたじゃないか」
「さっきは、たまたま。でも、私はあなたが嫌い」
「だから、どうしてだよ!」
「自分に聞いてみれば?」
僕は言われるがままに自分に聞いてみる。
「なぁ、どうして嫌われていると思う?」
僕は自分自身に問いかける。
「分からない」
自分自身から帰ってきた答えは、僕の考えと同じものだった。
…だよな。当たり前だよな。だって、自分に自分が聞いても中身は一緒だもんな…
無駄な時間を使ってしまった。
「悪い、分からなかった」
「…」
その顔は呆れてものが言えないと言った顔だった。
自分が自分に聞けと言うから聞いたのに、呆れるとはどういう神経してんだ、この女の子は!
そして、答えてくれないし…
「じゃあ、始めるぞ。2人とも準備はいいか!」
そのかけ声と同時に、木でできた剣の形をしたものが渡される。どうやら、これでやるらしい。でも、それはすごく硬かった。これは当たるだけで、アザや最悪骨を折ってしまう事態になりかねない代物だった。
気を引き締めた方が良さそうだ。
「では、始め!」
女騎士の開始の合図は急だった。そのため全く、準備が出来ていなかった。特に心の準備が。
だが、ヴェロニカは僕と違い、既に準備が出来ていたのだろう。女騎士の開始の合図とほぼ同時に僕の方にかけていた。ものの数秒で間合いが詰め寄られる。これは非常にマズかった。ヴェロニカは間合いを詰めると、手に持っていた木剣を斜め左下から勢いよく振り上げた。僕は反射的に、手に持っていた木剣を構えて、何とかぶつける。その衝撃は凄まじく、手が痺れる程だった。
「くっ…」
と声が漏れる。
だが、それでヴェロニカの攻撃が終わった訳ではなく、すぐさま次の攻撃が放たれる。
それも構えていた木剣を少し動かして、防ぐ。また手に衝撃がくる。これで分かることは、ヴェロニカは本気で打ち込んできていることと、その攻撃は凄まじいと言うことだった。それに加えて、攻撃が速い。捌くことで精一杯。容赦ない攻撃は僕に防御をさせること以外何もさせてもらえなかった。
「ふっ、この程度? 勇者の癖に」
ヴェロニカは攻撃をしながら、僕を煽る。その顔はニヤリとして、勝利を確信している強気な顔だった。
だが、僕はこの挑発に一切乗るつもりはなかった。なぜなら、年下の女の子にこんな硬い木剣で攻撃することなど出来なかったからだ。挑発に乗っても、攻撃出来ないのであれば全く意味が無い。それに攻撃出来ないとなった時点で僕に勝ち目はなかった。
そう言って、連れてこられた場所は広く開けた広場だった。
「ここで何すんだ?」
僕は素朴な質問を返す。
「見てわからんのか。特訓するんだ。だから、ここに来た」
「そうか…だったらなぜ…」
僕は周りを見る。そこには女の子達が集まっていた。女の子達はお喋りをしたりしているので、うるさかった。
「おい、静かにしろ! 今から模擬戦を始めるぞ!」
「「はい!」」
女騎士が言ったことに対して、女の子たちは素直な返事をした。ガヤガヤしていた女の子達は一瞬で静かになった。
しかし、それよりも気になったのは、女騎士の発言である。さっき模擬戦を始めるとか言ってたような…
「まず、そうだな…ヴェロニカ! 前に来い」
「はい!」
女騎士はある女の子を前に呼びだした。
その子には、見覚えがあった。
さきほど、僕に勇者殺しの話しをしてくれた子だ。
「じゃあ、勇者」
「なんだ?」
「ヴェロニカと模擬戦をしろ」
「はい?」
「さっさと行け!」
聞き返してやろうと考えていたが、それは叶わなかった。
仕方なく、言われるがまま歩みを進める。
そして、ヴェロニカの前に立った。
「よ!」
先程、話をした仲だったので挨拶をした。
すると、ヴェロニカは急に嫌な顔をし始め、そしてこう言った。
「私はお前が嫌いだ!」
まさかの嫌い発言が出てきてビックリしてしまう。さっき話しをしてくれたのに、嫌われていたとは思わなかった。そんな素振り一切なかったのに。
僕はその理由を聞かずにはいられなかった。
「どうして、嫌いなんだ? さっきは普通に会話してたじゃないか」
「さっきは、たまたま。でも、私はあなたが嫌い」
「だから、どうしてだよ!」
「自分に聞いてみれば?」
僕は言われるがままに自分に聞いてみる。
「なぁ、どうして嫌われていると思う?」
僕は自分自身に問いかける。
「分からない」
自分自身から帰ってきた答えは、僕の考えと同じものだった。
…だよな。当たり前だよな。だって、自分に自分が聞いても中身は一緒だもんな…
無駄な時間を使ってしまった。
「悪い、分からなかった」
「…」
その顔は呆れてものが言えないと言った顔だった。
自分が自分に聞けと言うから聞いたのに、呆れるとはどういう神経してんだ、この女の子は!
そして、答えてくれないし…
「じゃあ、始めるぞ。2人とも準備はいいか!」
そのかけ声と同時に、木でできた剣の形をしたものが渡される。どうやら、これでやるらしい。でも、それはすごく硬かった。これは当たるだけで、アザや最悪骨を折ってしまう事態になりかねない代物だった。
気を引き締めた方が良さそうだ。
「では、始め!」
女騎士の開始の合図は急だった。そのため全く、準備が出来ていなかった。特に心の準備が。
だが、ヴェロニカは僕と違い、既に準備が出来ていたのだろう。女騎士の開始の合図とほぼ同時に僕の方にかけていた。ものの数秒で間合いが詰め寄られる。これは非常にマズかった。ヴェロニカは間合いを詰めると、手に持っていた木剣を斜め左下から勢いよく振り上げた。僕は反射的に、手に持っていた木剣を構えて、何とかぶつける。その衝撃は凄まじく、手が痺れる程だった。
「くっ…」
と声が漏れる。
だが、それでヴェロニカの攻撃が終わった訳ではなく、すぐさま次の攻撃が放たれる。
それも構えていた木剣を少し動かして、防ぐ。また手に衝撃がくる。これで分かることは、ヴェロニカは本気で打ち込んできていることと、その攻撃は凄まじいと言うことだった。それに加えて、攻撃が速い。捌くことで精一杯。容赦ない攻撃は僕に防御をさせること以外何もさせてもらえなかった。
「ふっ、この程度? 勇者の癖に」
ヴェロニカは攻撃をしながら、僕を煽る。その顔はニヤリとして、勝利を確信している強気な顔だった。
だが、僕はこの挑発に一切乗るつもりはなかった。なぜなら、年下の女の子にこんな硬い木剣で攻撃することなど出来なかったからだ。挑発に乗っても、攻撃出来ないのであれば全く意味が無い。それに攻撃出来ないとなった時点で僕に勝ち目はなかった。
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