かみたま降臨 -神様の卵が降臨、生後30分で侯爵家を追放で生命の危機とか、酷いじゃないですか?-

牛一/冬星明

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29.万策尽きた。

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魔の森に進路を変えた魔物達を横から圧力を掛けて城壁町ウェアンに押し戻そうと周り込んで姿を現したワイバーンを一撃で仕留めた。
索敵を展開している私には低空飛行で接近するワイバーンの進路が手に取るように見えていた。
魔物らを使って私らを襲わせるとか姑息過ぎる。
心臓を一撃されて落下するワイバーンが魔物の上に落ちると、魔物が進路を変えそうなので落ちる前にアンカーを伸ばして、その儘に影収納に仕舞った。
二匹目が警戒して後ろに下がった。
これで右手に移動する魔物らは問題ないだろう。

「イリエ。受け取りなさい」

影収納からイリエや子供らに贈るプレゼントの試作品を取り出した。
町の買い出しで鉄のインゴットを大量に購入し、それに炭素を結合させてダマスカル鋼に昇華させてから加工した。
すべて木目色をした美しい剣や槍だ。
刀の折り返し技術を模倣して、刃先だけにミスリルを仕込んでいる。
夜鍋をして完成させた。
完成品はすでに宝物庫の中だ。
試作品には追加の仕掛けや付加魔法を組み込んでいないが性能は同じだ。
細身の剣からバスターソードまで色々と造ってみた。
バランスなどを確認する為の試作品なので柄が長いモノから短いモノがある。
槍も刃先は同じだ。
杖は魔の森の木を材料に加工して先端のみダマスカル鋼を包み込み、先に針ミスリルを仕込んだ。

「刃先にミスリルを使っているから、魔力を流せば威力が増すわ」
「マジか!?」
「左手から断崖をモノともせずに越えてくる魔物らが来るわ。イリエらは町に向かって走りながら追い越してくる魔物の討伐をお願い」
「判った」
「冒険者さんも好きな獲物を持って行って下さい。報酬の先渡しです。」
「いいのか?」
「死んでも知りません」
「覚悟している」

皆、悩む暇がないのを承知しており、好きな獲物を手に取ると走り出した。
ソリンが足を止めて聞いてくる。

「ジュリは行かないのぉ」
「私は残っているワイバーンを討伐します」
「まだいるのか?」
「目の錯覚かと思ったわ」

後方に隠れていたワイバーンがホバリングをしながら上昇して姿を現す。
グワァァァァ、グワァァァァ、グワァァァァ、グワァァァァと残り9匹のワイバーンが五月蠅い。
仲間を殺されて私を睨み付けている。

「ジュリ。俺も・・・・・・・・・・・・」
「イリエは魔物の討伐よ。ワイバーンに挑もうとか考えないで」
「だが」
「ワイバーンの爪は私の結界を簡単に破るのよ。イリエ達は邪魔よ」
「だが!?」
「イリエ。ジュリ様は邪魔だと言った。俺達は俺達の仕事をするぞ」
「ヨヌツ。ジュリを一人で残していいのかよ」
「主人の命令は絶対だ」
「ジュリは大丈夫なの?」
「ソリン。楽勝よ」

私は親指を上げてそう答えた。
9匹だけなら楽勝だ。
でも、私は知っている。
こいつらが異常な仲間意識を持っている事を・・・・・・・・・・・・。
9匹を倒した後に本隊が来る。
それが問題だ。
考えろ。
リリーが私の顔を見て、何かを察したようだ。

「ふん、勝手に死なないでよ。まだ金貨10枚を返していなんだから」
「今度は受け取るわ」
「絶対よ」

リリーも町の方へ駆け出した。
断崖を迂回した魔物の群れが山を越えて姿を現す。
背後のワイバーンに恐怖してパニック状態だ。
私などに目もくれず、どどっどどどどどっと横を通り過ぎて行く。
私はワイバーンを睨み付けた儘で対峙していた。

イリエ達は町に辿り着いた辺りで戦闘になりそうだ。
断崖を迂回した魔物の数は多くない。
問題は最初から山越えを選択した2,000匹の魔物だろう。
だがしかし、山越えに時間が取られている。
すべてがウェアンに来ない事に期待しつつ、領都の騎士団を待つしかない。
兵士ではパニック状態の魔物を相手するのはキツい。

ワイバーンが動いた。
接近して来た奴に短槍を投げた。
だが、その短槍を見定めてくるりと回避すると口からブレスを吐いて離脱する。
私もその場から飛び跳ねて回避した。
ちょっと卑怯じゃない。

ヒットアンドウェイ。
ある程度、近づくとブレスを吐いて急上昇する。
9匹が次々とブレスの雨を降らせて来る。
短槍を異常に警戒されている。
これでは積み上げた断崖より下に降りてくれないとまともな攻撃が出来ない。

他にも手はある。
今の私なら『天空』というスキルの模倣で空をある程度は飛べる。
光の魔法『ウォール』を足場にして跳んで移動する。
足の裏で爆発の魔法を使って勢いを増す。
敵がこの9匹で終わるならば、空を駆けて追撃戦もできるだろう。

私は魔力回復ポーションを取り出して飲み干した。
マズい。
混ぜ物なしの純正品だ。
そのお陰で魔力がグングンと回復する。
以前の私とは違うのだ。
過剰摂取は厳禁なので何度も回復できる訳ではない。
すぐに吸収できなかった以前とは雲泥の差だ。
私はブレスを躱すがラチがあかない。

