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濃ゆいお盆
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「…っていうか、叔母様?」
「んっ!もう!カ・ス・ミ・ン!!」
いつのまにか出した扇子で口元を覆い、霞美に冷たい眼差しを送る蓮花は、今流行りの悪役令嬢の様だった。
そうなると、年齢的にはアウトだが、霞美はざまぁされるバージョンのヒロインか??
蓮花が一時期ハマっていたなと、無理矢理読まされた日々をこの光景で思い出した。
だから扇子か?
ふと、遠くを見つめたくなった。
「霞美叔母様、貴方は何度お約束を破るねですか?…確か、叔母様は海斗叔父様との接近禁止を言われていますよね?」
「ッ!!た、たまたま会ってしまったのよ!!し、仕方ないでしょ!?」
そうなのだ。
求婚事件から霞美は海斗への接近を禁止されている。
大手企業でもある漆原と崎原の求婚騒動は株にも影響を及ぼす大事件となる寸前、どうにか情報の根回しで止めたのだ。
本当なら裁判沙汰になりそうだが、父と母の事もあり、崎原は霞美を訴えず、両家約束の元、接近禁止となったのだ。
(その件もあり、泣く泣く蓮花と睡蓮が崎原を名乗る事を悔し涙を流しながらも止める事が出来なかった漆原家)
だから、お盆など両家関わり、霞美が関わる場合は漆原家は時間をずらしたりなど調整しているのだ。
本来霞美だけが接近禁止なんだけどね。
だが、その霞美が何故か去年、今年とたまたまと言いつつ、姿を表す。
「たまたまが2回も続くのですか?漆原と崎原で話し合ったはずですけど?」
パチンッと扇子を閉じ、眉を寄せる蓮花の姿に、何故か睡蓮が青ざめる。
「私は、予定があって家族と来れないから、その前にお姉様にお線香をと思ったのよ!!そしたら、海斗様とスイスイが!これって運命よね?」
おいおい。まずこの日に予定いれんのかよ。
母さんが泣いてるよ。
いや、あの母なら殴るな。
「んー。運命とは思わないな。」
営業スマイルで見守っていた海斗がキラキラの瞳を向ける霞美に耐えきれずなのか、キッパリと否定した、
あっ、目は笑ってないな。
「えっ?こんな偶然は運命しかないわよ!!よく、少女漫画でもあるじゃないですか?」
両手を胸の前で握りしめ、ウルウルと訴える霞美。
それは漫画だから。と心の中で呟く。
「それは漫画だからだね。」
あっ、海斗も思ったんだ。
「今日、私が来るのはわかっていたはずだし、時間帯をずらすのも知っていたはずだし、、そうすると、漆原家のスケジュールと違う時間に来れば確率は上がるよね?それは、運命とは私は思わないな。」
「!!!」
ドキッパリと言い切られ、カッと顔を真っ赤にする霞美に、蓮花は嬉しそうにニヤニヤしている。
悪どい顔を扇子で隠せ!!
「それに……。」
ニヤニヤの蓮花を引きつつ見ていたら、ふと頭上に影が差した。
徐に顔を上げると、柔らかく蕩けそうな笑みを浮かべた海斗が俺を見下ろしていた。
そして、肩に腕を回され、海斗はまた視線を霞美に向けた。
「私は既に何年も前に運命を感じ、運命の相手と出会ってしまっているから、貴方に一切感じないんだ。ごめんね?」
うぎゃーー!!
なんちゅう事を言ってくれちゃってるんですか!!
「うげっ!甘ーーーい!」
蓮花!!言いたくなるのは分かるが、やめて!!
「な、な、ッッ!!」
霞美は海斗の甘ーーーいセリフと、キッパリと振られた発言に顔を赤くしたり、青くしたり忙しそう。
「霞美ー!!!」
あっ、向こうから駆けてくるのは…
「ママッ!!」
うげっと、顔を歪める霞美の頭をバチコンと扇子で叩く。
うわっ!痛そう!
ってか、扇子流行り?
「こんな事だと思ったわ!!あんたはどんだけ迷惑掛けるの!!1ヶ月お小遣い無しよ!!」
「いやー!!!」
母と霞美の母親の漆原美登里。
まぁ祖母だ。
ってか、いい年でお小遣いかよ!
「お婆様!お久しぶりです!」
霞美に向けた表情とは、コロッと変わり、久しぶりの祖母へと微笑みを浮かべる蓮花。
俺も嬉しい。
「おばあちゃん。」
「まぁ!!蓮花ちゃんに睡蓮ちゃん!大きくなったわね!!2人とも綺麗になって!!本当にウチの霞美がごめんなさい!!甘やかして、本当に我儘になって…いつもごめんね?」
俺達を見て嬉しそうにしたが、すぐに申し訳無さそうに眉を下げる祖母。
なんか疲れてそう。
「美登里さんお久しぶりです。」
スッと頭を下げる祖母へと近づく海斗に、ハッと頭を上げた祖母は、また勢いよく下げる。
「海斗さん。お久しぶりです。そして、去年も、今年も…大変申し訳ございません。本当にご迷惑をお掛けして、、約束も守らせられず…。
「頭を上げて下さい。美登里さんと会う事は全然問題ありませんし。本人もたまたまだと言っております。
以後この様な事が無ければ、こちらとしては大丈夫ですので。」
あ、今後は許さないって意味ですね。
祖母も理解したようで、ぐっと、唾を飲み込んだ。
そして霞美を引きずり帰ってしまった。
「んっ!もう!カ・ス・ミ・ン!!」
いつのまにか出した扇子で口元を覆い、霞美に冷たい眼差しを送る蓮花は、今流行りの悪役令嬢の様だった。
そうなると、年齢的にはアウトだが、霞美はざまぁされるバージョンのヒロインか??
