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56.カロリナ、うどんもぺろり!
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ブリタ港を早朝に出航した。
船は東に進路を変え、追い風となって速度が出る。
馬車で7日も掛かる行程が3日に短縮できる。
「それでも三日も掛かりますか!」
退屈な日々が始まる。
することがない。
船員から稀に海賊も出ると聞いて湖の方をずっと見ていた。
見えるのは水平線だけであった。
船に慣れたのか?
イグナーツ、イェネー、クリシュトーフ、カールの戦闘訓練も始まった。
でも、足取りが危ない。
何も考えず、昼寝をしながらぼぉ~とする。
◇◇◇
ズゴォォォォ、3日目の早朝に雷でも落ちたような音でカロリナは目を覚ました。
慌てて甲板に上がると、ラファウ達も上がっていた。
皆、東の海の方を見ていた。
目を凝らすと二本マストの帆船が見える。
「何の音ですか?」
「判りません。沖に撃っているようです」
「魔法ですか?」
ズゴォォォォ、ズゴォォォォ、ズゴォォォォ、ズゴォォォォ、船の横から火が吹くと遠くの海で水柱が4つ立ち上がった。
小さな小舟を狙っているようだ。
それが何か判らないが、武器であることは間違いない。
「二本マストの大型帆船だな!」
「南方交易所が造船し、セーチェー家の北方商会に貸し出している奴とそっくりです!」
「ラファウとルドヴィクは見たことがあるのですか?」
「はい、新造艦ということで見に行きました」
「こいつの軽く倍はある大きな船ですぜ!」
「ヴォワザン家がオリテラ帝国との交易で使っていますから、こちらに在っても不思議ではありませんが、あのような武器は始めて見ました」
「筒から撃つ魔法具と言えば、鉄砲か?」
「違う。あれはもっと小さい、人が持てるものだ」
「大きくすればいいのではありません」
それだ!
ラファウとルドヴィクが声を揃えた。
しばらく、大砲の砲撃を見ていた。
しかし、帆船が近づくと撃つのを止め、船の横に出ていた筒を仕舞った。
「見せたくなかったのか?」
「おそらく、こちらの発見が遅れたのでしょう」
「そうだとすると、ラッキーだったな!」
ラファウが悪い顔をしている。
夕刻前にクレタ港に到着すると、ラファウはカロリナと別れて、さっそく船乗り達に聞いて回った。
カロリナは宿街に移動する。
しかし、港の近くに流行っている店を見つけ、男達がつるつるっと美味しそうに食べている。
これは食べるしかない。
「これは何ですか?」
「これはうどんというスープだ」
「うどん?」
「小麦粉から作った麺をスープの中に入れて食べると美味いのなんの!」
「小麦から作った麺でしたらウンザーの麺のようなものでしょうか?」
「あいつほど固い麺じゃない」
そう言って、さっそく食した。
汁と麺だけの素朴な料理だった。
さっそく真似て、フォークで掬ってつるつると麺を食べると面白い。
麺と一緒に出汁が絡み付いてくる。
半透明の薄い出汁は塩出汁ではなかった。
深みのある旨みがあり、色々と工夫がされている。
「俺は何と言ってそばが一番だ」
「安いからだろ!」
「材料は雑草のグアの実だ。うどんスープの半分の値段だからな!」
「違う。こっちの方が、風味があって美味いんだよ」
馬鹿にされながら、男が必至に訴えていた。
真実かどうか、食べれば判る!
うどんスープを飲み干すと、そばも頼んだ。
なるほど!
そばの方が歯ごたえがあり、噛むと風味が広がってくる。
これが雑草のグアの実というなら考えを改めねばならない。
「お嬢ちゃんは美味そうに食うな!」
「食べるのは大好きです」
「がははは、いい食べっぷりだ。これも食うか!」
カロリナを気にいった店主が声を掛けて来た。
出されたのは小麦まんじゅうだった。
水あめを入れた小麦粉を固めただけに少し甘いまんじゅうだった。
カロリナは遠慮なく頂いた。
「その服を見れば判る。お嬢様はいい所の出だろう」
「ええ、間違いないわ」
「それなら町を巡ってみるといい。うどん店だけでも20店はある」
「どこが美味しいのですか?」
「そうだな、サヌキ店、イナニワ店、天ザル店の三店は食堂から独立した奴が店主をやっていて間違いなく美味い」
料理教室というモノがあり、定期的に(南方交易所)食堂の料理人が指導してくれる。
才能があると認められると食堂に勤められ、一通り覚えると独立が許される。
「もしかすると、王都で店を出してもいいのではありませんか?」
「よく知っているな! お嬢ちゃん」
パン屋のお姉さんもそうして独立したのか!
