113 / 155
第113話 転校生6
しおりを挟む
「で、どういうことなんだ?」
帰り道。僕の隣を歩く秋に問いかけた。
「なんで怒ってるんだ?」
秋は首をかしげて僕に聞いてくる。僕は怒っていたつもりはなかったんだが、怒ってしまっていたらしい…
まぁ、その理由は、お前がさっさと言わないからだ! と思いながらも口にはしない。
「気になって仕方ないんだよ」
「どうしてだ?」
まだ質問してくるのかこいつ。
さすがにあまり怒らない僕でも怒るぞ。
「よく考えてみろよ、男が女装して転校してきたんだぞ!」
と僕は秋にいうと秋も納得したように首を縦に振った。
「そうだな。俺もそれは気になる」
今は賛同するよりも先に僕の最初の質問に答えてほしいのだが…
しかし、秋は答えるつもりはないらしくその後も聞き続ける僕をスルーしながら帰り道を進んでいった。
しばらく進むと僕の家に着いてしまった。
そして秋はしれーっと僕の家に入っていこうとする。
…って、待てよ! なにしれっとひとん家に入ろうとしてるんだよ。
僕は秋が僕の家に入ろうとするのを止める。
「どうした?」
突然僕が秋が行く前に立ちふさがったのを見て首をかしげていた。
これでもわからないのかよ…
僕の行動を理解してくれないので少し寂しかった。
「どうした? じゃないよ。なに勝手に家に上がろうとしてるのさ」
「ダメなのか?」
「ダメに決まってるだろ」
と僕が言うと秋は少し考えるそぶりをする。それはどうやって僕を言いくるめるか考えているように見えた。
そして、手を叩いた。何かひらめいたみたいだ。でも、僕は秋のことをよく知っている。僕は言いくるめられない自信があった。
「そうだな、どうしても通してくれないのか?」
「あぁ…」
別にどうしてもというわけではないんだけど。
「わかった」
そう言い終わると腕時計で時間を確認しだした。あっさり引き下がるようには見えなかったが何も言わずそこから動かなかった。
それなら、帰ってほしいんだけど…
という淡い希望は叶わなかった。
なぜなら…
「あれお兄ちゃん? 何してるの?」
玄関の扉の前で立っていた僕を見て、今帰ってきた妹の千穂が不思議そうに言った。
「ちょっとな…」
すると妹は僕の前にいた男の姿を見て嬉しそうな声でこう言った。
「あれ? 秋くん!」
そこにいるのが秋とわかると妹は僕に対してこんな嬉しそうな表情を見せたことがないというくらい嬉しそうな顔をする。
「やぁ、千穂ちゃんおかえり」
まるで帰ってくるのがわかっていたかのように答える。
もしかしてこいつ…はじめっからそのつもりで時間を確認してたのか。
「秋くんささ、こんなところにいないで中に入ろう」
と秋の手をとって家に招き入れた。
あぁ、僕の完敗だ…
僕は2人の後を追って家の中に入った。
帰り道。僕の隣を歩く秋に問いかけた。
「なんで怒ってるんだ?」
秋は首をかしげて僕に聞いてくる。僕は怒っていたつもりはなかったんだが、怒ってしまっていたらしい…
まぁ、その理由は、お前がさっさと言わないからだ! と思いながらも口にはしない。
「気になって仕方ないんだよ」
「どうしてだ?」
まだ質問してくるのかこいつ。
さすがにあまり怒らない僕でも怒るぞ。
「よく考えてみろよ、男が女装して転校してきたんだぞ!」
と僕は秋にいうと秋も納得したように首を縦に振った。
「そうだな。俺もそれは気になる」
今は賛同するよりも先に僕の最初の質問に答えてほしいのだが…
しかし、秋は答えるつもりはないらしくその後も聞き続ける僕をスルーしながら帰り道を進んでいった。
しばらく進むと僕の家に着いてしまった。
そして秋はしれーっと僕の家に入っていこうとする。
…って、待てよ! なにしれっとひとん家に入ろうとしてるんだよ。
僕は秋が僕の家に入ろうとするのを止める。
「どうした?」
突然僕が秋が行く前に立ちふさがったのを見て首をかしげていた。
これでもわからないのかよ…
僕の行動を理解してくれないので少し寂しかった。
「どうした? じゃないよ。なに勝手に家に上がろうとしてるのさ」
「ダメなのか?」
「ダメに決まってるだろ」
と僕が言うと秋は少し考えるそぶりをする。それはどうやって僕を言いくるめるか考えているように見えた。
そして、手を叩いた。何かひらめいたみたいだ。でも、僕は秋のことをよく知っている。僕は言いくるめられない自信があった。
「そうだな、どうしても通してくれないのか?」
「あぁ…」
別にどうしてもというわけではないんだけど。
「わかった」
そう言い終わると腕時計で時間を確認しだした。あっさり引き下がるようには見えなかったが何も言わずそこから動かなかった。
それなら、帰ってほしいんだけど…
という淡い希望は叶わなかった。
なぜなら…
「あれお兄ちゃん? 何してるの?」
玄関の扉の前で立っていた僕を見て、今帰ってきた妹の千穂が不思議そうに言った。
「ちょっとな…」
すると妹は僕の前にいた男の姿を見て嬉しそうな声でこう言った。
「あれ? 秋くん!」
そこにいるのが秋とわかると妹は僕に対してこんな嬉しそうな表情を見せたことがないというくらい嬉しそうな顔をする。
「やぁ、千穂ちゃんおかえり」
まるで帰ってくるのがわかっていたかのように答える。
もしかしてこいつ…はじめっからそのつもりで時間を確認してたのか。
「秋くんささ、こんなところにいないで中に入ろう」
と秋の手をとって家に招き入れた。
あぁ、僕の完敗だ…
僕は2人の後を追って家の中に入った。
0
あなたにおすすめの小説
プール終わり、自分のバッグにクラスメイトのパンツが入っていたらどうする?
九拾七
青春
プールの授業が午前中のときは水着を着こんでいく。
で、パンツを持っていくのを忘れる。
というのはよくある笑い話。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話
桜井正宗
青春
――結婚しています!
それは二人だけの秘密。
高校二年の遙と遥は結婚した。
近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。
キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。
ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。
*結婚要素あり
*ヤンデレ要素あり
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる