「バカな男子高校生が女子校に入学しました！」

第八十六話 担任

「お～い」
「げ、何でいるの」
と嫌そうな顔をしているのが、遠くにいる僕にもわかった。

そして、二人が校門まで来た。
「どうして、いるの？」
と僕に向かって言った。怖いよ、目が怖い。
「それは決まってるよ、一緒に帰るためさ」
僕は、妹の脅迫にもめげずに答えた。
「まぁ、いいじゃん千穂ちゃん」
と妹の横にいる一馬くんが妹を宥めてくれる。一馬くんはやっぱりいいやつだ。
一馬くんに言われた妹も渋々「しょうがないな～」と言った顔をした。
すると、僕たちの会話を端から見ていた先生が驚いた顔をした。
「え！？　花園さんが妹さんだったんですか！」
とまるで、衝撃の真実を聞いた顔をしていた。どうしてそこまで驚くのか不思議だった。
すると、妹もその場にいた先生を見て、驚いた。
「む、村野先生！」
知り合いの先生のようだ。
「どうしてそんなに驚くんだ？」
と僕は妹に聞いた。
「村野先生は私のクラスの担任なの」
と答えた。しかし、それがどうしてそんなに驚く必要があることなのかわからなかった。
「そうか、それで？」
「え、これでもわからないの？」
と僕をバカにした口調で話した。
言ったい何が問題だというのか…

すると、村野先生が妹と僕に向かってこう言った。
「確か、花園さんに姉なんていなかったような気がするのだけど…」
と僕を不審な目で見ていた。そうか、妹が言いたかったのはこのことか。やっとの事で理解したがどうしようもなかった。担任だったら、クラスの子の家族構成を知っているのは当たり前だ。どうして僕はそのことに気がつかなかったのか、本当馬鹿だな…
僕と妹は、戸惑っていた。どうしたら、先生が納得する嘘をつけるかと…
僕は、今すぐにでもこの場所から逃げたかった。だって、僕の正体がバレれば、学校で噂になっている変質者であることまでバレてしまいそうだからだ。それは、困る。
これは、どうしたものか…
僕は、冷や汗が止まらなかった。今は、夏が近づいている季節なため、気温が高い。そのため、汗が止まらなかった。
すると先生が追い打ちをかけてきた。
「花園さんにはお兄さんがいらっしゃったいましたよね…まさか」
と確信に迫ろうとしていた。これでは、無言でこの場所にいては、正体がばれるのも時間の問題だ。
僕は、口をパクパクさせていた。ちょうど隣にいる妹も、同じような感じだ。
これじゃあ、まるで兄弟だと教えてるようなもんじゃないか！
絶体絶命とはこのことか…と僕は立ち尽くすことしかできなかった。