<3ヶ月の宝物>

yoshi

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第二話 初デート

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それからというもの、毎日朝おはようから始まり、夜おやすみまでのたった二通のメールのやり取りが続いた。
朝送ったメールも返事が来るのは夕方、忙しいから仕方ないと自分に言い聞かせていた。
それ以外の事は電話もほぼ出来ず、メールは必ず返ってくるが、挨拶程度の話はせず日々過ぎて行った。
それでも俺は繋がっていられる事に満足だった。
そんなやり取りを始めてから1ヶ月ちょっと経った時、

「5月5日予定空けれそうだけどどう?遊べる?」

瑞希ちゃんからの急なお誘いのメールが!!
勿論俺は迷わずOKの返事をした。
その日をどれだけ待ち望んだ事か。まだ少し先の事なのにテンションはMAX。
その日を楽しみにまたいつもの日常を過ごした。

そして、当日。なるべくいっぱい遊びたかったので朝10時に待ち合わせの約束をした。しかし、その大切な日に着ていく服がない!!
焦った俺は朝から車を走らせ洋服屋へ。時間は朝9時、そんな時間に開いている服屋など無く、来てしまった以上開店を待つしか無かった。

10時開店、、、完全に遅刻だ。すぐに電話をして、恥ずかったが事情を説明。開店後速攻で選び、すぐに着替えて急いで待ち合わせ場所に向かった。
そこには待ってくれている瑞希ちゃんが。

「お待たせしまして、、、」

申し訳無さそうに俺が言うと、ニコッと笑って

「そんなに無理しなくていいのに。」

と返してくれた。その笑顔が何だか嬉しかった。
車に乗り込みいざ出発!やっとこの日を迎えられた俺はテンションを上げずにはいられなかった。

「今日はどこに行くの?」

と聞かれたが、

「内緒♪」

笑顔ではぐらかし、答えなかった。勿論プランは立ててある。折角の大切な1日を最高に過ごしたかったから下調べは完璧!行き先はオシャレな街神戸とかなり前から考えていた。

道中色々な話をしながら笑いが絶える事無いよういっぱい話した。
俺の仕事の事、彼女の学校の事。メールでは知らなかった彼女の事を一杯知る事が出来た。

車中色々な話をしながら目的地神戸に到着した。楽しい会話だったからか、凄く早く着いた気がした。

春なのに風が冷たく肌寒い中街を散策。途中寒そうにしていた姿が気になったので、

「寒い?上着貸すよ?]

ちょっとカッコつけながら言う俺。

「大丈夫♪」

ほっぺを真っ赤にして答えていた。
一つ一つの仕草がとても愛おしく思えた。

色々見物して、少し日が暮れて来たのでご飯を食べようといざ中華街へ!いっぱい美味しい物を食べて貰おうと思ったが、少食という事を聞き少し残念。
でも、普段と違う光景に驚き、笑い、楽しそうにしてくれていた。

中華料理屋に入り食事をする。普段ならここでビールを飲みたい所だが、大事なデートなので我慢。食事をしながらも街の感想や過去の話などで盛り上がる。

お腹もふくれ、そろそろ帰ろうかという雰囲気の中来た道とは違う方向へ車を走らせる。すると瑞希ちゃんは不思議そうに、

「こっちであってるの?」

少し不安気。

「大丈夫♪大丈夫♪」

ニヤニヤが隠しきれずにそう答える俺。
勿論、あっているはずがない。もう一つプランを練っていたからだ。
車はそのまま山道を登って行く。とうとう瑞希ちゃんの顔に笑顔が無くなりかなり不安そう。少し気にはなったが目的地まで急いだ。
山頂に着き、降りようと言うと何だか察したのか素直に降りて来た。

デートの最後は綺麗な夜景をプレゼント。
見える所の近くで目をつぶって貰い、連れて行き合図と共に目を開けてもらう。

夜の神戸の街が解き放つ無数の光。綺麗にオレンジ色に光るタワー。色々な物が最高の輝きを放つ夜景に連れて行った。
俺も声が出なかった。おそらく今まで見た中で最高の夜景。
となりを見ると瑞希ちゃんは感動で少し目が潤んでいた。
その姿を見た俺は心から嬉しかった。
準備は整ったので、意を決して切り出す。

「出会って一ヶ月、色んな話をメールでしかしてなかったけど今日始めてデートして本気で思いました。俺と付き合って下さい!」

とうとう告白。何て答えが来るかドキドキ心臓が飛び出しそうだった。

少し間が開く、、、間が長い、、、恐らく1、2分だろうが、数十分にも思える沈黙。
ダメなのか?と思ったその時、彼女の口が開く。

「ほんまに嬉しいんやけど、、、」

けど??ダメなんか。と思ったら、

「まずは友達からお願いします♪」

良かったのか?と疑問も残るがノーでは無いから良かった。と思い、勢いでハグをしようとしたその時、凄い勢いで避けられた。俺はビックリし過ぎて固まってしまう。

え?全然あかんやん。

心の中でそう思いショックで言葉が出なかった。
すると瑞希ちゃんがそれを察しオロオロしながら、何かを言おうとしているが、言い出せないのかモジモジしている。投げやりになった俺は、

「何?言いたい事言ってや!」

少し感情的になり言ってしまった。彼女は覚悟が決まったのか口を開いた。

「そんなんじゃ無くて、、、」

説明を始めた。ゆっくりと、そして少し悲しそうな顔で話す彼女。

話を聞くと、元々付き合っていた彼氏の家に遊びに行っていた所、元彼の友達も一緒にいて少し元彼が不在にした際に性的なちょっかいを受けたそう。その事を元彼に相談したが、ただの悪ふざけとだけ言われ対処してくれなかったと。それで、自分1人で抱え込み人間(男性)不審になってしまったとの事だった。

内容を聞いて、感情的になった俺は情け無くなった。それと共に申し訳なくなり、何度もごめんと繰り返した。

彼女は泣いていた。無理して話させてしまった後悔と、わかってあげられなかった俺の心の狭さが嫌になった。

少し沈黙を挟み、なんとか彼女が落ち着いてきたのを見て俺は言った。

「大丈夫!そんな事は俺が全部忘れさせてやる!瑞希ちゃんが良いと言うまで一切触れないし、何もしないって約束するから!だから、これからも仲良く宜しくお願いします!」

思いきって気持ちを伝えた。恐る恐る彼女の顔を覗き込むと、涙でくしゃくしゃになった顔に笑顔が戻り、コクンと頷いてくれた。何だか複雑な気持ちだったが、安心した。
その後少し夜景を堪能して帰路についた。

行きよりも少しぎこちない会話をしながら彼女の自宅前に送り、自宅に戻る中色々考えた。が、何も整理がつかないが、とりあえずはお付き合い出来た?事に満足していた。

家に帰り携帯を見ると、メールの着信が。

「今日は本当にありがとう。いっぱい感動したし、久しぶりに心から笑えたよ♪嫌な思いもさせちゃったけど、これからもよろしくお願いします!」

確認した後1人でにやけていた俺。その日はとても心地よく眠りにつけた。
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