素直になれなくて-吉哉の場合-

吉野ゆき

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合コン

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「今日は楽しかったですね!それでは皆さん!お疲れ様でしたー」

大倉の合図で解散となる。




…んだけど、あれ?


「どこ行くんだよ?」

帰る方向とは逆を行く大倉に尋ねた。

「野暮なこと聞くなよ」

そう言ってニヤリと笑いながら荒井さんの肩を抱く。

あ。

慌てて西田さんのほうを確認すると、ちゃっかり飯島さんと消えている。

西田さん、あんなおとなしそうな顔して…。
絶句していると、腕に何かが絡み付いてきた。


絡みついた先を見ると、立花さんが上目遣いで俺を見つめている。


「ねぇ、あたし達も…行こ?」

どこへ?なんて聞かなくても分かる。
そんな言葉ではぐらかせないことも。


「立花さん、悪いけど俺…」

「好きな人がいるんでしょ?」

俺が言葉にするより早く立花さんの口が開いた。

「え」


驚いていると、立花さんはさらに続ける。

「でも叶わない」

「!」

瞬きもせずに俺を見つめる大きな目は、何もかも見透かしているみたいで思わず顔を逸らした。


「いいのよ、それで~」

立花さんはあっけらかんと言い放つ。

「は?」

好きな人がいるって言ってるのに、なにがいいんだ?

俺には立花さんの言ってる意味が分からなかった。


立花さんは絡めていた腕を外して俺の両手を取り、体を正面に向けさせた。


「要は、『身体だけの関係』ってコト」

立花さんは妖艶な笑みを見せてそう言った。

「!!」

俺は思わず思い切り手を振り払った。

「キャッ」

甘ったるい声が静かな暗い路地裏に響く。
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