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第三十五話 電車の中で…
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「ねぇ、君はどこに行こうとしているの?」
「え!?えっと…」
突然の事で、真城さんは戸惑っていた。
知らない男から突然話しかけられれば誰だってそうなるだろう。
「もしかして、水族館?」
「え、どうして分かったんですか!」
と驚いている。
「実は、僕も行くところなんだよ。水族館に」
「そうだったんですか…」
「うん」
まさか、真城さんも、水族館に向かっているとは思わなかった。
「でも、どうして水族館に?最近だと、動物園の方が人気みたいだし、水族館行くのは珍しいね」
「そうですか?私はあまり人の多いところが得意ではないし、それに、私、水族館が好きなんです」
と真城さんらしい回答だと思った。
でも、意外だったな。まさか、真城さんも水族館が好きだったとは。次会ったら、この話題をして見るのもいいかもしれない。
「実は、僕も好きでね。君はよく行くの?」
「いえ、たまにです。ええ、めったに行きません。遠いですし、お金もそこそこかかってしまうので…」
僕と同じ理由ではないか!
こうも、偶然が続くと運命を感じてしまう。もしかしたら、水族館に行く理由も一緒だったりして…なんてね。
「分かる。僕もなんだ。実は最近辛いことがあって、ちょっと癒されに行く所なんだ」
「そうなんですね…」
「もしかして、君も?」
「いえ、私は違います」
と真城さんは真顔で答えた。
ですよねー。
そこまで上手くはいかないか。
「……」
と話すことがなくなってしまった…
「ふふっ」
と突然、真城さんが笑った。
「どうしたの?なにかおかしなことあった?」
と僕が聞くと、
「いえ、あなたが私の友達に似てるなと思って…私は、人見知りなので、初めての人と話すのは苦手なんですが、似てるから話しやすくて…」
「そうなんだ。その友達っていうのは、男の子なの?」
「いえ、その子は…なんです」
ん?よく聞こえなかったぞ。
たぶん、女の子って言ったと思うが…だって、真城さんの友達と言ったら、僕かみさきくらいだろうからな。
「そうなんだね。その子とは、仲いいんだね!」
「はい…でも、今はケンカしていて…最近はろくに会話もしていません」
ケンカ?僕…いや、みさきともケンカ?みたいになってるんだったな。
これじゃ、どっちかわからない。
「どうして、ケンカしたの?」
「それは…私のことを騙していたからです」
騙していた。
僕はその言葉を聞いて、たぶんその子は僕だと確信した。
でも、真城さんを騙したことなんか…
あったような、無かったような…
と考えていたら、電車が止まった。
僕たちの目的地に着いたようだ。
「え!?えっと…」
突然の事で、真城さんは戸惑っていた。
知らない男から突然話しかけられれば誰だってそうなるだろう。
「もしかして、水族館?」
「え、どうして分かったんですか!」
と驚いている。
「実は、僕も行くところなんだよ。水族館に」
「そうだったんですか…」
「うん」
まさか、真城さんも、水族館に向かっているとは思わなかった。
「でも、どうして水族館に?最近だと、動物園の方が人気みたいだし、水族館行くのは珍しいね」
「そうですか?私はあまり人の多いところが得意ではないし、それに、私、水族館が好きなんです」
と真城さんらしい回答だと思った。
でも、意外だったな。まさか、真城さんも水族館が好きだったとは。次会ったら、この話題をして見るのもいいかもしれない。
「実は、僕も好きでね。君はよく行くの?」
「いえ、たまにです。ええ、めったに行きません。遠いですし、お金もそこそこかかってしまうので…」
僕と同じ理由ではないか!
こうも、偶然が続くと運命を感じてしまう。もしかしたら、水族館に行く理由も一緒だったりして…なんてね。
「分かる。僕もなんだ。実は最近辛いことがあって、ちょっと癒されに行く所なんだ」
「そうなんですね…」
「もしかして、君も?」
「いえ、私は違います」
と真城さんは真顔で答えた。
ですよねー。
そこまで上手くはいかないか。
「……」
と話すことがなくなってしまった…
「ふふっ」
と突然、真城さんが笑った。
「どうしたの?なにかおかしなことあった?」
と僕が聞くと、
「いえ、あなたが私の友達に似てるなと思って…私は、人見知りなので、初めての人と話すのは苦手なんですが、似てるから話しやすくて…」
「そうなんだ。その友達っていうのは、男の子なの?」
「いえ、その子は…なんです」
ん?よく聞こえなかったぞ。
たぶん、女の子って言ったと思うが…だって、真城さんの友達と言ったら、僕かみさきくらいだろうからな。
「そうなんだね。その子とは、仲いいんだね!」
「はい…でも、今はケンカしていて…最近はろくに会話もしていません」
ケンカ?僕…いや、みさきともケンカ?みたいになってるんだったな。
これじゃ、どっちかわからない。
「どうして、ケンカしたの?」
「それは…私のことを騙していたからです」
騙していた。
僕はその言葉を聞いて、たぶんその子は僕だと確信した。
でも、真城さんを騙したことなんか…
あったような、無かったような…
と考えていたら、電車が止まった。
僕たちの目的地に着いたようだ。
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