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2話 いつかこんな日が来るんだろうと思っていました。そのいつかの日は一秒一秒近づいてきてる気がして、ああ、もう来るんだろうなって

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 「ブリストル男爵令嬢嫡女ペンセア如き、学園に来させたくないなら貴女が来させないようにすればいいのじゃないかしら。
私が学園に来れないようにしてみなさいよ。
出来ないなら、額を地面にごりごり擦り付けて私の下につきなさい、負けメス」
我慢はよくありません。言いたい事は言ってしまいましょう。
 「あらあら、そんな事するわけないじゃないの。馬鹿なのかしら。馬鹿なんでしょうね。
ペンセア様が地面に額ごっつんこして"チシラ様の下に付かせて下さいお願いします"と頼むべきじゃないかしらね。
 「はぁー、そういうのはいいから。貴女馬鹿なの。馬鹿なんでしょうね」
 「そんな馬鹿な事を先に言ったのはどちら様かしら。おほほ、ペンセア様は馬鹿だから自分で直前に言った事さえ覚えてないのかしら」
 「それは貴女でしょう馬鹿」
 「ペンセア様貴女様よ!!この馬鹿!!」
 「どちらも馬鹿でいいだろ馬鹿どもが」
 「シウマ。貴方主を馬鹿呼ばわりとは馬鹿なのかしら馬鹿」
 「もういいだろう。どうせ君達が今やる事なんて一つしかないんだ」
 「まぁ、それもそうね」
 「ペンセア様がびびって逃げてるんでしょう」
 「びびってる。びびってるかぁ。確かにびびってるわね」
 今まで何百回も負けてきた相手と闘技をするのに、びびらないわけがありません。
 「私が一番恐れてるのは、上だの下だのという点なんでしょうね」
 「甘ったれが過ぎてるわよペンセア様」
 いつかこんな日が来るんだろうと思っていました。
そのいつかの日は一秒一秒近づいてきてる気がして、ああ、もう来るんだろうなって。
そのいつかが今日でも今でも驚かない程に、近づいてきているのを実感して、
もう今恐れてはいても驚きはしないのです」
 「闘技」
 「闘技」
他にもあーだこーだとやいやい言い合ってはいたが、どちらからともなく闘技という言葉が出ていました。
どちらが先に闘技と発したかなんて取るに足らないどうでもいい事で、私達は2人とも闘技と言葉を発していたのです。
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