城壁の手前で戦闘が始まった。
ちょっと!?
我が軍の戦力は圧倒的だった。
26人の魔法使いが一斉に攻撃を仕掛ける。
魔物達がボロ雑巾のように跳んで行く。

ピンポン、悲しいお知らせです。
私の神力の影響を受けて、過剰レベリングされた皆は成長が著しく、 なんとリリーまで魔力の総量で負けました。
めっちゃ悔しいから教えていません。
成長の余地がない私と成長に余裕がある子供らでは成長速度が違った。
私も日々成長しています。
生後四ヶ月半のステータスではありません。
でも、子供らの魔力量で追い付かれた。
眷属の子供らにおいては軽く倍を越えている。
子供らは中級魔法を連続使用できる。
私は出来ない。
私の威厳はもうズタボロです。

眷属ちゃんは属性を無視して影魔法も習得し、リュックサック1つ程度の収納も使える。
全属性持ちだからね。
私が出来る事は彼女らも出来る。
各種の回復ポーションの作り方も教えたのでいくつ携帯させている。
神力という裏技を除くと、私以上の魔法使いが四人も居て、同程度の魔法使いが27人もいる訳なのよ。
城門に入らずに、私の帰りを待っていたみたい。

魔法攻撃で漏れた敵をイリエらと冒険者が狩って行く。
そこに三剣士スキルが解放された。
スタンピードのような絶体絶命の状態になると解放される眷属ちゃんらを守る為のスキル『狂戦士バーサーカー』だ。
周辺の精霊の魔力を取り込んでステータスが10倍に跳ね上がる。
闘気による絶対防御が同時発動され、反射神経も10倍に跳ね上がる。
意識はスローモーションの世界だろう。
体の動きが100倍になる訳じゃないけどね。
外部から魔力を吸収し続けるので魔弾程度なら無限に撃ち出す事も出来る。
欠点は理性が低下する。
故に、『狂戦士』と名付けられたスキルだ。
眷属ちゃんを守る為に三人の子供守護者が無双している。
危機が去るか、体力が尽きるまで行動を続ける。
スキルの1つがこんなに早く解放される事態になるとは思わなかった。

紙クズのように魔物らが倒されて行く。
それに気付いたワイバーンらが気分を害したらしい。
私を追い越して城壁に向かった。
ちょっと待て!
お前らの相手は私だ。
町に影響を出さないように峠付近で戦闘に応じたのに私を無視するな。

「私の子供に、生徒に手を出すな」

ズバッシュと翼を羽ばたくと加速して町に近づいた。
時速何キロ出ているんだ?
町まで2kmも離れていても、ワイバーンにとっては一瞬だ。
9匹が一斉に迫り、6匹が急降下して子供らに迫った。
イリエ達や冒険者の顔が歪んだ。

「だから。お前らの相手は私だと言っただろう」

次の瞬間に迫っていた6匹の首が飛び、上空に飛んでいたワイバーンも落下する。
最後の一匹に迫った所で『加速装備』がタイムアップして通常時間に戻った。
だが、突然に横に現れた私に驚いたワイバーンも驚くだけで首を狩られた。
私は自然落下しながら上昇気流を作って落下速度を落として着地した。

「ジュリ、スゲぇ。何もやった?」
「ジュリ様。助かりました」
「えっ、えっ、えっ、えぇぇぇ~~~~?」
「ジュリ。今のは?」
「私の奥の手よ」
「奥の手って、ワイバーンを一方的に勝てるなんて異常よ」

子供らは「ジュリ」、「ジュリ」、「ジュリ」と大騒ぎだ。
私は魔力回復ポーションを取り出して口に含んだ。
皆は大喜びだが、私の気分は最悪だ。
遠くに霞む山から黒いもらが近づいて来ていた。
パッカ、パッカ、パッカと思った以上に早く姫様と騎士団が到着した。

「ジュリアーナ・アラルンガル公爵令嬢。其方に聞きたい事がある」
「別に答えても宜しいですが、その前にあれを何とかしましょう。何か良い知恵はありませんか?」
「あれ?」

私が東の空を指差すと、黒い粒が大きくなるのに気が付いたようだ。
強化魔法で視力を強化したのだろう。
青い目を何度も瞬かせて見直している。

「まさか?」
「ワイバーンの大軍です。仲間が倒されたので怒り狂って襲ってくるでしょう」
「なっ、何匹いるのだ」
「500匹は越えていそうですね。何か良い手立てはありませんか?」
「ある訳がなかろう」

う~ん、困った。
私はワイバーンを追い返しながら追撃し、敵のボスを倒してワイバーンを撤退させようと考えた。
それが考え抜いた結果だった。
その為に魔力の消費を抑えていた。
その唯一の作戦が崩れた。

子供らを狙われて思わず殺してしまった。
これで総力戦になってしまった。
魔力回復ポーションで魔力を回復し、魔石と聖剣に貯めた魔力を回収しても、何回の『加速増備』が使えるだろうか?
あの数のワイバーンを倒すのは難しい。
究極魔法、せめて上級魔法が使えれば、状況を一転できるのだが・・・・・・・・・・・・私が使えるのは中級魔法のみだ。
こんな事なら眷属ちゃんらに上級魔法をマスターさせておけば良かった。
後悔先に立たず。

「アーイシャ様は何か上級魔法が使えますか?」
「もちろんです。私が使える上級魔法は『大浄化』です」

対アンデッドに最強の切り札だ。
でも、竜系のワイバーンには利かない。
駄目だ。使えない。
万策尽きた。
子供らを連れて森に隠れよう。
もうそれしかない。
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