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冷たい視線
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「ミシェル!!」
昼休み、中庭でナディアと食事をしようとベンチに腰を掛けるとレオナルドが現れた。
レオナルドの後ろには顔を赤らめたカイルと、もう1人…
グリーンの髪を束ねた眼鏡の青年、瞳がグレーのせいか、少し冷たい印象がする。
あっ…攻略対象の時期宰相と言われている…
「ミシェル…良かったら、一緒に食事をしても良いか?」
ミシェルは青年からレオナルドに視線を移し、笑顔を作った。
「はい。レオナルド様。ナディアもいい?」
ナディアもコクンと頷いた。
レオナルドはパァァと嬉しそうに笑顔を作り、グリーンの青年を紹介する。
「ミシェル…。何度か会ったことあるな?ジェイス・フィーゴだ。次期宰相と言われている。フィーゴ公爵の息子だ。」
召喚されたジェイスは軽くお辞儀をしてミシェル、ナディアを見た。
「お久しぶりです。ミシェル嬢。本日はご一緒させて頂いても?」
「ジェイス様、勿論ですわ。」
そしてナディアの紹介後、ベンチで一緒に食事を始めた。
ミシェルは顔には出さないが、ジェイスが苦手だった。ゲームではかっこいいと思っていたが、現実の彼は、ミシェルを嫌っているのか、何度かパーティで会うたびに睨まれていたのだ。
彼のグレーの瞳に睨まれると精神的にくる。
あまり近付きたくない人物の1人だった。
そして、午前中の授業中にあんな事をしたカイルも側にいる。
カイルはほんのり頬を染めて、トロンとした瞳でミシェルを見ていて居心地が悪かった。
レオナルドはミシェルしか見えてないようで、そんな状況に全く気付かず、ミシェルは溜息をつく。
「ミシェル…よかったら放課後劇にでも行かないか?ジェイスにチケットを貰ってな、ミシェルと行きたいんだ。」
「まぁ!劇?素敵ですわ!」
人気でなかなか手に入らないって聞いて行きたかったの!!
喜ぶミシェルに、レオナルドはガッツポーズを小さく気付かれないように作った。
「しかし、レオナルド様は公務などは大丈夫ですの?」
コテンと首を傾げて聞く姿にキュンと胸を締め付けられながら、レオナルドは頷く。
「ああ、問題無い。では、ミシェルの家には私から連絡させる。放課後待ち合わせしよう。」
「うふっ♡楽しみですわ。」
ニコニコしながら、放課後を待ち遠しくするミシェルにデレデレのレオナルド。
そんな2人をカイルはムッと見つめる。
レオナルドはチラッとカイルを見て、不敵に笑う。
その顔が余計に腹立ち、ミシェルとの行為を一瞬暴露したくなかったが、ミシェルと視線が合うと、可愛らしい照れた表情を浮かべる姿に、カイルは口を継ぐんだ。
暴露したら、2度とあの素晴らしい時間が貰えなくなる…
今に見てろよレオナルド。
そして、やはり冷たい視線をミシェルに向けるジェイスに、身体を強張らせる。
ああー!早く昼休みよ終われ!!
「ミシェル様、ジェイス様とはどんなご関係で?」
クラスに戻る最中にナディアに聞かれて、キョトンとする。
「いえ、ジェイス様の視線がちょっと…。」
ナディアが言いにくそうに、眉を寄せているのに気づく
あの視線のことか!!
