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第六十二話 一馬くん
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僕は、学校が終わり自分の家に帰ってきた。そして、階段を上がり二階に向かう。先ほど玄関に家族のものとは異なる靴があった。多分、一馬くんの靴だろう。
僕は、そう確信すると、一馬くんがいるであろう妹の部屋に向かわずに先に自分の部屋に向かった。それの理由は、服を着替えるためだ。
僕は、普段着に着替え終わると、早速妹の部屋に向かった。
今日考えるはずだった、一馬くんに対して言うことは全く決まらなかった。考える努力はしたもののその甲斐虚しく無駄な時間となってしまったのは言うまでもない。
僕は妹の部屋のドアの前まで来た。そして、そのドアをノックする。すると中から、妹が「入っていいよ」という声が聞こえてきた。その声を聞いて僕は、妹の部屋のドアを開けて中に入った。
「あ、千穂ちゃんのお兄さんですか?初めまして」
と僕に向かって愛想よく挨拶をする一馬くん。だが、一馬くんは間違っていた。
「別に初めましてじゃないぞ、一馬くん」
「え…」
そう、初めましてではない。この前は学校帰りのそのままの格好をしていたので無理もないが…あれ? 自分でおねいちゃんだって言ったっけ? まぁ忘れたからどうでいいか。
今回は、普段着ということで、もちろん男の格好だ。なぜか、僕が部屋に入ってくるなり、嫌な汗を額から流している妹は、不思議そうに僕を見ていた。なんで、その格好なの? どうするの? みたいな目で僕を見ていた。そんな妹に僕は任せろけ、という顔をした。しかし、うまく伝わっているのかわからないが、伝わってると信じておこう。
「僕は、この前一馬くんが来た時にあってるよ」
「え、でもこの前あったのは、千穂ちゃんのお姉さんにしか会ってませんが…」
まんまと騙されていた一馬くんは、じっと僕のことを見ていた。一馬くんにもバレてないってことは、僕の女装はよくできているのかもしれない。と変な自信を持ちそうになる。
僕は、ゴホンッと咳払いをしてから、かっこよくこう言った。
「そのお姉さんが僕だ!」
それを見ていた妹が、僕に向かって「それをかっこよく言っても、かっこよくないよ…」とつぶやいた。本当だ。これじゃあ女装趣味があることを告白しているただの変態じゃないか。
僕はもう一度咳払いをした。
「どうだ驚いただろ」
と一馬くんに向かっていった。でも、なんでここで誇って、こんなことがいえるのか不思議だった。他人に向かって変態ですと公言しているのに…
しかも相手は妹と同い年の中学生に向かってだぞ…
と後悔後に立たずといった具合に、僕は少しずつ後悔していた。でも、このまま最後まで行くしかない。そうじゃないと…僕の心が持ちそうにないよ…
先ほどから考え事をしている様子の一馬くんが急に立ち上がった。
そして
「実は、僕にも秘密があるんです」
といったのだ。なぜか、一馬くんは僕が大切な秘密を暴露したのだと勘違いしたようで、自分も秘密を暴露しようとし始めたのだ。
いつの間にか、暴露大会が始まっていた…
僕は、そう確信すると、一馬くんがいるであろう妹の部屋に向かわずに先に自分の部屋に向かった。それの理由は、服を着替えるためだ。
僕は、普段着に着替え終わると、早速妹の部屋に向かった。
今日考えるはずだった、一馬くんに対して言うことは全く決まらなかった。考える努力はしたもののその甲斐虚しく無駄な時間となってしまったのは言うまでもない。
僕は妹の部屋のドアの前まで来た。そして、そのドアをノックする。すると中から、妹が「入っていいよ」という声が聞こえてきた。その声を聞いて僕は、妹の部屋のドアを開けて中に入った。
「あ、千穂ちゃんのお兄さんですか?初めまして」
と僕に向かって愛想よく挨拶をする一馬くん。だが、一馬くんは間違っていた。
「別に初めましてじゃないぞ、一馬くん」
「え…」
そう、初めましてではない。この前は学校帰りのそのままの格好をしていたので無理もないが…あれ? 自分でおねいちゃんだって言ったっけ? まぁ忘れたからどうでいいか。
今回は、普段着ということで、もちろん男の格好だ。なぜか、僕が部屋に入ってくるなり、嫌な汗を額から流している妹は、不思議そうに僕を見ていた。なんで、その格好なの? どうするの? みたいな目で僕を見ていた。そんな妹に僕は任せろけ、という顔をした。しかし、うまく伝わっているのかわからないが、伝わってると信じておこう。
「僕は、この前一馬くんが来た時にあってるよ」
「え、でもこの前あったのは、千穂ちゃんのお姉さんにしか会ってませんが…」
まんまと騙されていた一馬くんは、じっと僕のことを見ていた。一馬くんにもバレてないってことは、僕の女装はよくできているのかもしれない。と変な自信を持ちそうになる。
僕は、ゴホンッと咳払いをしてから、かっこよくこう言った。
「そのお姉さんが僕だ!」
それを見ていた妹が、僕に向かって「それをかっこよく言っても、かっこよくないよ…」とつぶやいた。本当だ。これじゃあ女装趣味があることを告白しているただの変態じゃないか。
僕はもう一度咳払いをした。
「どうだ驚いただろ」
と一馬くんに向かっていった。でも、なんでここで誇って、こんなことがいえるのか不思議だった。他人に向かって変態ですと公言しているのに…
しかも相手は妹と同い年の中学生に向かってだぞ…
と後悔後に立たずといった具合に、僕は少しずつ後悔していた。でも、このまま最後まで行くしかない。そうじゃないと…僕の心が持ちそうにないよ…
先ほどから考え事をしている様子の一馬くんが急に立ち上がった。
そして
「実は、僕にも秘密があるんです」
といったのだ。なぜか、一馬くんは僕が大切な秘密を暴露したのだと勘違いしたようで、自分も秘密を暴露しようとし始めたのだ。
いつの間にか、暴露大会が始まっていた…
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