「バカな男子高校生が女子校に入学しました！」

第五十三話 真城さんを誘ってみる！

｢遅かったね｣
｢あ、うん。ちょっと伊藤先生と話してて…｣
｢そうなんだ｣
｢あ、それでね、相談があるんだけど…｣
｢何？｣

僕は先ほど先生と話した内容を簡潔に真城さんに説明した。
伊藤先生が1人で寂しそうだったと伝えると、しぶしぶだが真城さんはOKしてくれた。
ほんとしぶしぶだったが…
多分、真城さんは僕と2人で食べたかったんだろうけど、ここは僕のために我慢してもらおう。

｢じゃあ、早速明日からよろしくね｣
｢え、明日からなの…｣
｢う、うん。何か問題ある？｣
｢いや…そ、そうだよね…｣
｢やっぱり、ダメかな？｣
｢うんうん、大丈夫、大丈夫だから｣

と本当に良いのか分からない反応で少し困った。
まぁ、明日先生と一緒に食べたら何か分かるだろう。
と何とか真城さんと約束を無理やり？取りつけることができた。
明日はどうなるだろう…少し不安になってきた僕だった…

学校から帰宅した僕は、妹の元に向かった。明日のことを話しにだ。特にアドバイスを求めている訳では無いのだが、何となく話してみようと思ったので、妹の部屋にきたのだ。
コンコンッ！
｢入るぞー｣
と妹の返事を聞く前にドアを開けた。
なんたって今は、お姉ちゃんモードなのだ。ただ、着替えてないだけだが…
そして、中に入ると、妹は机に伏せていた。何か落ち込んでいるようだった。

｢ど、どうした？何かあったのか？｣
｢……｣
｢おい｣
｢…何疲れてるんだけど｣

といつもよりもテンションが低い。本当に疲れているようだ。目が完全に、人生に疲れた人間の目をしているからだ。

｢な、何か学校であったのか？相談に乗るぞ｣
｢……｣
｢な？｣
｢う、うん…実は、学校でちょっと…｣

と妹は話し始めた。僕は床に座り妹の話を静かに聞いた。
聞いた内容によれば、昨日来ていた、一馬くんが学校ですっごい絡んでくるらしい。それだけでもめんどいのに、その一馬くんは女子に人気があるらしい。それもファンクラブがあるとか…
で、そのせいもあり、妹は女子たちからもしつこく絡まれたらしい。それで今日はこのぐったりようだったようだ。
でも、この話を聞いて僕は思った。
この悩み、僕じゃアドバイスできない！
こんな特殊な悩み僕じゃ扱えない…

｢ご、ごめん。僕じゃあ、何のアドバイスもできない…｣
｢…うんうん、お兄ちゃんが謝る必要はないよ…｣
｢そ、そうか｣
｢そうだよ｣

と心配になる返答だった。不安だ…明日の昼のことよりも、こっちの方が僕としては不安だ…

｢もし、本当に困ったら、言ってくれいつでも力になるから｣
｢うん、頼りにしてる｣

といつもはこんなこと言わないのに、ほんとに疲れてるんだな…
特に策はないが、こういうしかなかった。

｢じゃあ…頑張れよ…｣
｢うん｣

そういって僕は妹の部屋を出た。
僕は…なんて平和な悩みをしていたんだと思い知らされた。
明日余裕でいけそうだな。うんうん。