【完結】好きじゃなかった冬の日に、好きになった彼と僕の話

秋良

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14. 二人のかたち

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 ただ、篤人とのやりとりで、千晃の中に疑問は浮かび始めていた。
 その疑問を口にするのは怖い。でも、やっぱり気になって——。だから、千晃は恐る恐る訊ねた。

「……恋は、終わるものじゃないんですか?」
「どうして、そう思うの?」

 ぱちぱち、と瞬く眼鏡のレンズ越しの優しい瞳。

 終わらない恋なんて、千晃は知らない。
 千晃のなかでは当たり前に生じた、そんな疑問を口にしても、篤人は呆れたりせずに辛抱強く千晃に付き合ってくれる。

 恋は、いつかは終わるもの。それも、手酷い形で、呆気なく。
 それが千晃の常識だった。そうであるはずだった。けれど、篤人の反応を見ると、どうやら違う可能性があることに薄々ながらも気がつく。

 どうして、という問いに、千晃は幾ばくか悩んだ。

 なぜそう思うようになったのか。その経緯は、おそらく一般的にはかなり複雑だ。
 会ったことのない父のこと。自分を愛することのなかった母のこと。母と過ごした八年ほどの人生。その中での日常と、培われてしまった価値観。

 あまり歓迎されない話だとは思う。
 でも、篤人には聞いてもらいたい。——そんな気持ちがあった。

 さらりと出てしまった告白——相手を好きだと伝えることが告白というのなら、先ほどの千晃の発言は紛れもなく告白そのものだ——の際にも、「機会があれば」なんて言ってしまったけれど、まさかこんなに早くそのときが訪れるとは思ってもみなくて。
 でも、向けられる篤人の眼差しは、時折口さのない人たちが千晃に向けたものとは違うもの。千晃が話したいなら話してほしいし、そうでないなら無理強いはしない……そういう思いやりのある色だ。

 だから、千晃は静かに口を開いた。

「その……僕は、八歳のときに母から離れました。……捨てられたの、かな」

 自分の考えに至った理由を言葉にするのは、とても難しい。
 千晃の自分語りに幾分目を丸くしつつも、篤人は目線で話の続きを促す。驚きながらも、千晃が望むならば話を聞きたいと語ってくれていて、それが少しだけ嬉しく、有り難かった。

「母は、いつも恋をしていて。僕は、妻子のある男性と若かった母が不倫をした末にできた子らしいです。母にとっては、きっと大恋愛だったのかも」

 大恋愛というものが何たるか、千晃は感覚としてはわからない。
 でも、愛が募りに募って、恨みや憎しみに変わったのだとしたら……きっと変化する前は強い愛情か恋情をそれほどまでに、千晃の血縁上の父である男に向けていたのだろうとは思う。

「血縁上の父は、結局、母との関係には終止符を打ったって聞きました。でも、僕が言うのはお門違いだけれど……僕も、父の判断は良かったんじゃないかなって思います。……母は生活力のない人だったから。一緒になったら、きっと苦労しただろうなって」

 母親と暮らしていたとき、千晃はほとんどネグレクト状態で育ち、生活環境は悪く、ろくな知識もなかった。けれど、子どもながらにして母が一人では生きていけないタイプの人間であることは察していた。まともな教育は受けられなかったが、千晃がそれなりに聡い子だったのは、それこそ父からの血なのかもしれない。

 一方で母は、料理はあまり得意ではなさそうだったし、掃除は最低限にしかできない様子だった。物の選別が苦手なくせに、物欲が高いのか服や宝飾品——いずれも大したものではないのだろうけど——があちこちに散らばり、なのに「物がない」と騒ぐのは日常茶飯事。
 仕事もしているんだかしていないんだかで、日中だろうと夜中だろうとも、時間帯は気にせずに好きなときに外出して、好きなときに帰宅する。そんな奔放な生活ぶりだった。

 もし母が『あの人』と呼ぶ、血縁上の千晃の父と家族になっていたら、千晃はもっとまともな暮らしをしていたのかもしれない。
 だがおそらく、そういった母の好ましくないところと、それなりに情を感じていて暮らしの基盤が作られていた妻子との暮らしを比較して、父は最終的に後者を選んだという事実だけが残ったのだ。

 不倫という正しくない行為をした男も、最後には正しい判断をしたのだろう。
 母にとっては、最も正しくない結末だっただけ。不倫だとわかりながらの恋だったのだから、母は軽率な関係をあまりにも無邪気に……無謀に、無知に、信じすぎたのだ。

