「バカな男子高校生が女子校に入学しました!」

晴樹

文字の大きさ
37 / 155

第三十七話 水族館で…part1

しおりを挟む
「おおっ…」
と僕は言葉を失う。
水族館はなんでこんなにも神秘的なんだろう!
と目を奪われている。
隣にいる真城さんも目を輝かせていた。
当然、僕と真城さんの間に会話という会話はなかった。
でも、これではだめだ。
わざわざ、水族館デートが実現したのだから、話しをしないと。
僕は、そう決意して、真城さんに話しかける。
しかし、まさかの人物が僕と真城さんの前に現れた。
「…伊藤先生?」
と真城さんも気づいたらしく、その人に向かって問いかけた。
そして、向こうも僕たちに気がついたらしく、こちらの方を見て、
「真城くんかい?それと…」
と僕の方を見て
「…誰?真城くんの彼氏かい?」
と返された。
無理もないか…
だって、僕の今の姿は、男のカッコウなのだ。
それに、先生にも僕の男の姿は見せたことないわけで…分からないよね。
すると、真城さんが、先生の問いかけに答えた。
「この人は彼氏じゃないです。違います!」
と真城さんが答えた。
分かってはいたけれど、もうちょっと照れてくれてもいいのになー。
そんな一生懸命否定しなくてもいいのに…
と残念がる僕。
「そうなの?じゃあ、誰なの?」
と先生は聞いてきた。
「この人は…」
と真城さんは言葉につまっていた。
そして、困った顔をしている。
僕はその状況を見て、助けるわけでなく、ただたんに楽しんでいた。
この後どう答えるのか、とても気になっていた。
その答えによっては、僕のことをどう思ってくれているのか分かる。
さぁ、なんて答えるんだ?聞かせてくれよ!
すると、真城さんは口を開いた。
「この人は……ただのナンパ男です!」
と普通に言い放った。
「なんだって!」
と先生は真城さんが言ったことを間に受けて、僕の方を睨んで
「私の生徒に手を出さないでもらえるかな?」
と少し怒っているようだ。
待って、先生!
誤解なんです!
いや、傍から見れば、ナンパと言えなくもないですが…
と取り付く島もなく、僕を真城さんから少し遠ざける。
待ってくれー、先生、誤解なんだー!
と遠ざけられる僕を真城さんは目で追いながら、見ているだけだった…
しおりを挟む
感想 8

あなたにおすすめの小説

OLサラリーマン

廣瀬純七
ファンタジー
女性社員と体が入れ替わるサラリーマンの話

ビキニに恋した男

廣瀬純七
SF
ビキニを着たい男がビキニが似合う女性の体になる話

パンツを拾わされた男の子の災難?

ミクリ21
恋愛
パンツを拾わされた男の子の話。

プール終わり、自分のバッグにクラスメイトのパンツが入っていたらどうする?

九拾七
青春
プールの授業が午前中のときは水着を着こんでいく。 で、パンツを持っていくのを忘れる。 というのはよくある笑い話。

小学生をもう一度

廣瀬純七
青春
大学生の松岡翔太が小学生の女の子の松岡翔子になって二度目の人生を始める話

入れ替わり夫婦

廣瀬純七
ファンタジー
モニターで送られてきた性別交換クリームで入れ替わった新婚夫婦の話

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話

桜井正宗
青春
 ――結婚しています!  それは二人だけの秘密。  高校二年の遙と遥は結婚した。  近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。  キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。  ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。 *結婚要素あり *ヤンデレ要素あり

処理中です...