「バカな男子高校生が女子校に入学しました!」

晴樹

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第三十一話 助けてみさえもん

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「助けて~、みさえもーん!」
と僕はそう言って、みさきに泣きついた。
「誰が、みさえもんだ! てか、抱きつくな!」
とみさきはいう。
ハッとして僕はみさきから離れる。
いかんいかん。このままでは、セクハラで訴えられてしまう。
そして我に返った僕は、
「ゴホンッ。では、本題に入ろうか」
「どうした?急に真面目になりやがって、忙しいやつだな!」
「そんなことより!私の相談にのってくれー。てか、教えてくれ~」
僕はみさきにまた泣きついた。
だが、今回は抱きついてはいないぞ!
泣いているだけだ。
まったくかっこよくないが…
「ど、どうしたんだ?」
とみさきは優しいので僕の話を聞いてくれそうだ。
「実は、真城さんに…無視されるんだ」
「…あ~、そんな事か」
そんな事だと!
男が女の子に無視されるのが、どんなにツライか知らないからそんなことが言えるんだ。
「そんな事って、どうしてそんな軽く言えるんだ」
「何怒ってるか知らねーけど、わたしからすると、みゆきがあんたと仲良くしてた時の方が不思議だったぜ?」
「どういうこと?」
と僕はみさきに問いかける。
みさきの言っていることがよく分からなかったからだ。
「だって、みゆきは……人間恐怖症だからな…」
…人間恐怖症?
その言葉を聞いても僕には、ピンッとこなかった。
意味がわからない訳では無いのだけれど、真城さんと話していてそうは思えなかったからだ。
「ほんとなのそれ?」
と僕は聞いた。
すると、みゆきは少し考えて
「まぁ、そこまで重症ではないと思うけど。昔から私以外とは話さしている所は見たことなかったし、昔自分で言ってたから私はそうなんだと思ってる」
と答えてくれた。
「でも、私とは最初話してくれてたし、その時だって、そうは思えなかったけどな」
そうなのだ。人間恐怖症だったら、僕と話しているのはおかしいはずだ。
「それは、わたしも驚いたよ。みゆきは、あんたと楽しそうに話していたんだからな。たぶん、あんたの事は恐怖するには値しなかったんじゃねえか!」
恐怖するに値しない存在と言うのは喜んでいいのか分からないな。
「なら、どうして今は無視するんだ?」
「はあ、分からねぇけど、あれなんじゃねぇか?みゆきの中であんたの事を恐怖するに値する存在になっちまったんじゃねぇか」
「どうして?」
「知らねぇよ、そんなの本人に聞けよ!!」
「本人に聞けるなら聞きたいよ!でも、無視されてて、話すらできないんだよ!」
とついつい怒り気味で言ってしまう。
みさきも分かったようで
「ごめんごめん、そんなに怒んなくてもいいじゃん…て、まぁ、あんたも相当困っているようだし、しゃあないから、わたしから聞いといてやるよ!」
なんだ、優しいな。
今の僕にはこんな小さな優しさも、すごくありがたい。
「では、頼む」
「しゃあないから、頼まれてやるよ!」
今はみさきに負けせるしかなさそうだ。
頼んだぞ!と心の中で言うのだった。
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