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眠れる獅子ども10
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「おい!早く出てけよ!」
俺はイライラして枕を投げる。
枕をキャッチしながら、ムスッと唇を尖らす兵藤。
全然可愛くねぇーんだからな!
「約束だろ!ルールは守れよ!」
ハアーと溜息を深くつくと、枕を投げ返される。
「あんなのゲームだろ?何故従わなきゃならねえんだ?」
眉をよせて、ジリジリとベッドに近づく兵藤に、もう一度枕を投げる。
「西園寺は守ってきてないぞ!?お前、ゲームでもズルして、俺との約束もズルするのか!?」
俺の一言が聞いたのか、迫る足を止めた。
こりゃもう一押しだな。
「嫌いになるぞ。」
ポツリと呟いた言葉に、ビクッと身体が跳ねる。
「俺、約束守らない奴は嫌いなんだよ。」
ビクビクッと2度跳ね、ぷるぷると震え出す。
怒りのせいか?と顔を見ると、なんとも情けない顔をしていた。
鬼の兵藤が、捨てられた子犬の様に眉を下げて、唇を引き締めて耐えた顔。
「チッ!」
強がりか、舌打ちしてベランダから消えた。
「…クックッ…なんだ、可愛い顔できんじゃん。」
先程の顔があまりにも面白くて、つい笑ってしまう。
マジであの兵藤に惚れられているんだと実感がムズムズしてくる。
奴が出て行った窓を閉めようと近づくと視線を感じた。
ふと、視線の先を探す様に庭に向けると、俺は目を見開いた。
そこには、運動して帰ってきたのか、ラフな格好に肩からタオルを下げた男がこちら睨み付けていた。
猛獣の様に歪む顔、威圧する瞳に、俺は数歩窓から離れる。
そしてその場に蹲み込んで頭を抱えた。
あの顔…兵藤を見られて誤解したか?
いや、誤解じゃないが、今日は誤解だ…。
ヤバイ、とにかく先程の顔はヤバイ!!
どう、説明するか…胸がバクバクと恐怖に音を鳴らす。
そして罪悪感に襲われて、ベッドに入り縮こまる。
あいつにも告白され、1番いつも隣にいる存在。
だけど時々嫉妬に歪む顔をしている事も知っている。
暴れられたら大変な人物だ。
明日が怖い…明日が来なきゃいいのに…
うだうだとベッドで悶えている間に、願いは叶わず、朝がきた。
やはり、早くなぜか起きてしまう。
頭を掻きながら外の天気を見て、教わったサーフィンでもやるかと、下に降りる。
そこには、既に兵藤と白樺がいた。
「おはようございます。」
「おはよう、睡蓮。」
「はよ。」
「2人とも早いですね。」
冷蔵庫から水を取り、優雅にコーヒーを飲む2人に話しかける。
「ええ、私は…昨日の緊張のせいか、なかなか寝付けなくて…。」
カアアアと顔を赤くする白樺副会長。
昨日?緊張?
あっ!!と俺は告白された事に気付き、釣られて赤くなる頬を水をがぶ飲みして覚そうとする。
「…俺はサーフィンしに。」
俺と白樺副会長の様子をジトッと見ながら、呟く兵藤。
「あっ!俺も行きたい!」
副会長も誘うが、朝から運動はキツいらしい。
「俺も行く。」
急な声に俺はドキッと身体を強張らせた。
この声は今1番会いたく無い人物。
「珍しく早いじゃねえか…。」
兵藤が俺の背後にいるだろう人物に声をかける。
「…ああ、ちょっと眠れなくて、一緒していいすか?」
低い声は朝だからだろうか。少し曇る声に俺は背筋をゾワゾワさせる。
「ああ。いいぜ。」
気付かず、口元を笑わせて対応する兵藤。
すると、後ろから肩に腕を回され、耳元で声がする。
「はよ。睡蓮…サーフィン楽しもうぜ?」
横を見ると、瞳を細め、笑顔を作る人物がいた。
「おはよう…圭介。」
絞り出した声に満足したのか、肩から腕が退く。
意味深に細められた瞳はすぐに戻り、通常の圭介の笑顔に変わった。
それに、少し安心しつつ、倉庫にボードを取りにいく。
圭介は意外にも普通で兵藤とも笑い合っていた。
サーフィンもうまく、マッチョなガタイが波に乗る姿は迫力があり、かっこいい。
俺が拍手すると、満足気に手を振っている。
ホッとしながら、朝食を食べに帰ると、玄関には小川先輩と田島先輩がいて土下座された。
2人とも気にしていたらしい。
この人達の爪の垢をおませたいな、本当に!
悪びれもしないで欠伸をする兵藤を睨むと、流石に居心地が悪いのか、さっさとリビングに行ってしまった。
俺は2人に怒っていない事を伝えて、リビングに促す。
味噌汁のいい匂いに誘われて、お腹が鳴る。
すると、田島先輩も小川先輩も鳴り、少し笑みが溢れた。
長かった旅行もあっという間にだ。明日には帰る。
色々あった…本当に色々…。
まあひと時の夢として、今日も悔いなくいっぱい遊ぼう。
朝ごはんをガッツきながら俺は何して遊ぶか考えていた。
そんな俺を鋭い視線で見ている人がいるとは気づかずに。
俺はイライラして枕を投げる。
枕をキャッチしながら、ムスッと唇を尖らす兵藤。
全然可愛くねぇーんだからな!
