僕の兄は◯◯です。

一章

万死一生

　兄上さまと初めて顔を合わせたその後、すぐさま寮に駆け込んだ僕は、夕飯を作ってくれていた広太に抱きつき…もとい突撃し、怯えた。


もうそりゃあ盛大に怯えたさ。


あれから鳥肌総立ちですもん。


広太は広太で、親友の心知らずか「気色悪っ！くっつくなし!!」と直ぐに引き剥がしやがった。酷い奴め。


　ガクガクぶるぶると震える僕を見て事を少なからず理解したのか、とにかく食べながら話そうぜ、と食卓へと促す広太の後をついていく。


焦げが目立つチャーハンを食いながら、かくかくじかしがと事の成り行きを説明してやれば。


「ぎゃははははっ!!」


　大爆笑された。


「もうアレだろ、さっさとあの兄貴に会って巻き込まれろっーバ◯モス様のお導きだろ？」


「マジでか。それをメ◯ゾーマで焼き払ってもOK？」


「ラスボスだからな。無理だろ」


「だよな」


「うん」


　真顔で繰り返されるド◯クエワールドを真剣に会話しながら、ガクッと机に額を乗せた。


「っか…何で一年の教室に居るんだよアイツ。帰れよ。できすぎワールドに帰れよ。僕はの◯太ワールドの住人なんだよ」