独立する場合、色々な条件が出される。
この世界には特許なんて制度はないので契約魔法で約束を従わせる。
「では、おじさんも!」
「止してくれ、俺はそんな大した者じゃない。選ばれなかったさ!」
「このうどんスープは十分に美味しかったですわ」
「ありがとうよ」
領主主催の品評会があり、新しい料理を考案するとご領主様から奨励金が貰える。
店主はその奨励金で店を出したらしい。
うどんとそばは材料費が安く工夫がし易い。
うどん店が多いのはそういう理由だ。
「王都でも料理教室を開けば、味が向上し、新しい料理が生まれるのですね!」
「ラーコーツィ家主催の品評会を開く訳ですね!」
「クリシュトーフ、その通りです。王都に帰ったら準備をしてくれますか?」
「お任せ下さい」
「俺達も手伝います」
「もちろん、お願いするわ!」
遠くの南方まで来た甲斐があった。
宿に戻ってきたラファウはカロリナに謝罪した。
一団を離れて調べた結果、余り有力な情報が掴めなかったそうだ。
「警護を離れながら得るものもなく面目もございません」
「いいのよ、しばらく逗留します」
「しかし」
「ラファウは私の目的を忘れたのですか? 私はカレーを食べに来たのですよ。イェネー達のレベル上げは次いなのです」
「そう言えば、そうでした」
「ラファウが調べても口を割らない。調べがいがある町ですね! ゆっくりと調べましょう」
カロリナは楽しそうだった。
ふふふ、これでゆっくりと町を巡ることができますわ。
南方料理を食べ尽くせますわ!
ラファウはカロリナの意図を察した。
否々、勘違いです。
なるほど、書類を見ただけでは南方の発展の異常さが判らなかった。
ラファウはブリタ港町とクレタ港町しか見ていない。
しかし、どちらも風呂があり、上下水道が完備されていた。
まるで王都も模写したようだ。
その膨大な富をどこから捻出しているのか?
調べがいがある。
カロリナ様はこれを私に見せる為にカレーを食べたいなどと言ったのか?
誰かの諫言か、カロリナ様の勘か!
いずれにしろ、ここに来て正解だと思った。
「カロリナ様の命に従い、予定を変更して、しばらくお時間を頂きたいと思います」
「ええ、私はカレーを食べるまで動くつもりもありません」
(カレーだけじゃなく、すべてを食べ尽くしてみせますわ)
「尽きましては、人手をお借りしたいと思います」
「いいでしょう。護衛はルドヴィクのみとします。他の者はラファウを手伝いなさい」
「カロリナ様」
「ルドヴィクが一人で十分でしょう。ねぇ、ルドヴィク」
「お任せ下さい」
「クレタ子爵はどうされますか?」
「長逗留しているのに、あいさつしない訳にも行かないでしょう。明々後日にあいさつに伺うと使者を立てて下さい」
「明日ではなく、明々後日ですか?」
「クレタ子爵は料理を奨励しているそうです。時間があった方が歓迎もやり易いでしょう。ラファウもご存知でしょう。食材を集めるのには時間が掛かるのよ」
(最高級の食材を集めて、最高級の南方料理を期待しますわ)
「では、私らも珍しい食材を聞いて歩くとしましょう」
「それは素晴らしいわ!」
カロリナはどこまでも打算的であった。
どこまでも馬鹿を演じて下さる。
ラファウはカロリナに感謝した。
ラーコーツィ家の令嬢が食道楽であることは知れている。
食の情報を集める分には目立つことはない。
何という知略だ。
相手に警戒感を抱かせずに目的を為す。
ラファウはとても優秀なのだが、いい様にしか解釈しなくなる。
とても残念な人になっていた。
「エル、明日は庶民の格好で食べ歩きをします。」
船は東に進路を変え、追い風となって速度が出る。
馬車で7日も掛かる行程が3日に短縮できる。
「それでも三日も掛かりますか!」
退屈な日々が始まる。
することがない。
船員から稀に海賊も出ると聞いて湖の方をずっと見ていた。
見えるのは水平線だけであった。
船に慣れたのか?