「約束だろ!ルールは守れよ!」
ハアーと溜息を深くつくと、枕を投げ返される。
「あんなのゲームだろ?何故従わなきゃならねえんだ?」
眉をよせて、ジリジリとベッドに近づく兵藤に、もう一度枕を投げる。
「西園寺は守ってきてないぞ!?お前、ゲームでもズルして、俺との約束もズルするのか!?」
俺の一言が聞いたのか、迫る足を止めた。
こりゃもう一押しだな。
「嫌いになるぞ。」
ポツリと呟いた言葉に、ビクッと身体が跳ねる。
「俺、約束守らない奴は嫌いなんだよ。」
ビクビクッと2度跳ね、ぷるぷると震え出す。
怒りのせいか?と顔を見ると、なんとも情けない顔をしていた。
鬼の兵藤が、捨てられた子犬の様に眉を下げて、唇を引き締めて耐えた顔。
「チッ!」
強がりか、舌打ちしてベランダから消えた。
「…クックッ…なんだ、可愛い顔できんじゃん。」
先程の顔があまりにも面白くて、つい笑ってしまう。
マジであの兵藤に惚れられているんだと実感がムズムズしてくる。
奴が出て行った窓を閉めようと近づくと視線を感じた。
ふと、視線の先を探す様に庭に向けると、俺は目を見開いた。
そこには、運動して帰ってきたのか、ラフな格好に肩からタオルを下げた男がこちら睨み付けていた。
猛獣の様に歪む顔、威圧する瞳に、俺は数歩窓から離れる。
そしてその場に蹲み込んで頭を抱えた。
あの顔…兵藤を見られて誤解したか?
いや、誤解じゃないが、今日は誤解だ…。
ヤバイ、とにかく先程の顔はヤバイ!!
どう、説明するか…胸がバクバクと恐怖に音を鳴らす。
そして罪悪感に襲われて、ベッドに入り縮こまる。
あいつにも告白され、1番いつも隣にいる存在。
だけど時々嫉妬に歪む顔をしている事も知っている。
暴れられたら大変な人物だ。
明日が怖い…明日が来なきゃいいのに…
うだうだとベッドで悶えている間に、願いは叶わず、朝がきた。
やはり、早くなぜか起きてしまう。
頭を掻きながら外の天気を見て、教わったサーフィンでもやるかと、下に降りる。
そこには、既に兵藤と白樺がいた。
「おはようございます。」
「おはよう、睡蓮。」
「はよ。」
「2人とも早いですね。」
冷蔵庫から水を取り、優雅にコーヒーを飲む2人に話しかける。
「ええ、私は…昨日の緊張のせいか、なかなか寝付けなくて…。」
カアアアと顔を赤くする白樺副会長。
昨日?緊張?
あっ!!と俺は告白された事に気付き、釣られて赤くなる頬を水をがぶ飲みして覚そうとする。
「…俺はサーフィンしに。」
俺と白樺副会長の様子をジトッと見ながら、呟く兵藤。
「あっ!俺も行きたい!」
副会長も誘うが、朝から運動はキツいらしい。
「俺も行く。」
急な声に俺はドキッと身体を強張らせた。
この声は今1番会いたく無い人物。
「珍しく早いじゃねえか…。」
兵藤が俺の背後にいるだろう人物に声をかける。
「…ああ、ちょっと眠れなくて、一緒していいすか?」
低い声は朝だからだろうか。少し曇る声に俺は背筋をゾワゾワさせる。
「ああ。いいぜ。」
気付かず、口元を笑わせて対応する兵藤。
すると、後ろから肩に腕を回され、耳元で声がする。
「はよ。睡蓮…サーフィン楽しもうぜ?」
横を見ると、瞳を細め、笑顔を作る人物がいた。
「おはよう…圭介。」
絞り出した声に満足したのか、肩から腕が退く。
意味深に細められた瞳はすぐに戻り、通常の圭介の笑顔に変わった。
それに、少し安心しつつ、倉庫にボードを取りにいく。
圭介は意外にも普通で兵藤とも笑い合っていた。
サーフィンもうまく、マッチョなガタイが波に乗る姿は迫力があり、かっこいい。
俺が拍手すると、満足気に手を振っている。
ホッとしながら、朝食を食べに帰ると、玄関には小川先輩と田島先輩がいて土下座された。
2人とも気にしていたらしい。
この人達の爪の垢をおませたいな、本当に!
悪びれもしないで欠伸をする兵藤を睨むと、流石に居心地が悪いのか、さっさとリビングに行ってしまった。
俺は2人に怒っていない事を伝えて、リビングに促す。
味噌汁のいい匂いに誘われて、お腹が鳴る。
すると、田島先輩も小川先輩も鳴り、少し笑みが溢れた。
長かった旅行もあっという間にだ。明日には帰る。
色々あった…本当に色々…。
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そんな俺を鋭い視線で見ている人がいるとは気づかずに。
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