蓮花が一時期ハマっていたなと、無理矢理読まされた日々をこの光景で思い出した。
だから扇子か?
ふと、遠くを見つめたくなった。
「霞美叔母様、貴方は何度お約束を破るねですか?…確か、叔母様は海斗叔父様との接近禁止を言われていますよね?」
「ッ!!た、たまたま会ってしまったのよ!!し、仕方ないでしょ!?」
そうなのだ。
求婚事件から霞美は海斗への接近を禁止されている。
大手企業でもある漆原と崎原の求婚騒動は株にも影響を及ぼす大事件となる寸前、どうにか情報の根回しで止めたのだ。
本当なら裁判沙汰になりそうだが、父と母の事もあり、崎原は霞美を訴えず、両家約束の元、接近禁止となったのだ。
(その件もあり、泣く泣く蓮花と睡蓮が崎原を名乗る事を悔し涙を流しながらも止める事が出来なかった漆原家)
だから、お盆など両家関わり、霞美が関わる場合は漆原家は時間をずらしたりなど調整しているのだ。
本来霞美だけが接近禁止なんだけどね。
だが、その霞美が何故か去年、今年とたまたまと言いつつ、姿を表す。
「たまたまが2回も続くのですか?漆原と崎原で話し合ったはずですけど?」
パチンッと扇子を閉じ、眉を寄せる蓮花の姿に、何故か睡蓮が青ざめる。
「私は、予定があって家族と来れないから、その前にお姉様にお線香をと思ったのよ!!そしたら、海斗様とスイスイが!これって運命よね?」
おいおい。まずこの日に予定いれんのかよ。
母さんが泣いてるよ。
いや、あの母なら殴るな。
「んー。運命とは思わないな。」
営業スマイルで見守っていた海斗がキラキラの瞳を向ける霞美に耐えきれずなのか、キッパリと否定した、
あっ、目は笑ってないな。
「えっ?こんな偶然は運命しかないわよ!!よく、少女漫画でもあるじゃないですか?」
両手を胸の前で握りしめ、ウルウルと訴える霞美。
それは漫画だから。と心の中で呟く。
「それは漫画だからだね。」
あっ、海斗も思ったんだ。
「今日、私が来るのはわかっていたはずだし、時間帯をずらすのも知っていたはずだし、、そうすると、漆原家のスケジュールと違う時間に来れば確率は上がるよね?それは、運命とは私は思わないな。」
「!!!」
ドキッパリと言い切られ、カッと顔を真っ赤にする霞美に、蓮花は嬉しそうにニヤニヤしている。
悪どい顔を扇子で隠せ!!
「それに……。」
ニヤニヤの蓮花を引きつつ見ていたら、ふと頭上に影が差した。
徐に顔を上げると、柔らかく蕩けそうな笑みを浮かべた海斗が俺を見下ろしていた。
そして、肩に腕を回され、海斗はまた視線を霞美に向けた。
「私は既に何年も前に運命を感じ、運命の相手と出会ってしまっているから、貴方に一切感じないんだ。ごめんね?」
うぎゃーー!!
なんちゅう事を言ってくれちゃってるんですか!!
「うげっ!甘ーーーい!」
蓮花!!言いたくなるのは分かるが、やめて!!
「な、な、ッッ!!」
霞美は海斗の甘ーーーいセリフと、キッパリと振られた発言に顔を赤くしたり、青くしたり忙しそう。
「霞美ー!!!」
あっ、向こうから駆けてくるのは…
「ママッ!!」
うげっと、顔を歪める霞美の頭をバチコンと扇子で叩く。
うわっ!痛そう!
ってか、扇子流行り?
「こんな事だと思ったわ!!あんたはどんだけ迷惑掛けるの!!1ヶ月お小遣い無しよ!!」
「いやー!!!」
母と霞美の母親の漆原美登里。
まぁ祖母だ。
ってか、いい年でお小遣いかよ!
「お婆様!お久しぶりです!」
霞美に向けた表情とは、コロッと変わり、久しぶりの祖母へと微笑みを浮かべる蓮花。
俺も嬉しい。
「おばあちゃん。」
「まぁ!!蓮花ちゃんに睡蓮ちゃん!大きくなったわね!!2人とも綺麗になって!!本当にウチの霞美がごめんなさい!!甘やかして、本当に我儘になって…いつもごめんね?」
俺達を見て嬉しそうにしたが、すぐに申し訳無さそうに眉を下げる祖母。
なんか疲れてそう。
「美登里さんお久しぶりです。」
スッと頭を下げる祖母へと近づく海斗に、ハッと頭を上げた祖母は、また勢いよく下げる。
「海斗さん。お久しぶりです。そして、去年も、今年も…大変申し訳ございません。本当にご迷惑をお掛けして、、約束も守らせられず…。
「頭を上げて下さい。美登里さんと会う事は全然問題ありませんし。本人もたまたまだと言っております。
以後この様な事が無ければ、こちらとしては大丈夫ですので。」
あ、今後は許さないって意味ですね。
祖母も理解したようで、ぐっと、唾を飲み込んだ。
そして霞美を引きずり帰ってしまった。
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