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番外編-1

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少しの沈黙の後、男の子の手が傘に伸びてきた。

ホッと安堵したのも束の間、私は声を上げてしまった。

「あぁっ!!」


だって、ヒジから真っ赤な血が出ていたんだもん。


「けがしてる!!どうしよう!?」

わたしが前見てなかったから。
わたしのせいだ。

どうしよう、こういうときお母さんどうしてたっけ?

そうだ、おでかけセット!!

私はカバンのポケットから絆創膏を取り出すと、ベロンと5枚繋がったまま出てきた。

「これでたりるかなぁ?」

私はありったけをペタペタと張っていった。


「これでいいかな?」

傷口は5枚並んだ絆創膏で見えなくなった。


じっとその絆創膏を見つめる男の子の頭に、自然と私の手は伸びていった。

男の子は不思議そうな顔で私を見上げる。


「泣かなかったから」

私は男の子の頭を撫でた。
お母さんがいつもそうしてくれるように。


「な、泣かないよ!これくらいで!!」

顔を真っ赤にして背けられた。

変なの。
さっきまで、あんなに大人に見えたのに、今度はすっごく子供に見える。


「なんで?がんばった子にはいいこいいこするんだよ」

照れてふてくされたような表情が可愛くって、私はまるでお姉ちゃんになったような気分で頭を撫で続けた。
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