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第115話 転校生8
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「……」
遅いな。
リビングで母さんの帰りを待って2時間。いつもならもう帰ってくる時間なのだが、帰ってこない。
僕はその間テレビをひたすら見続けていたが、つまらなさすぎてもう飽きてきた。そろそろ待ち続けるのも限界が近づいてきた。それにイライラもしてきた。そして、そのせいだろうかお腹もすいてきた。もう7時が来る。いつもならこの時間にご飯食ってるはずなのに。
すると2階からドスっと音がした。妹だろう。ドタドタドタ。
階段を大きな音を立てながら降りてくる。
「お兄ちゃ~ん」
イライラしながらテレビを見てた僕のことを呼ぶ声が廊下から聞こえてくる。
妹はリビングに入ってくるなり僕のことを見る。その手には携帯電話が握られていた。今まで母さんとでも連絡を取っていたのだろう。
「どうした?」
「うん、お母さんがね、今日は帰るのが遅くなりそうだから夜ご飯勝手に食べてね、ってさ」
「そ、そうか」
遅くなるならもっと早く言って欲しかった。母さんの帰りを待っていたこの無駄な2時間を返して欲しい。
僕は面白くないのでテレビを切った。
それと同時に妹が僕に話しかけてきた。
「ねぇ、夜ご飯どうする?」
ギュルギュルギュルと腹が音を立てる。
「なんでもいいよ」
僕がそういうと妹は少し考えてから
「じゃあ、ピザにしよう!」
と提案してきた。いいな、ピザ。母がいるとこういうのはめったに食えない。今は絶好のチャンスと言えるだろう。
「それいいな。でも、金はどうするんだ? 僕持ってないぞ」
と嘘をつく。別にピザくらい買えるお金は持っている。
「ウソだ~、私知ってるんだよ。お兄ちゃんが貯金してるの」
ど、どうしてそれを…
「タンスにしまい込んでるの知ってるんだよ」
ば、場所までバレているのか。
場所変えないいけないな。
「…わかったよ、ピザ食べよっか」
「そうだね」
僕は渋々腰を折って、ピザを頼むことにした。
「じゃあ、電話で…」
と僕が電話に近づくと…
「じゃ、買ってきて」
「ふぇ?」
聞き間違いだろうか。
「買ってきて!」
「……まじ?」
「うん、まじ!」
おお、今までになくらいの満面な笑顔だ。
「電話した方が早いだろ?」
「ううん、買いに行ったらもう一枚くれるんだよ? だから買ってきて」
それが目的だったようだ。食い意地が張っている妹は一枚でも多く食べたいらしい。でも僕が今から買いに行く大変さを考えて欲しいものだが、折れてくれそうにない。
僕は仕方なくピザを買いに外に出た。夏が近づいている今の季節でも夜は少し肌寒かった。
遅いな。
リビングで母さんの帰りを待って2時間。いつもならもう帰ってくる時間なのだが、帰ってこない。
僕はその間テレビをひたすら見続けていたが、つまらなさすぎてもう飽きてきた。そろそろ待ち続けるのも限界が近づいてきた。それにイライラもしてきた。そして、そのせいだろうかお腹もすいてきた。もう7時が来る。いつもならこの時間にご飯食ってるはずなのに。
すると2階からドスっと音がした。妹だろう。ドタドタドタ。
階段を大きな音を立てながら降りてくる。
「お兄ちゃ~ん」
イライラしながらテレビを見てた僕のことを呼ぶ声が廊下から聞こえてくる。
妹はリビングに入ってくるなり僕のことを見る。その手には携帯電話が握られていた。今まで母さんとでも連絡を取っていたのだろう。
「どうした?」
「うん、お母さんがね、今日は帰るのが遅くなりそうだから夜ご飯勝手に食べてね、ってさ」
「そ、そうか」
遅くなるならもっと早く言って欲しかった。母さんの帰りを待っていたこの無駄な2時間を返して欲しい。
僕は面白くないのでテレビを切った。
それと同時に妹が僕に話しかけてきた。
「ねぇ、夜ご飯どうする?」
ギュルギュルギュルと腹が音を立てる。
「なんでもいいよ」
僕がそういうと妹は少し考えてから
「じゃあ、ピザにしよう!」
と提案してきた。いいな、ピザ。母がいるとこういうのはめったに食えない。今は絶好のチャンスと言えるだろう。
「それいいな。でも、金はどうするんだ? 僕持ってないぞ」
と嘘をつく。別にピザくらい買えるお金は持っている。
「ウソだ~、私知ってるんだよ。お兄ちゃんが貯金してるの」
ど、どうしてそれを…
「タンスにしまい込んでるの知ってるんだよ」
ば、場所までバレているのか。
場所変えないいけないな。
「…わかったよ、ピザ食べよっか」
「そうだね」
僕は渋々腰を折って、ピザを頼むことにした。
「じゃあ、電話で…」
と僕が電話に近づくと…
「じゃ、買ってきて」
「ふぇ?」
聞き間違いだろうか。
「買ってきて!」
「……まじ?」
「うん、まじ!」
おお、今までになくらいの満面な笑顔だ。
「電話した方が早いだろ?」
「ううん、買いに行ったらもう一枚くれるんだよ? だから買ってきて」
それが目的だったようだ。食い意地が張っている妹は一枚でも多く食べたいらしい。でも僕が今から買いに行く大変さを考えて欲しいものだが、折れてくれそうにない。
僕は仕方なくピザを買いに外に出た。夏が近づいている今の季節でも夜は少し肌寒かった。
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