イグナーツ、イェネー、クリシュトーフ、カールの戦闘訓練も始まった。
でも、足取りが危ない。
何も考えず、昼寝をしながらぼぉ~とする。
◇◇◇
ズゴォォォォ、3日目の早朝に雷でも落ちたような音でカロリナは目を覚ました。
慌てて甲板に上がると、ラファウ達も上がっていた。
皆、東の海の方を見ていた。
目を凝らすと二本マストの帆船が見える。
「何の音ですか?」
「判りません。沖に撃っているようです」
「魔法ですか?」
ズゴォォォォ、ズゴォォォォ、ズゴォォォォ、ズゴォォォォ、船の横から火が吹くと遠くの海で水柱が4つ立ち上がった。
小さな小舟を狙っているようだ。
それが何か判らないが、武器であることは間違いない。
「二本マストの大型帆船だな!」
「南方交易所が造船し、セーチェー家の北方商会に貸し出している奴とそっくりです!」
「ラファウとルドヴィクは見たことがあるのですか?」
「はい、新造艦ということで見に行きました」
「こいつの軽く倍はある大きな船ですぜ!」
「ヴォワザン家がオリテラ帝国との交易で使っていますから、こちらに在っても不思議ではありませんが、あのような武器は始めて見ました」
「筒から撃つ魔法具と言えば、鉄砲か?」
「違う。あれはもっと小さい、人が持てるものだ」
「大きくすればいいのではありません」
それだ!
ラファウとルドヴィクが声を揃えた。
しばらく、大砲の砲撃を見ていた。
しかし、帆船が近づくと撃つのを止め、船の横に出ていた筒を仕舞った。
「見せたくなかったのか?」
「おそらく、こちらの発見が遅れたのでしょう」
「そうだとすると、ラッキーだったな!」
ラファウが悪い顔をしている。
夕刻前にクレタ港に到着すると、ラファウはカロリナと別れて、さっそく船乗り達に聞いて回った。
カロリナは宿街に移動する。
しかし、港の近くに流行っている店を見つけ、男達がつるつるっと美味しそうに食べている。
これは食べるしかない。
「これは何ですか?」
「これはうどんというスープだ」
「うどん?」
「小麦粉から作った麺をスープの中に入れて食べると美味いのなんの!」
「小麦から作った麺でしたらウンザーの麺のようなものでしょうか?」
「あいつほど固い麺じゃない」
そう言って、さっそく食した。
汁と麺だけの素朴な料理だった。
さっそく真似て、フォークで掬ってつるつると麺を食べると面白い。
麺と一緒に出汁が絡み付いてくる。
半透明の薄い出汁は塩出汁ではなかった。
深みのある旨みがあり、色々と工夫がされている。
「俺は何と言ってそばが一番だ」
「安いからだろ!」
「材料は雑草のグアの実だ。うどんスープの半分の値段だからな!」
「違う。こっちの方が、風味があって美味いんだよ」
馬鹿にされながら、男が必至に訴えていた。
真実かどうか、食べれば判る!
うどんスープを飲み干すと、そばも頼んだ。
なるほど!
そばの方が歯ごたえがあり、噛むと風味が広がってくる。
これが雑草のグアの実というなら考えを改めねばならない。
「お嬢ちゃんは美味そうに食うな!」
「食べるのは大好きです」
「がははは、いい食べっぷりだ。これも食うか!」
カロリナを気にいった店主が声を掛けて来た。
出されたのは小麦まんじゅうだった。
水あめを入れた小麦粉を固めただけに少し甘いまんじゅうだった。
カロリナは遠慮なく頂いた。
「その服を見れば判る。お嬢様はいい所の出だろう」
「ええ、間違いないわ」
「それなら町を巡ってみるといい。うどん店だけでも20店はある」
「どこが美味しいのですか?」
「そうだな、サヌキ店、イナニワ店、天ザル店の三店は食堂から独立した奴が店主をやっていて間違いなく美味い」
料理教室というモノがあり、定期的に(南方交易所)食堂の料理人が指導してくれる。
才能があると認められると食堂に勤められ、一通り覚えると独立が許される。
「もしかすると、王都で店を出してもいいのではありませんか?」
「よく知っているな! お嬢ちゃん」
パン屋のお姉さんもそうして独立したのか!
