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第121話 堀田秋5
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「母さん。今日こそは秋のこと教えてもらうからな!」
「はぁ、わかってるわよ…だからこうやってあんたよりも先に帰ってきてあげたんじゃない」
母さんはすまし顔でそう答えた。そう、まっすぐ帰宅したはずの僕よりも先に家にいることは不思議に思ったが、僕は何もその事には触れないようにした。
僕は母さんの座っている前の席に腰を静かに下ろした。そして、母さんに秋のことを聞く。
「母さん。秋のことを教えてくれない?」
僕がそう言うと母さんは、待ってましたー、と言いたげな様子で口を開いた。
「ふふ、何が聞きたい? 何でも答えて上げるよ~」
母さんはなぜか上機嫌な様子だが、僕はその事に触れずにいつも通りのテンションで話す。
「まずどうして秋が転校してきたのかおしえて」
と僕が聞くと母さんは嬉しそうに話だした。
「秋君ね、最近学校を退学になったらしいのよ」
退学? 初耳だ。それよりもさらっと退学という言葉が母の口から出ていることに驚いた。
「だからね、その事を聞いて秋君を私の高校に転校させてあげたの」
そうだったのか…とはならない…
謎な部分が多いし、退学させられた人間を自分が理事長をしている学校に転入させるとは職権乱用もいいところだ。
「それにね!」
まだ何か言いたげだ。
「お母さんね、みくりのことも心配だったから、秋くんに頼んで何とか…」
僕のことを思ってやってくれたことだったのか…
「秋くんに女装してもらったの!」
それは母さん趣味だろう!?
「…でも、秋はよくそれを受け入れたな~絶対断りそうなのに」
「それがね、すっっごい断られたんだよね~」
と笑いながら答える母さん。
断っていた秋に女装をさせるとはどんな魔法を使ったのか…これは聞かない方がいいかもしれない。
本人に聞こう。
母さんとの会話はこれくらいで切り上げることにした。
「わかった母さん。もういいよ、ありがとう」
僕は席を立ち上がり、リビングを出ていこうとした。しかし、母さんはそんな僕を呼び止めた。
「待ってみくり」
僕はその言葉を聞いて振りかえる。
「何?」
僕は首を傾げた。
「…いや、何でもないわ」
「そう」
僕はそう言ってリビングをでて自分の部屋に向かった。
リビングを出てからさっき母さんが、何を言おうとしたのか気になって仕方なかった。母さんは一体何のフラグを立てたのか今の僕にはわからずにいた…
「はぁ、わかってるわよ…だからこうやってあんたよりも先に帰ってきてあげたんじゃない」
母さんはすまし顔でそう答えた。そう、まっすぐ帰宅したはずの僕よりも先に家にいることは不思議に思ったが、僕は何もその事には触れないようにした。
僕は母さんの座っている前の席に腰を静かに下ろした。そして、母さんに秋のことを聞く。
「母さん。秋のことを教えてくれない?」
僕がそう言うと母さんは、待ってましたー、と言いたげな様子で口を開いた。
「ふふ、何が聞きたい? 何でも答えて上げるよ~」
母さんはなぜか上機嫌な様子だが、僕はその事に触れずにいつも通りのテンションで話す。
「まずどうして秋が転校してきたのかおしえて」
と僕が聞くと母さんは嬉しそうに話だした。
「秋君ね、最近学校を退学になったらしいのよ」
退学? 初耳だ。それよりもさらっと退学という言葉が母の口から出ていることに驚いた。
「だからね、その事を聞いて秋君を私の高校に転校させてあげたの」
そうだったのか…とはならない…
謎な部分が多いし、退学させられた人間を自分が理事長をしている学校に転入させるとは職権乱用もいいところだ。
「それにね!」
まだ何か言いたげだ。
「お母さんね、みくりのことも心配だったから、秋くんに頼んで何とか…」
僕のことを思ってやってくれたことだったのか…
「秋くんに女装してもらったの!」
それは母さん趣味だろう!?
「…でも、秋はよくそれを受け入れたな~絶対断りそうなのに」
「それがね、すっっごい断られたんだよね~」
と笑いながら答える母さん。
断っていた秋に女装をさせるとはどんな魔法を使ったのか…これは聞かない方がいいかもしれない。
本人に聞こう。
母さんとの会話はこれくらいで切り上げることにした。
「わかった母さん。もういいよ、ありがとう」
僕は席を立ち上がり、リビングを出ていこうとした。しかし、母さんはそんな僕を呼び止めた。
「待ってみくり」
僕はその言葉を聞いて振りかえる。
「何?」
僕は首を傾げた。
「…いや、何でもないわ」
「そう」
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リビングを出てからさっき母さんが、何を言おうとしたのか気になって仕方なかった。母さんは一体何のフラグを立てたのか今の僕にはわからずにいた…
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