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第124話 呼び出し
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「どうして呼び出されたわかる?」
理事長室に招かれた僕たち3人は、僕の母さんである理事長の前に横1列に並べられていた。
母さんの質問に答えやすい、息子の僕が3人を代表して答える。
「わからん」
僕がそう答えると、理事長は、はぁーとため息をついて呆れた様子だった。
「ほかの2人はどう?」
理事長が伊藤先生や秋の顔を見る。
2人もなぜ呼び出されたか分かっていないという事は、理事長室に来るまでに話をして僕は知っていた。理事長の質問に対して2人とも首を横に振った。
するとまた、はぁーとまたため息をはいた。どうやら呆れているらしい。
「…でなんで呼んだの母さん?」
呆れるばかりで話してくれないので、僕から聞いてみた。このように理事長に対してこんな聞き方ができる僕が聞かなければ、ほかの2人には少し身が重たいと思ったからだ。
「…ほんとにわからない?」
と聞いてきたが
「わからん」
と僕は即答した。さっきからそう言ってるのだから、早く教えて欲しかった。
これ以上伸ばしても進まないと思った母さんは少しずつヒントを出すかのように話し始めた。
「今日あんた達なんかしなかった?」
母さんは僕たち3人の顔を見ながら聞いてきた。
僕は出されたヒントを聞いて考えるが、今日ってまだ始まったばかりだしなぁ、と思った。そしてもしかしてあれか? と思い浮かんだ。
僕は横にいる秋の方を見る。すると、秋も僕の方を見た。
「そう言えばお前今日日直だったよな? 日直の仕事忘れてんじゃねえの?」
と僕が言うと
「忘れてない。俺はちゃんとやったぞ」
秋は僕の言ったことに少しキレ気味に答える。冗談のつもりだったんだけどな…
まぁ、どうやらこれは違うかったらしい。
なら何だろう?
「ほんとに分からないようね…」
呆れ顔で僕のことを見てはもう諦めたようで、「もう話すわよ」と理事長は組んでいた手をほどいて椅子の肘掛けに手を置いて僕達を呼んだ理由を話し始めた。
「君たち3人は今日廊下を走ってたようね」
あぁ、その事か…
僕たちは顔を見合わせた。他の2人も納得といった顔をしていた。真ん中にいる僕は3人を代表して理事長に発言する。
「それは遅刻しそうだったからつい…」
頭を掻きながらテヘへと言った表情をして答えた。息子の僕ならではの行動だと思う。しかし、僕の考えは少し甘かったらしい。
「そんな顔してもダメよ!」
今の母さんは仕事モード。そう理事長モードと言えばいいのだろうか。こんな母さんは家では見ない。まぁ、当然だが…
僕は2人にアイコンタクトで謝った。
『すまん、無理だった』
と僕が言うと2人は怒るでもなく、
『わかった』
とアイコンタクトで伝えてきた。
お前らイイヤツだな…
僕は2人が優しくて涙が出そうになった。そして嬉しい気持ちがこみ上げてきたので、ついつい嘘泣きをしてしまう。
すると2人もノリに乗って、嘘泣きする僕の肩に手を置いたり、背中をさすったりとまるで友情もののワンシーンのような行動をとってしまった。
それを見ていた母さんは僕たちの茶番を見て、呆れ顔のまま数秒間動かなくなってしまった。
数秒たつと、はっとした後動き始めた。
「もう帰っていいわよ」
もう疲れたのか、目頭を指で押していた。僕たちは顔を見合わせてこう言った。
「「「失礼しました~」」」
僕たちは肩を組みながら仲良く、そして元気よく理事長室を出ていった。
理事長室に招かれた僕たち3人は、僕の母さんである理事長の前に横1列に並べられていた。
母さんの質問に答えやすい、息子の僕が3人を代表して答える。
「わからん」
僕がそう答えると、理事長は、はぁーとため息をついて呆れた様子だった。
「ほかの2人はどう?」
理事長が伊藤先生や秋の顔を見る。
2人もなぜ呼び出されたか分かっていないという事は、理事長室に来るまでに話をして僕は知っていた。理事長の質問に対して2人とも首を横に振った。
するとまた、はぁーとまたため息をはいた。どうやら呆れているらしい。
「…でなんで呼んだの母さん?」
呆れるばかりで話してくれないので、僕から聞いてみた。このように理事長に対してこんな聞き方ができる僕が聞かなければ、ほかの2人には少し身が重たいと思ったからだ。
「…ほんとにわからない?」
と聞いてきたが
「わからん」
と僕は即答した。さっきからそう言ってるのだから、早く教えて欲しかった。
これ以上伸ばしても進まないと思った母さんは少しずつヒントを出すかのように話し始めた。
「今日あんた達なんかしなかった?」
母さんは僕たち3人の顔を見ながら聞いてきた。
僕は出されたヒントを聞いて考えるが、今日ってまだ始まったばかりだしなぁ、と思った。そしてもしかしてあれか? と思い浮かんだ。
僕は横にいる秋の方を見る。すると、秋も僕の方を見た。
「そう言えばお前今日日直だったよな? 日直の仕事忘れてんじゃねえの?」
と僕が言うと
「忘れてない。俺はちゃんとやったぞ」
秋は僕の言ったことに少しキレ気味に答える。冗談のつもりだったんだけどな…
まぁ、どうやらこれは違うかったらしい。
なら何だろう?
「ほんとに分からないようね…」
呆れ顔で僕のことを見てはもう諦めたようで、「もう話すわよ」と理事長は組んでいた手をほどいて椅子の肘掛けに手を置いて僕達を呼んだ理由を話し始めた。
「君たち3人は今日廊下を走ってたようね」
あぁ、その事か…
僕たちは顔を見合わせた。他の2人も納得といった顔をしていた。真ん中にいる僕は3人を代表して理事長に発言する。
「それは遅刻しそうだったからつい…」
頭を掻きながらテヘへと言った表情をして答えた。息子の僕ならではの行動だと思う。しかし、僕の考えは少し甘かったらしい。
「そんな顔してもダメよ!」
今の母さんは仕事モード。そう理事長モードと言えばいいのだろうか。こんな母さんは家では見ない。まぁ、当然だが…
僕は2人にアイコンタクトで謝った。
『すまん、無理だった』
と僕が言うと2人は怒るでもなく、
『わかった』
とアイコンタクトで伝えてきた。
お前らイイヤツだな…
僕は2人が優しくて涙が出そうになった。そして嬉しい気持ちがこみ上げてきたので、ついつい嘘泣きをしてしまう。
すると2人もノリに乗って、嘘泣きする僕の肩に手を置いたり、背中をさすったりとまるで友情もののワンシーンのような行動をとってしまった。
それを見ていた母さんは僕たちの茶番を見て、呆れ顔のまま数秒間動かなくなってしまった。
数秒たつと、はっとした後動き始めた。
「もう帰っていいわよ」
もう疲れたのか、目頭を指で押していた。僕たちは顔を見合わせてこう言った。
「「「失礼しました~」」」
僕たちは肩を組みながら仲良く、そして元気よく理事長室を出ていった。
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