「堕したくても堕ろせないときでの別れだったから、母は仕方なしに僕を生んだみたい。僕も……選べたのなら、生まれてあげなければよかったんですけど」
「千晃くん……」
「でも、仕方がないですよね。お腹の中の記憶はないし、記憶とか関係なしに、生まれる生まれないを僕が選べるわけでもなかったから」

 自嘲気味に言えば、篤人は沈痛な瞳を向けた。
 同情や憐憫も含んだ目ではあったけど、不思議と嫌ではなかった。

「なんて言ったらいいか……ごめんね。ただ、君がそんなことで気に病む必要なんかないと思うよ」
「ああ、いえ。僕のほうこそ、すみません。さすがに僕ももう、生まれてごめんとは思わなくなったので、これに関してはもう大丈夫なんです」

 へらっと笑えば、篤人は探るような眼差しで千晃を見つめた。
 無理をしていないか、と気にしてくれているのが伝わって、本当に大丈夫なのだと千晃は控えめに微笑んだ。

「まあ、昔は、母からいろいろ言われましたけどね。あはは……」

 時折、千晃の母は呪詛のように千晃を蔑んだ。千晃にはどうしようもない酷い言葉を吐いて、じわじわと言葉だけで千晃を追いこみ続けた。

 お前なんか、流れてくれればよかったのに。
 そしたら、私もあの人の面影を見続けなくて済むのに。
 あの人を見返すために、私はもっといい人を掴まえないといけないのに。
 なのにお前なんかがいるから、いつも私は不幸なのよ。

(母さんは必死だったのかもしれないけど……あの頃は、僕もつらかったな)

 肉体的な暴力はなくても、言葉の刃は千晃を傷つけた。
 そのたびに、千晃は「なんで生まれてしまったんだろう」と自分を責めていた。当時は、自分を責めているということすら意識していなく、母の言葉をそのまま受け止めていただけだ。でも、千晃の心は確実に傷ついていた。

 そういうことがあったから、千晃は何度も「生まれてこなければ」と思った。
 そして、暮らしが苦しく、つらい思いをしなければならないのは自分のせいだとも、小学校に上がらないうちから思っていた。

 もちろん、幼い千晃に状況を打破することなどできない。それは千晃のせいでも、まして生まれてきたのが駄目なわけでもない。
 それでも小さな千晃が自分を責めていたのは、きっと、誰かを恨むよりは自分の非にすることで、どうにか精神を保っていたからだ。他者に強い思いを向けるというのは、とても労力のいることだから。

 しかし、施設で世話になるようになってから「不遇な環境に生まれ落ちたのは、千晃のせいではない」と、周囲の大人から何度も言い聞かせられてきた。
 そのおかげで、それまで思っていた自分の存在意義だとか、価値だとか、そういった類いのものを少しだけ肯定できるようにはなった。

 それは、千晃が考えなくていいことだと優しい大人たちが教えてくれて、それでようやく千晃は少なくとも『自分のせいではない』という理屈を受け入れることができたおかげである。

「まあそれで……」

 自分の母が、人として何か欠落しているのは承知の上で——。

「母は、父との間に僕を作ったけれど、その恋は実を結ばずに終わりました。残ったのは、彼女にとって不要な僕だけ。それからも母は、別の男の人……と、幾度も恋人になって。でも、いつも最後には母は捨てられる。そうやって恋が終わると、母に残ったものは僕みたいな彼女にとっては要らないものばかり。そういうのが積み重なるたびに、母は荒れてました」

 荒れるたびに、千晃を言葉の刃で傷つける母。
 恋が終わるたびに、誰かを傷つけずにはいられない人。

 千晃には、その母の血が半分流れている。
 そしてもう半分は、そんな母を無惨に捨てた男の血が。

 ——そういう人間に、なりたくない。

「だから……恋は、終わるものなんだって。恋人になったら、あとは終わりに向かうものなんだって。僕はそう考えてて……」

 結局は終わるものならば、ずっと片想いでいい。
 誰かを傷つけるだけのものならば、何も始まらなくていい。恋人になんて、ならなくていい。

 全然上手く説明できなかったのは理解しつつも、千晃は口を閉じた。
 これ以上は理由らしい理由を話せなかった。

 たどたどしく、拙い言葉でしか紡げなかったけれど。それでも千晃は精いっぱいに話をした。
 それは篤人にもしっかりと伝わったようで、ぎゅっと口を噤む千晃に手を伸ばし、子どもをあやすように頭を撫でた。それに千晃は少なからず驚く。

