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第105話 恋愛とは
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「では、そろそろ僕は部屋に戻ることにするよ」
そう言ってお兄さんは立ち上がる。
「そうですか、こちらとしては嬉しいです」
「そうかい、じゃあ、また会いに来るよ」
「一生来ないでください、ホモなお兄さん」
と皮肉な言い方をした。
しかし、そんな皮肉な言い方をされてもお兄さんは嫌な顔をひとつしなかった。
どれどころか…
「ありがとう、じゃあまたね~」
と笑顔でこちらに手を振りながらこの部屋から去っていった。
「なんてメンタルの強い人だ…」
出て行った部屋のドアを見ながら僕はそうつぶやいていた。
しかし、問題はあの人が荒らしていったこの現場だろう。
僕は、ドアの方から視線を変え、真城さんのいるベットの上に向けた。先ほどまであそこに僕もいたのだけど、真城さんがおかしくなってからは少し距離をとるようにベットから離れて座っている。
「だ、大丈夫?」
何が大丈夫? なのかわからないが、それしか思い浮かばなかった。
「ううん、大丈夫」
だからなにが大丈夫なのか教えて欲しい。今の真城さんで大丈夫なところが思い浮かべないのだけど…
するとおかしくなった真城さんは僕にとんでもないことを聞いてきた。
「花園さんは…その…、私の事…す、好き?」
こ、これは答えづらい事を聞いてくるな。僕がどう答えようと明日からの関係が絶対おかしくなる。それも、今のおかしな真城さん相手では考えるまでもない…
「す、好きか嫌いかで言うと…好きかな?」
と僕は歯切れの悪い答え方をする。これであらぬ方向に誤解される事はないだろう…
「ほ、ほんと? 私の事好きなの?」
「あ、あぁ、どちらかといえばね…」
「じゃあ、両思いだね!」
「あ、うん…そうだね」
これダメかもしれない…
「うふふ…へへへ…」
あ、あぁ真城さんの壊れていく音がする…
僕の直感でこのままここにいてはどんどんいけない方向に行ってしまう予感がした。
僕はさっさと帰る準備をする。今ここにいても真城さんを治すことができなさそうだ。もしかしたら、明日学校で会えば元に戻っているかもしれない。僕はこれにかけることにした。
「そ、それじゃあ、もう遅いから帰るね… また明日」
そう言って部屋を出た。するとそこには家政婦さんが立っていた。
「なんですか?」
「いえ、そろそろ帰られるかと思いまして待っていました」
「なんですかエスパーですかあなたは」
「いえ、先ほどからここで待ってましたから」
「あぁ、ただの変な人でしたか…」
家政婦さんは僕を玄関まで連れて行ってくれると、「また来てくださいね」と僕に言って玄関を閉めた。
そう言ってお兄さんは立ち上がる。
「そうですか、こちらとしては嬉しいです」
「そうかい、じゃあ、また会いに来るよ」
「一生来ないでください、ホモなお兄さん」
と皮肉な言い方をした。
しかし、そんな皮肉な言い方をされてもお兄さんは嫌な顔をひとつしなかった。
どれどころか…
「ありがとう、じゃあまたね~」
と笑顔でこちらに手を振りながらこの部屋から去っていった。
「なんてメンタルの強い人だ…」
出て行った部屋のドアを見ながら僕はそうつぶやいていた。
しかし、問題はあの人が荒らしていったこの現場だろう。
僕は、ドアの方から視線を変え、真城さんのいるベットの上に向けた。先ほどまであそこに僕もいたのだけど、真城さんがおかしくなってからは少し距離をとるようにベットから離れて座っている。
「だ、大丈夫?」
何が大丈夫? なのかわからないが、それしか思い浮かばなかった。
「ううん、大丈夫」
だからなにが大丈夫なのか教えて欲しい。今の真城さんで大丈夫なところが思い浮かべないのだけど…
するとおかしくなった真城さんは僕にとんでもないことを聞いてきた。
「花園さんは…その…、私の事…す、好き?」
こ、これは答えづらい事を聞いてくるな。僕がどう答えようと明日からの関係が絶対おかしくなる。それも、今のおかしな真城さん相手では考えるまでもない…
「す、好きか嫌いかで言うと…好きかな?」
と僕は歯切れの悪い答え方をする。これであらぬ方向に誤解される事はないだろう…
「ほ、ほんと? 私の事好きなの?」
「あ、あぁ、どちらかといえばね…」
「じゃあ、両思いだね!」
「あ、うん…そうだね」
これダメかもしれない…
「うふふ…へへへ…」
あ、あぁ真城さんの壊れていく音がする…
僕の直感でこのままここにいてはどんどんいけない方向に行ってしまう予感がした。
僕はさっさと帰る準備をする。今ここにいても真城さんを治すことができなさそうだ。もしかしたら、明日学校で会えば元に戻っているかもしれない。僕はこれにかけることにした。
「そ、それじゃあ、もう遅いから帰るね… また明日」
そう言って部屋を出た。するとそこには家政婦さんが立っていた。
「なんですか?」
「いえ、そろそろ帰られるかと思いまして待っていました」
「なんですかエスパーですかあなたは」
「いえ、先ほどからここで待ってましたから」
「あぁ、ただの変な人でしたか…」
家政婦さんは僕を玄関まで連れて行ってくれると、「また来てくださいね」と僕に言って玄関を閉めた。
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