「やはりナディアも気付きました?ジェイス様とは何度か…しかし、キチンとお話した事は無いのですが、あのように冷たい視線を送られ…嫌われているようなのです。」
しょんぼりとするミシェルにナディアは少し考えた。
嫌われている?あの視線はどっちかと言うと………
「ミシェル様…あまりお気になさらず…嫌われているなど、案外違う理由かも知れませんよ?」
ミシェルはまたキョトンとした顔をする。
ミシェル様…そのキョトンとした表情…とても可愛いですわ。
レオナルド皇子様はもちろん…
カイル様もこんな可愛いミシェル様に夢中なのですね…
私が男性ならミシェル様を私のモノに出来たのに…悔しいですわ…
多分…ジェイス様も…
鈍感で可愛いらしいミシェル様。
頑張ってください。
昼休み、中庭でナディアと食事をしようとベンチに腰を掛けるとレオナルドが現れた。
レオナルドの後ろには顔を赤らめたカイルと、もう1人…
グリーンの髪を束ねた眼鏡の青年、瞳がグレーのせいか、少し冷たい印象がする。
あっ…攻略対象の時期宰相と言われている…
「ミシェル…良かったら、一緒に食事をしても良いか?」
ミシェルは青年からレオナルドに視線を移し、笑顔を作った。
「はい。レオナルド様。ナディアもいい?」
ナディアもコクンと頷いた。
レオナルドはパァァと嬉しそうに笑顔を作り、グリーンの青年を紹介する。
「ミシェル…。何度か会ったことあるな?ジェイス・フィーゴだ。次期宰相と言われている。フィーゴ公爵の息子だ。」
召喚されたジェイスは軽くお辞儀をしてミシェル、ナディアを見た。
「お久しぶりです。ミシェル嬢。本日はご一緒させて頂いても?」
「ジェイス様、勿論ですわ。」
そしてナディアの紹介後、ベンチで一緒に食事を始めた。
ミシェルは顔には出さないが、ジェイスが苦手だった。ゲームではかっこいいと思っていたが、現実の彼は、ミシェルを嫌っているのか、何度かパーティで会うたびに睨まれていたのだ。
彼のグレーの瞳に睨まれると精神的にくる。
あまり近付きたくない人物の1人だった。
そして、午前中の授業中にあんな事をしたカイルも側にいる。
カイルはほんのり頬を染めて、トロンとした瞳でミシェルを見ていて居心地が悪かった。
レオナルドはミシェルしか見えてないようで、そんな状況に全く気付かず、ミシェルは溜息をつく。
「ミシェル…よかったら放課後劇にでも行かないか?ジェイスにチケットを貰ってな、ミシェルと行きたいんだ。」
「まぁ!劇?素敵ですわ!」
人気でなかなか手に入らないって聞いて行きたかったの!!
喜ぶミシェルに、レオナルドはガッツポーズを小さく気付かれないように作った。
「しかし、レオナルド様は公務などは大丈夫ですの?」
コテンと首を傾げて聞く姿にキュンと胸を締め付けられながら、レオナルドは頷く。
「ああ、問題無い。では、ミシェルの家には私から連絡させる。放課後待ち合わせしよう。」
「うふっ♡楽しみですわ。」
ニコニコしながら、放課後を待ち遠しくするミシェルにデレデレのレオナルド。
そんな2人をカイルはムッと見つめる。
レオナルドはチラッとカイルを見て、不敵に笑う。
その顔が余計に腹立ち、ミシェルとの行為を一瞬暴露したくなかったが、ミシェルと視線が合うと、可愛らしい照れた表情を浮かべる姿に、カイルは口を継ぐんだ。
暴露したら、2度とあの素晴らしい時間が貰えなくなる…
今に見てろよレオナルド。
そして、やはり冷たい視線をミシェルに向けるジェイスに、身体を強張らせる。
ああー!早く昼休みよ終われ!!
「ミシェル様、ジェイス様とはどんなご関係で?」
クラスに戻る最中にナディアに聞かれて、キョトンとする。
「いえ、ジェイス様の視線がちょっと…。」
ナディアが言いにくそうに、眉を寄せているのに気づく
あの視線のことか!!
「やはりナディアも気付きました?ジェイス様とは何度か…しかし、キチンとお話した事は無いのですが、あのように冷たい視線を送られ…嫌われているようなのです。」
しょんぼりとするミシェルにナディアは少し考えた。
嫌われている?あの視線はどっちかと言うと………
「ミシェル様…あまりお気になさらず…嫌われているなど、案外違う理由かも知れませんよ?」
ミシェルはまたキョトンとした顔をする。
ミシェル様…そのキョトンとした表情…とても可愛いですわ。
レオナルド皇子様はもちろん…
カイル様もこんな可愛いミシェル様に夢中なのですね…
私が男性ならミシェル様を私のモノに出来たのに…悔しいですわ…
多分…ジェイス様も…
鈍感で可愛いらしいミシェル様。
頑張ってください。
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