 施設のスタッフ以外では、はじめて頭を撫でられたんじゃないだろうか。
 慣れない感触に、心がそわそわし始める。大きな手はたしかに大人の男性のものなのに、怖くないどころか、ひどく心地がいい。

「つらいことを話させちゃって、ごめん。話してくれて、ありがとう」
「いえ、そんな……全然……。昔のことですから」

 もう随分と過去の話だ。
 だから、『つらい』なんてことはない。

 話をひと通り聞いた篤人はしばらくの間、無言で千晃の頭を撫でていた。昔の自分を慰めるような手つきに、千晃は戸惑いつつも身を任せる。
 つらい話なんかじゃないけれど、好きな人に過去の自分を労ってもらえるのは悪くない。そんな気持ちだった。

「恋は、たしかに終わりを迎えることはある。けどね——」

 しばらく篤人にされるがままにしていると、頭を撫でていた手がゆるやかに耳へと落ちてきて、指先が千晃の耳介に触れた。うっすらと官能を見せる触れ合いだが、嫌な感じはしない。

「俺は、この恋を終わらせるつもりはないんだ」

 真っ直ぐに千晃を見つめる瞳には、いろんな想いに染まっていた。
 同情や憐憫。そういった類いのものが含まれている眼差しには慣れているけれど、たしかに恋情や慈しみ、千晃への情欲と呼ぶのに近いものがしっとりと混ざっている。慣れない温度に千晃の心はゆらゆら揺れた。

「千晃くんの見てきた恋は、たしかにあまり良いものではなかったんだろう。けど、それは恋のすべてじゃない。たとえば、恋はやがて愛に変わることもある」
「愛?」
「そう、愛。その愛のかたちも、きっといろいろだ。夫婦というかたちになることもあれば、友情というかたちになるときもある。家族、ただの知人、過去の楽しい思い出。なかには、好ましくないかたち、望まなかったかたちになることもあるけどね」

 終わるのではなく、変化することもあると説く篤人。
 その考え方に、千晃は目を丸くした。終わることしか考えていなかったから、まさに目から鱗だった。

 自分に関心がない母と、物のように扱ってくるその時々の母の恋人。それが千晃の最初の世界。そこに、『夫婦』だとか『家族』だとかいうかたちは存在していなかった。知らないものは想像すらつかないものだ。
 歪な成長をしたからか、施設で世話になるようになってからも千晃の世界に新しい価値観が生まれることはなかった。あるいは、心が凍ったままに大人にまでなってしまったからだともいえる。

 クラスメイトはいたけれど、仲の良い友人は作れなかったから『友人』というかたちもよくわからない。千晃を心配して、親切にしてくれた人はたくさんいたのに、千晃には遠い世界だったから、踏み込もうとすら思わなかった。

「違うかたちに、変化する……」

 愛情。友情。家族愛。
 言葉では理解していても、感覚としてピンとこないものたち。

 戸惑い呟く千晃に、篤人は頷いた。

「今の日本では、夫婦みたいな正式な形でのパートナーにはなれないけれど、俺は千晃くんと、長い時間をかけて絆を紡いで、愛をもっと大きくして……そうしていつかは、夫婦に近いかたちになれたらいいなと思う」

 耳介に触れ、そこに近い髪の毛先を摘みながら紡ぐ篤人の言葉は、ゆっくりと千晃の中へと馴染んでいく。

 篤人の言葉を頑張って解釈すると、恋人を越えて、夫婦や家族になりたいということなのだろう。そして、そこに『終わり』はないのだ、ということもさすがに理解できた。

 だからこそ、疑いと戸惑いが、嬉しい気持ちをぐるぐる回して、一緒くたになって千晃の中を駆け巡る。

「一目惚れ、なのに……?」
「そう。千晃くんに心底惚れちゃったからね」

 惚れたというだけで、一生を指し示す希望を語るのは、場合によっては軽薄に受け取られるのに。
 篤人の発言がまったくそう感じないのは、彼の真摯さが髪を梳いて耳介をなぞる指先や落ち着いた声色、そして千晃を映す瞳の強さに宿っているからだ。

「それに。今話して、俺は確信したよ。君のことを幸せにできるのは俺だなって」

 恥ずかしい話も、篤人はさらりと口にする。

「だからさ。俺の恋人になってよ、千晃くん。そして、デートしたり、一緒にご飯を食べたり、お互いのことをたくさん知っていきながら、二人だけのかたちを作っていこう」

 ——終わりなんか、ないよ。

 最後にはそう言って、笑顔を向けた。
 それは、千晃が好きなあの笑顔。篤人が笑った途端、いっそう世界にきらきらと光が飛んで、眩しく見えた。


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