6 / 12
お手伝い
しおりを挟む
キメラの服や小物、食料を求めて、次の町に向かうが、かなりの距離がある為、この日は野宿となる。
料理を作るヨシュア、ライラックとヴィートはテントを張る。
いつもの如く寝っ転がるジンクの腹の上に人型のキメラが座っている。
「ジンク!少しは手伝え!薪拾ってきてくれよ!!」
「うっせぇ、今忙しいんだよ。」
どこがだよ!!と、苛立つライラックを宥めるヴィート。
「おてちゅだい?」
すると、ジンクの腹の上から小首を傾げ、舌足らずの言葉で聞いてくるキメラに、苛立ちも忘れ、笑顔を向けるライラック。
「そう。お手伝いだ。ジンクはお手伝いしてくれないんだよ。」
「てめぇ…余計なこと言うんじゃねえ!」
キメラに告げ口するライラックに、上肢を起き上がらせるジンク、そんなジンクの身体の上から降りると、ちょこちょことライラックの方へと歩き出すキメラ。
「キ、キメラ?」
ジンクにしては珍しく動揺した声を出し、ライラックはその様子にニヤッと口元を笑わせた。
「ホラ、手伝わねえジンクの側は嫌だってさ。」
からかっていると、ちょこんとライラックの側まで来たキメラがライラックをジッと見つめる。
「どうした?抱っこか?」
「それともお腹すいた?」
テントの端を引っ張りながらヴィートもキメラの様子を伺う。
「てちゅだう。まき、もってくゆ。」
ん?
「てちゅだいましゅ。まき、もってきましゅ。」
はっ!!あまりの舌足らずの可愛さに固まってしまった!!
「ん?薪を持ってくるの手伝ってくれるのか?」
コクコクと頷きながら、ギュッと拳を握るキメラの表情は至って真剣で可愛らしい。
「うー!!可愛い!!ありがとう!でも、一人で出来るか?俺達はまだ手が離せないし…。」
「できゆ!そんちょとやった!」
フンッと鼻息荒く答えるキメラに、どうしたものだと、ヴィートと視線を合わす。
「でも、いっぱい必要だよ?持てる?」
ヴィートの言葉に、自分の小さい手をジッと見つめて、何を思ったか、ポンッとまた獣型に変身して、またジッと自分の手を見た。
多分、どっちの手が大きいか見ているんだろうが、その真剣なまん丸瞳と、必死に考えてる姿の可愛さに、フルフルと震えてしまう。
獣型の手の方が小さい事がわかり、また、人型に戻るキメラ。
「がんばゆ!!いくの!!」
可愛さに震えている間に歩き出したキメラ。
「あっ!ちょっ!待て待て!」
焦るライラックとヴィートに手を振って、鼻息荒く進むキメラ。
事の様子を見ていた、ヨシュアが鍋の火を消してついて行こうと立ち上がると、キメラの後ろを面倒くさそうに歩くジンクがいた。
おや?
一瞬皆固まるが、ここで声を出すとまずいと思い、自分の作業へと戻る事にした。
ちょこちょこ歩きながら、枝を拾うキメラの背後を木に寄りかかりながら、見つめるジンク。
3本拾って、4本目が中々持てず、落としてしまう。
まだ沢山必要だと言う事がわかっているのか、4本目を拾っては5本目を探して落としの繰り返しをしている。
その様子に悶絶するジンク。
「もちぇない。」
ポツリと悲しそうな呟きに、ジンクは息を吐き、4本目の枝を拾う。
キメラはジンクの姿をポカンと見上げる。
「俺が持ってやるから、沢山拾え。」
少し照れた様子のジンクに、キメラは力強く頷いた。
「その手の枝もこっちに渡せ。」
キメラから枝を受け取る。
キメラは嬉しそうに枝を探して、見つけると、ジンクに渡した。
「あっちゃ!」
大きい枝を見つけ、瞳をキラキラさせ、ドヤ顔のキメラに苦笑しつつ、頭を撫でる。
沢山拾って満足したキメラと、帰ると、3人が、固まりつつこちらを凝視していた。
ジンクはそんな3人に舌打ちして、薪を投げ捨て、寝っ転がる。
キメラは嬉しそうにライラックの方へと向かい、手に持っていた3本を渡す。
「いっぱいみちゅけて、みっちゅしか、もてにゃいの!じんくが、いっぱいもってくえたの!」
??
