「バカな男子高校生が女子校に入学しました！」

第四十七話 仲直り

「よ～し、がんばるぞー」

僕は朝から張り切っていた。
昨日、真城さんと約束した通り、仲直りするためだ。
僕は気合いを入れて学校に向かう。

「おはよう！真城さん！！」

僕は元気良く挨拶をする。
僕の予想した通り、真城さんはいつもよりも先に来ていた。
それを予想していた僕は、いつもよりも早く来たんだけど…それよりも真城さんは早く来ていたことにはびっくりした。でもそのおかげで、朝、人が少ないうちにゆっくり話すことができる。

すると、真城さんが立ち上がってこう言った。
「おはよう、花園さん…その、今まで無視してごめんなさい！」
と頭を下げた。

いきなり真城さんが謝ってきたことにはびっくりした。
僕から、謝るつもりだったのに…
と先に言われたと思って、少し悲しくなった。

でも、先ほどから、頭を下げ続けている僕は真城さんにこう言った。
「僕こそごめん！」
誠意を込め得て僕も頭を下げる。
しかし、真城さんはある疑問を持ったらしい。
「僕？」
と不思議そうに僕の顔を見る。

ミスった！と思ったが、僕というのは女の子でも言っている人もいることを思い出した。
でも、それは、現実ではあまり見かけないけど…
ここで言い訳するのは、また嫌われてしまうかもしれない。
それに「僕」って女装した格好の時に使えると楽なのでできればこれで通したい！
僕は、真城さんに少し秘密を明かしてもいいかと思った。

「実はね、自分のこと、僕っていうのが僕の第一人称なんだ。やっぱり変かな？」
「そんなことないよ、花園さんにぴったりだと思う！」
「ほんと？」
「ほんとほんと！」
と真城さんは言ってくれる。
多分、気をつかってくれているんだろうけど…それでも嬉しかった。

気がつけば、僕と真城さんは知らない間に普通に話せるようになっていた。
チャイムが鳴るまで、話をした。
言っていた通り、僕たちは仲直りできた。