独立する場合、色々な条件が出される。
この世界には特許なんて制度はないので契約魔法で約束を従わせる。
「では、おじさんも!」
「止してくれ、俺はそんな大した者じゃない。選ばれなかったさ!」
「このうどんスープは十分に美味しかったですわ」
「ありがとうよ」
領主主催の品評会があり、新しい料理を考案するとご領主様から奨励金が貰える。
店主はその奨励金で店を出したらしい。
うどんとそばは材料費が安く工夫がし易い。
うどん店が多いのはそういう理由だ。
「王都でも料理教室を開けば、味が向上し、新しい料理が生まれるのですね!」
「ラーコーツィ家主催の品評会を開く訳ですね!」
「クリシュトーフ、その通りです。王都に帰ったら準備をしてくれますか?」
「お任せ下さい」
「俺達も手伝います」
「もちろん、お願いするわ!」
遠くの南方まで来た甲斐があった。
宿に戻ってきたラファウはカロリナに謝罪した。
一団を離れて調べた結果、余り有力な情報が掴めなかったそうだ。
「警護を離れながら得るものもなく面目もございません」
「いいのよ、しばらく逗留します」
「しかし」
「ラファウは私の目的を忘れたのですか? 私はカレーを食べに来たのですよ。イェネー達のレベル上げは次いなのです」
「そう言えば、そうでした」
「ラファウが調べても口を割らない。調べがいがある町ですね! ゆっくりと調べましょう」
カロリナは楽しそうだった。
ふふふ、これでゆっくりと町を巡ることができますわ。
南方料理を食べ尽くせますわ!
ラファウはカロリナの意図を察した。
否々、勘違いです。
なるほど、書類を見ただけでは南方の発展の異常さが判らなかった。
ラファウはブリタ港町とクレタ港町しか見ていない。
しかし、どちらも風呂があり、上下水道が完備されていた。
まるで王都も模写したようだ。
その膨大な富をどこから捻出しているのか?
調べがいがある。
カロリナ様はこれを私に見せる為にカレーを食べたいなどと言ったのか?
誰かの諫言か、カロリナ様の勘か!
いずれにしろ、ここに来て正解だと思った。
「カロリナ様の命に従い、予定を変更して、しばらくお時間を頂きたいと思います」
「ええ、私はカレーを食べるまで動くつもりもありません」
(カレーだけじゃなく、すべてを食べ尽くしてみせますわ)
「尽きましては、人手をお借りしたいと思います」
「いいでしょう。護衛はルドヴィクのみとします。他の者はラファウを手伝いなさい」
「カロリナ様」
「ルドヴィクが一人で十分でしょう。ねぇ、ルドヴィク」
「お任せ下さい」
「クレタ子爵はどうされますか?」
「長逗留しているのに、あいさつしない訳にも行かないでしょう。明々後日にあいさつに伺うと使者を立てて下さい」
「明日ではなく、明々後日ですか?」
「クレタ子爵は料理を奨励しているそうです。時間があった方が歓迎もやり易いでしょう。ラファウもご存知でしょう。食材を集めるのには時間が掛かるのよ」
(最高級の食材を集めて、最高級の南方料理を期待しますわ)
「では、私らも珍しい食材を聞いて歩くとしましょう」
「それは素晴らしいわ!」
カロリナはどこまでも打算的であった。
どこまでも馬鹿を演じて下さる。
ラファウはカロリナに感謝した。
ラーコーツィ家の令嬢が食道楽であることは知れている。
食の情報を集める分には目立つことはない。
何という知略だ。
相手に警戒感を抱かせずに目的を為す。
ラファウはとても優秀なのだが、いい様にしか解釈しなくなる。
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