ライラックの頭にハテナが浮かんでいるのがわかり、ヨシュアが対応する。
「そうですか、3本が限界で、ジンクが手伝ってくれて、沢山持ってこれたのですね?でも、こんなに見つけてくれてお手伝いありがとうございます。」
そういうと、嬉しそうに鼻息荒く頷くキメラに癒される。
「キメラが動けばジンクも動くのか…。キメラ!明日も手伝ってくれるか?」
コクコク頷くキメラに満足気なライラックの頭にジンクから石が投げられた。
料理を作るヨシュア、ライラックとヴィートはテントを張る。
いつもの如く寝っ転がるジンクの腹の上に人型のキメラが座っている。
「ジンク!少しは手伝え!薪拾ってきてくれよ!!」
「うっせぇ、今忙しいんだよ。」
どこがだよ!!と、苛立つライラックを宥めるヴィート。
「おてちゅだい?」
すると、ジンクの腹の上から小首を傾げ、舌足らずの言葉で聞いてくるキメラに、苛立ちも忘れ、笑顔を向けるライラック。
「そう。お手伝いだ。ジンクはお手伝いしてくれないんだよ。」
「てめぇ…余計なこと言うんじゃねえ!」
キメラに告げ口するライラックに、上肢を起き上がらせるジンク、そんなジンクの身体の上から降りると、ちょこちょことライラックの方へと歩き出すキメラ。
「キ、キメラ?」
ジンクにしては珍しく動揺した声を出し、ライラックはその様子にニヤッと口元を笑わせた。
「ホラ、手伝わねえジンクの側は嫌だってさ。」
からかっていると、ちょこんとライラックの側まで来たキメラがライラックをジッと見つめる。
「どうした?抱っこか?」
「それともお腹すいた?」
テントの端を引っ張りながらヴィートもキメラの様子を伺う。
「てちゅだう。まき、もってくゆ。」
ん?
「てちゅだいましゅ。まき、もってきましゅ。」
はっ!!あまりの舌足らずの可愛さに固まってしまった!!
「ん?薪を持ってくるの手伝ってくれるのか?」
コクコクと頷きながら、ギュッと拳を握るキメラの表情は至って真剣で可愛らしい。
「うー!!可愛い!!ありがとう!でも、一人で出来るか?俺達はまだ手が離せないし…。」
「できゆ!そんちょとやった!」
フンッと鼻息荒く答えるキメラに、どうしたものだと、ヴィートと視線を合わす。
「でも、いっぱい必要だよ?持てる?」
ヴィートの言葉に、自分の小さい手をジッと見つめて、何を思ったか、ポンッとまた獣型に変身して、またジッと自分の手を見た。
多分、どっちの手が大きいか見ているんだろうが、その真剣なまん丸瞳と、必死に考えてる姿の可愛さに、フルフルと震えてしまう。
獣型の手の方が小さい事がわかり、また、人型に戻るキメラ。
「がんばゆ!!いくの!!」
可愛さに震えている間に歩き出したキメラ。
「あっ!ちょっ!待て待て!」
焦るライラックとヴィートに手を振って、鼻息荒く進むキメラ。
事の様子を見ていた、ヨシュアが鍋の火を消してついて行こうと立ち上がると、キメラの後ろを面倒くさそうに歩くジンクがいた。
おや?
一瞬皆固まるが、ここで声を出すとまずいと思い、自分の作業へと戻る事にした。
ちょこちょこ歩きながら、枝を拾うキメラの背後を木に寄りかかりながら、見つめるジンク。
3本拾って、4本目が中々持てず、落としてしまう。
まだ沢山必要だと言う事がわかっているのか、4本目を拾っては5本目を探して落としの繰り返しをしている。
その様子に悶絶するジンク。
「もちぇない。」
ポツリと悲しそうな呟きに、ジンクは息を吐き、4本目の枝を拾う。
キメラはジンクの姿をポカンと見上げる。
「俺が持ってやるから、沢山拾え。」
少し照れた様子のジンクに、キメラは力強く頷いた。
「その手の枝もこっちに渡せ。」
キメラから枝を受け取る。
キメラは嬉しそうに枝を探して、見つけると、ジンクに渡した。
「あっちゃ!」
大きい枝を見つけ、瞳をキラキラさせ、ドヤ顔のキメラに苦笑しつつ、頭を撫でる。
沢山拾って満足したキメラと、帰ると、3人が、固まりつつこちらを凝視していた。
ジンクはそんな3人に舌打ちして、薪を投げ捨て、寝っ転がる。
キメラは嬉しそうにライラックの方へと向かい、手に持っていた3本を渡す。
「いっぱいみちゅけて、みっちゅしか、もてにゃいの!じんくが、いっぱいもってくえたの!」
??
ライラックの頭にハテナが浮かんでいるのがわかり、ヨシュアが対応する。
「そうですか、3本が限界で、ジンクが手伝ってくれて、沢山持ってこれたのですね?でも、こんなに見つけてくれてお手伝いありがとうございます。」
そういうと、嬉しそうに鼻息荒く頷くキメラに癒される。
「キメラが動けばジンクも動くのか…。キメラ!明日も手伝ってくれるか?」
コクコク頷くキメラに満足気なライラックの頭にジンクから石が投げられた。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
414
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる