「女の子は可愛い生き物」

晴樹

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第2話

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そして、1週間が過ぎそして更に1週間が過ぎた。

今日はミスコンの結果発表の日だ。
僕は楽しみだった。最近の1週間は宮田がメガネを外して生活をしていた。それはミスコンの影響からだった。ミスコンの日、僕との約束を守った宮田はミスコンの舞台の上でメガネを取った。すると、どうだろう。僕が予想していた通りみんなが反応を示した。
体育館は一瞬静まった。そして、コソコソと男達が話す声だけが聞こえ始めた。それは悪いものではなかった。そのこそこその内容とは、「なんだあれは…可愛い」「可愛いすぎる」「チンコに来る」などと言う反応だった。最後のはただの変態な僕の黒い天使の声だが…
その結果終始ミスコンは宮田のメガネを外した可愛さの事で盛り上がっていた。これは僕が予想していた通りだった。これが美少女の必殺技のギャップ萌えと呼ばれるものだった。

僕は手応えを感じていた。
そして、結果が発表される。
結果は…宮田が1位だった。2位がケバいギャルだった。いつもとは逆の結果だった。
すると、宮田は僕の近くで結果を見ている目に涙が浮かんでいた。そんなに嬉しかったのか。泣いていなければ、僕に感謝しろよ!とか笑ってやろうとしていたのだがこれではできそうにないな。
すると、宮田が泣きながら僕に抱きついてきた。うっ、嘘だろ!

「やったよ! 1位になったよ。ありがとう」
泣きながら僕に伝えてきた気持ちだった。
「どういたしまして」
それしか言えなかった。それよりも…ざわついていた。僕の心じゃなくて、僕達の周りが…
横にいる元木もなぜか冷たい目で僕のことを見ている。その目には、リア充氏ねと言っていた。最悪だ。それはいつも僕がしている目と一緒だ。まさか、僕に向けられる時が来るとは…
「なぁ、宮田離れてくれない。視線が痛い」
僕が周りを、気にしつつ宮田に伝えると、顔を上げて周りを見た。
すると周りの人間から「つ、付き合ってるの」とか「彼氏?」と質問が来た。それに対して宮田は、「違うよ」と真顔で答えていた。
僕も違うと言うと周りから人が離れていった。だが、宮田は僕からなかなか離れなかったので、それを見ていた女の子が飛び込んできた。
そして、僕と宮田を引き剥がした。
「ゆ、優ちゃん!」
僕が驚いていると、宮田が反応していたから、どうやら宮田の友達のようだ。
「離れて、私の彩に近づくな」
なんてことを言う。そのせいでまた周りから注目を集めてしまう。嫌だ。こんな目立ち方やだ…
「もー、優ちゃん、違うよ~」
宮田は僕のことを説明する。
すると優ちゃんと呼ばれていた子は理解してくれた。誤解は解けたようだ。
すると、優ちゃんは僕のことを睨み付けてきた。
な、何事!
「アンタのせいで…彩はメガネを外したのか!」
「はい?」
「アンタのせいで!」
怒りが頂点まで達しているように見える。これは金髪になるパターンのやつだな。
今にも殺されそうな雰囲気の中、声を発したのは予想外の人物だった。
「お前のせいか!」
後ろにいた親友の元木が怒りを示していた。
…お前もか!
僕はメガネっ子からメガネを取り上げたことにより、2人のメガネ好きに殺されそうになっていた。
メガネ好き怖い…
そんなことを考えていたら、メガネ好きが僕の前に集まった。そして、握手を始めた。
「「アンタもか」」
2人は意気投合していた。そして、メガネについて話し始めた。当然2人で。ここがいいよな、とかあそこがいいよな、とかだ。
どうやら2人は話が盛り上がっているらしく、僕のことは忘れてしまったらしい。
それを見越してか、あの2人の話に入れないのか、宮田が僕の近くに寄ってきた。
「ありがとう、まさかほんとに1位になれるとは思ってなかった」
「ふっ、だから言ったじゃないか! 1位になれるって」
カッコつけて言ってみたが、誰だろ僕って…キモがられないかな。しかし、その心配はなかった。
「ふふっ、優しいね榊原君って! 信じてよかった」
「本当か」
「うん!」
「そうか…」
僕は嬉しさの余韻に浸っていた。
そんな余韻はスグになくなった。
「やっぱり彩からメガネを奪った奴は許せない!」
「そうだ! オレっちも奴は昔から許せなかった。それも今日で終わりだ」
「何言ってんだ、お前ら…」
僕はそう言いながら、逃げる体制を取る。
「じゃあな、宮田」
「うん、バイバイ」
引き止めてはくれない宮田にサヨナラを告げて、走った。メガネ好きの2人からからにげるために…
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